Bible
福音(ゴスペル)のナラティブを触媒にほとばしるシスターフッド讃歌。 原作のわりと大きなエピソードは省いても、主要人物のそれぞれの信仰の言説をしっかりすくってあるのが好き。 神に近づいて若返る、というのは新約のメインテーマのひとつだし。数々のD…
日本の教会で礼拝にあずかる機会に恵まれた。 そこで日本のキリスト教人口が1%を超えられない原因の一端を見たので、さばいてるように聞こえるかもしれないけれど事実として書いておく。そのプロテスタント教会は、メガチャーチとは言わないまでも日本では大…
友人にのっぴきならない急な事情があり、1か月間、高齢のご母堂の送迎を頼まれた。 困ったときに思い出してもらえたのは嬉しかったものの、一瞬「ほかに選択肢ないわけ?」と思ってしまった。 A地点からB地点の30分ほどの送迎なのだが、AもBもうちから車で1…
先週、YouTubeのオススメをきっかけに天皇皇后両陛下や愛子さまの動画を次々と見ていたらサーッと涙が出てきた。それも、弱い人、苦しむ人に心を寄せるシーンや、ほほえましいハプニングのカットよりも、恒例のセレモニーにお出ましになり、型どおりのスピー…
面白かった。今年の暫定ベスト。お仕事ものは鉄板。そしてまた1984年という年が、私が南部で過ごした子ども時代ど真ん中なので冒頭からノスタルジー。 ところどころプロップのカットが変に意味ありげだったのは(なんかの伏線か、といぶかしむくらい)、開発…
カンボジアンフレンチのDavy Chou監督による『ロスト・イン・トランスレーション』以上にLost in translationが歯がゆい逸品。それこそ同じ言語の話者同士であっても誰もがすれ違いまくる。 あまりに理解を超えてくる相手に、一言で消されるマキシムと一緒に…
イギリス語の愉悦に浸れる作品。 当然イシグロ脚本だという先入観のせいなのだが、『日の名残り』を見ているようであった。パ〜っと楽しくやってみようぜチャプターはほんっとに楽しくなさそうで、ミス・ハリスとの午後の輝きが映える。 上映前に寄ったピザ…
昨年成立したエメット・ティル反リンチ法の発端の物語。 1955年にはこのようなリンチ事件が大きく報道される程度には進歩していたのだなと思ってしまった。 そしてこの時代でも、人種差別をメディアの中だけの人ごとだと思いながら育ち、そのノリで他州に行…
関心のある題材だったのだが、映画は退屈だった。 最初と最後のキャプションが余計すぎたと思う。あれのせいで一気に説教くさくなった。 この内容だったら、一幕劇に脚色したほうが面白そう。たぶん、敬虔なキリスト者こそ、「天国に入れないぞ〜」という脅…
韓国ドラマといえば、冬ソナの最終回20分だけ見たのが20年近く前。 あのときもまわりにそこそこ見ている人はいたけれど、記憶喪失というだけでげんなりするし、同僚から『夏の香り』がいかに同じ話かを聞いて大笑いして終わった。そして素晴らしい目利きの韓…
直接献金は関係ないのだが、 おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。(マタイ25:29) を地でいきすぎで、問題に感じたことがあったのでメモしておく。先日5年ぶりくら…
信頼するレビュワーたちが揃って「悪くはないけど、監督の過去の秀作(Get Out、Us)に比べると...」と言葉を濁す。 確かに1度見ただけで鮮明にキーのせりふを(ルピタ・ニョンゴの"We are Americans"!)、恐怖の感情を記憶している2作に比べると、とっ散ら…
所属する米国のプロテスタント教会での献金体験を書いている投稿のアクセスが急増したと思ったら、あのカルトが会見で「十分の一献金」という言葉を使ったんですね。精神的なよりどころにお金を出すことについて、クリスチャンの私が言いたいのは「献金を強…
タイザー歴7年、自分史上一番すごいことが起きたので聞いてほしい。 要旨: 追徴に構えていたタックスリターン(確定申告)で、取られるどころか15,000ドル戻ってきた。今の円安レートなら200万円相当。 それは渡米以来初めて税理士を変えたことで起きた。 …
先週、2つ、経験のない仕事を「やってくんない?」と言われ、下記に引用した内田センのすすめを思い出してあんまり考えずに「いいよ」と言ったのでメモしておく。普段自分がしているウェブ開発や翻訳でも紹介で仕事がつながることは多い。人手がほしいときに…
