英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

ドキュメンタリー

映画 Barbie を見た。『バービー』と『Tiny Shoulders: Rethinking Barbie』

昨年のホリデーシーズンから続く異次元の広告投下量に若干白けていたのだが、ベン・シャピーロが「全編wokeのゴミタメ」とキレ散らかしていたので(ガーウィグ作品をあえて見に行っただけでも誠実だと思うが)、見る前から「やってくれたね!」と喝采を送っ…

映画 The Princess (2022) を見た。HBOドキュメンタリーがとらえたダイアナ妃現象『プリンセス・ダイアナ』

これまでダイアナ妃や英国王室に材を取ったフィクションをいろいろ見てきた。 The Crown、The Queen、Spencer... 比べられるものではないが、そのどれよりもはるかに面白かった。夫妻の姿だけでなく、「そのとき」の一般市民の様子が多数盛り込まれ(スマホ…

映画 The Janes を見た。Roe v. Wade前史『ザ・ジェーンズ』

1970年前後、Roe v. Wadeの判決が下るまで中絶を支援した活動家グループJaneの記録。 Happeningに続いてタイムリーな公開。 (母親に生まれる前の子を殺す権利などあるものか、と説教する神父の動画に続いて) It's not a theological argument. It's a put-…

映画 Cow を見た。アンドレア・アーノルド『カウ』

あの『アメリカン・ハニー』を撮ったアンドレア・アーノルド監督が乳牛の生涯を追ったドキュメンタリー。各所で配信しているが、イースター前の断食中でもあり、これは家では集中できないやつ、と思って劇場で瞑想してきた。出産時、人間3人がかりで子牛を引…

2022年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作5本を一気見した。

今年は4/5本が米国が舞台の米国作品だったせいか、粒が揃いすぎているというか、ズレを感じて問いが深まったり、新しい世界が広がったりした作品はなかった。それでもなんとか、印象に残った順に。 ■ The Queen of Basketball『ザ・クイーン・オブ・バスケッ…

映画 Flee/Flugt を見た。ゴッサム・ドキュメンタリー賞『フリー』

緻密なデリバリーの秀作。 ストリーミングが始まっているけど、あえて劇場に見に行ってよかった。 トゥイーンを意識的に排除したアニメは照明がものすごく適切で、解像度が高いほど情報量が多いのは事実だけど、それが必ずしも真ではないことを思い知らされ…

2021年 映画館または家で見た映画ベスト4→3

気に入った作品順。それぞれ、鑑賞日の日記にリンクしています。スケールは「ていうか、見たっけ?」以外文春シネマのを拝借。 4月以降、映画館で見られた作品には<映画館>のラベリング。★★★★★ もう最高!ぜひ観て!! 私が見た映画の中では今年は該当作品な…

映画 Roadrunner: A Film About Anthony Bourdain を見た。アンソニー・ボーディン is 『ロードランナー』

リアルタイムでは番組や著書にふれていなかった私にとって、アンソニー・ボーディンはうつに苦しんだ有名人というイメージが強い。 実は彼が亡くなる3日前に出たケイト・スペードの訃報のほうがショックで、「この2人を自死させるアメリカ社会やべえよ」、Th…

映画 Moby Doc を家で見た。モービーのドキュメンタリー

実はモービーの名を知らなかったのだが、過去に行ったレイブで彼のパフォーマンスを見ていたことが発覚。 スティーヴ・アオキのショーケースしか覚えてなかったわ...。 それ含めて、"This film is yours"と教えてくれたEちゃんありがとう。Moby Doc [DVD]Mob…

映画 Final Account を見た。市井の人びとの『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』

英語字幕で鑑賞。 perpetratorという言葉を覚えることになる。 法的、社会的に「戦犯」と定義されないにしても、ホロコーストにかかわってしまった一般人enablersの最後の証言を集めたドキュメンタリー。 何人か否認者も出てくるので、閲覧注意である。作品…

映画 Street Gang: How We Got To Sesame Street を見た。『ストリートギャング』私のセサミストリート

ついに!映画館が戻ってきたYO! 去年Straight Upを見て以来なので、実に14か月ぶり。 よくぞ持ちこたえてくれた。 ここ以外の行きつけ2館はつぶれてしまった...そして、本作は映画館復帰作としてぴったりだった。 私よりももっとセサミになじんできたであろ…

映画 Time (2020) を家で見た。アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞候補作『タイム』

ギャレット・ブラッドリー製作・監督作品の感想。

2021年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作5本を家で一気見した。

2021年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作5本を一気見した感想。Hunger Ward、不割席、ラターシャに捧ぐ 〜記憶で綴る15年の生涯〜、Colette、A Concerto is a Conversation