去年、宣伝のスチールを見て「シャツが素敵!」と思って注目した作品。 ↓これな。 Neon主人公のモラトリアムに共感したし、2時間楽しめたけど、ここまで絶賛されている理由は分からず。 『WAVES/ウェイブス』でも感じたことだが、このプロットでがんを発症さ…
宣伝美術のイメージに反してシーラーズの庶民の日常を描いた作品で、とても面白かった。聖書にもたびたび出てくる「取税人」のつらさを思う。 相手を信じてお金を貸しているのに、なんだか悪者になってしまうという...。 本作の「取税人」にはかっこいい娘さ…
ジェーン・カンピオン怖いんだけど泣 『ブロークバック・マウンテン』と同じ後味。 主人公、この時代のこの土地に生まれたためにほんとにしんどかったね、最後まで何もいいことなかったじゃん...ってすごくかわいそうになるやつ泣 ↓↓ ホラ、苦しそうすぎる泣…
5/18/2021付けのNY Timesの特集。 WHAT WE SPENT IN A MONTH - Six American families open their doors — and their wallets — to show us how much life costs.毎日息するだけでどんだけお金かかんねん、という恐ろしい記事なのだが、その中で什一献金をし…
トール・フロイデンタール監督、チャーリー・プラマー主演。統合失調症に苦しむ少年の青春を描いた作品。
ディズニーランドで暮らす、とはどういうことか。 フロリダの「天国」、リタイアメントコミュニティでゆっくりと燃える人生を追いかける。 おそらく、現共和党政権の支持基盤の一角を担ったコミュニティ。 そしてたぶん、昨年はここの居住者の多くがほんとの…
ともあれ安堵。 2016年の投票日の夜、恐ろしくて聖書に慰めを求めたら「偽りの舌は滅びを招く」の箇所が開いた。 きっと神に何らかのお考えがあるのだろうと思うしかなかった。実際、この4年間はあまりに大きな犠牲を払い、たくさんの命まで失ってしまったけ…
タイトルからして見るしかない。 結婚でグリーンカードを得ようと奮闘するブルックリンの移民の物語と聞けばなおさら。 が、残念ながら四流作品だった。設定が複雑な彼女の苦しみ、不安は伝わったけれど、どうにもエピソードが陳腐で。 時折かぶさる大統領の…
カトリック業界が舞台。編集も音楽もパフォーマンスも拙くて見づらいが、興味のあるトピックなので見られた。
引き続き、Pride Month。アトランタ、シアトルをはじめ、多数の映画祭で観客賞を受賞したDaniel G. Karslakeのドキュメンタリー。 原理主義的で強硬なプロチョイスの福音派やカトリックの家庭とLGBTIの子どもたちの葛藤。イエスが十字架の上から語られた慈悲…
(元)依存症患者の心象風景を追った作品の中では今までに見た中で一番面白かった。 そもそも、Lost and found in translationの物語は、私が常に惹かれるテーマ。ローマに根を下ろしかけのアメリカ人デフォーが、イタリア語のレッスンを受け、英語話者のAA…
州の外出禁止令が出てから1か月半、ごくごく限定的だけれども、今週末から本屋さんなどの小売店が再開されるという。この期間に米国の失業率は戦後最悪に。 が、当社比で言えば、今ほど天の倉が開いたときはなかった。背景として、3月に連邦から請求された税…
州の外出禁止令が出てから早くも1か月。 あの週は映画館が閉鎖し、FedExで人数・時間制限が行われるようになり、ロンドン・ブリード市長の英断によっていきなりサンフランシスコがShelter in Houseを開始し、びっくりしているうちに連邦や市などあちこちから…
英語字幕で鑑賞。 2018年ベネチア国際映画祭クィア獅子賞受賞作。さすがにラストの突き放しには劇場内に Huh? という声が上がる。少なくとも、とても正直な作品だったと思います。やだなぁ、貧乏は...。 彼らの貧乏具合は、年代は違うものの、『ローマ』の青…
命がけの作品。事実、撮影中に4人もの関係者が命を落としたという。アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞はオバマ肝入りの『アメリカン・ファクトリー』が有力らしいけど、それよりもこの作品に受賞してほしい。少しでもたくさんの人に見てもらえるように。…