映画 17 Blocks を見た。ホワイトハウスの裏手から『17 Blocks 家族の風景』

ぐいぐい伝わるローデータ・ドキュメンタリー。 ホワイトハウスから17ブロックの界隈に暮らす家族の20年を監督と本人たちが撮った。場所柄、2回の大統領選の夜の描写もあるのだろうな、と思ったのだがとんでもなかった。 終始「政治ナニそれ食えるの?」とで…

映画 Some Kind of Heaven を家で見た。フロリダ is『サム・カインド・オブ・ヘブン』

ディズニーランドで暮らす、とはどういうことか。 フロリダの「天国」、リタイアメントコミュニティでゆっくりと燃える人生を追いかける。 おそらく、現共和党政権の支持基盤の一角を担ったコミュニティ。 そしてたぶん、昨年はここの居住者の多くがほんとの…

映画 The Reason I Jump を家で見た。『僕が跳びはねる理由』

東田直樹著『自閉症の僕が跳びはねる理由』をもとにしたドキュメンタリーを見た感想。

映画 City Hall (2020) を家で見た。フレデリック・ワイズマン『ボストン市庁舎』

City of Bostonが行使される場をひたすら追いかけたドキュメンタリー。 大変リッチで面白かった。公共政策という学問領域が肉をもって活きている感じがする。 クオモNY州知事の周囲をかためる行政官を見ていても思うこと。結婚式に立ち会い、"By the authori…

映画 Finding Yingying を家で見た。ドキュメンタリー『ファインディング・インイン』

2017年に中国人留学生インインが行方不明になったイリノイの事件を、彼女のオリジンも含めて追いかける。 勉強好きで家族の希望の星だったインインとの共通点も多いJiayan Jenny Shiの監督デビュー作。学生時代の足跡をたどるボーイフレンドの前に傷ついた鳥…

映画 Collective (Colectiv) を家で見た。あらゆる社会が陥りうる闇『コレクティブ 国家の嘘』

ブカレストのクラブ Colectiv 火災があぶり出したルーマニアの医療システムの闇。投票率が上がらないために腐敗が進むのはどこも同じだなァ。 加えて、ある程度の投票数が確保された場合も物事はシンプルではなく、自分の知っている世界と投票結果に大きなギ…

映画 Born to Be を家で見た。トランスジェンダー外科を活写『ボーン・トゥ・ビー』

これまでに見たドキュメンタリー作品の中でナンバーワン。 2015年、ニューヨーク州で全医療保険プランに性別適合手術への適用が義務付けられた。 その翌年に開院したドクター・ティン & 医療チームとその患者たちの苦しみと喜びを追う。Born to Be [DVD]Kino…

映画 The Donut King (2020) を家で見た。カリフォルニアのドーナツ史『ドーナツキング』

カラフルなカリフォルニア移民のドキュメンタリー。アメリカのドーナツの歴史をカンボジアまで遡る。 ユニークな成功だけでなく、失敗の派手さも含めて、『RBG』と同じく「アメリカでなければ起こり得なかった」アメリカ人史である。ドーナツキング(字幕版…

映画 Softie を家で見た。Sam Soko ケニアの『ソフティ』

先週末、ちょうどスマホをいじっているときに RBG 逝去の速報が入った。 随分前から準備されていたであろうNYTの追悼記事を読みながら、私はあることを止める決心をした。毎日1、2時間費やしていた雑事。スッパリ止めて3日目だけれど、頭はスッキリしている…

映画 Starting at Zero を家で見た。早期教育推進映像『スターティング・アット・ゼロ』

これは...「ドキュメンタリー映画」として$12で売っていい作品じゃないのでは。 冒頭に「特定の政党や自治体を推すものではない」と但し書きがでてくるけど、ひたすら先生と為政者がポリシーを語るだけでいっこも面白くなく、圧の強い長尺のアラバマプロモー…

映画 My Darling Vivian を家で見た。ジョニー・キャッシュと『マイ・ダーリン・ヴィヴィアン』

ジョニー・キャッシュの、ジューン・カーターでないほうの妻、ヴィヴィアンの生涯を4人の娘たちが語る。 前田ハウスで話題の SXSW 2020 出品作だが、イベントが初めて中止になったため、オンラインプレミア。My Darling Vivian [DVD]Giant InteractiveAmazon…

ドキュメンタリー The Inventor: Out for Blood in Silicon Valley を見た。エリザベス・ホームズのセラノス狂詩曲

本編でインタビューに答えたエンジニアさんの言葉を借りる。 I "want it to be true so badly." いやだって、初めて彼女の事業を知ったとき、素晴らしい王様のアイディア!と思ったもの。私はサニーとつるんだのが彼女に悪影響を及ぼしたと思う。 従業員のメ…