英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画 Till を家で見た。メイミー・ティルモブリーのレガシー『ティル』

昨年成立したエメット・ティル反リンチ法の発端の物語。 1955年にはこのようなリンチ事件が大きく報道される程度には進歩していたのだなと思ってしまった。 そしてこの時代でも、人種差別をメディアの中だけの人ごとだと思いながら育ち、そのノリで他州に行…

映画 Women Talking を見た。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

関心のある題材だったのだが、映画は退屈だった。 最初と最後のキャプションが余計すぎたと思う。あれのせいで一気に説教くさくなった。 この内容だったら、一幕劇に脚色したほうが面白そう。たぶん、敬虔なキリスト者こそ、「天国に入れないぞ〜」という脅…

映画 TÁR を家で見た。ケイト・ブランシェット is 『TAR/ター』

言語としての音楽に関心を持つひとりとして大変情報量が多く面白かった。 プロットを読んで『ブラック・スワン』みたいな話だったらめんどくせえな〜と思ったのだが、幻聴・幻覚は最小限、わりと地に足のついた骨太のサイコスリラーだった。 特にコロニアリ…

映画 Aftersun を家で見た。シャーロット・ウェルズ x ポール・メスカル『アフターサン』

何も起こらない映画を久しぶりに見て新鮮だ。30 somethingのつらみギンギンのメスカル、いい。共感した。 こんな素敵な子どもの父親になれても苦しいのはすごく理解できる。 祝・アカデミー主演男優賞ノミネート。ポラロイド写真やブラウン管の像のギミック…

映画 Saint Omer を見た。ベネチア審査員特別賞 『サントメール ある被告』

エウリピデスの『メディア』を下敷きに、実際にあった子殺し事件の解釈を試みるインテンスな女性論。 舞台で見たい感じ。 白人様が「洗練されている」「教養がある」と異様に絶賛するローレンスのフランス語に浸ることができる。ローレンスの母親、ごくわず…

映画 A Man Called Otto を見た。トム・ハンクス is 『オットーという男』

トム・ハンクスが4回自死をはかって連れ合いの霊(だよね)に阻止される話。 甘々脚本だけど、charming enoughなファンタジーだった。 マリソル(Mariana Treviño)がとても良かったが、彼女が喋るたびに後ろの観客が鼻をフガフガさせながら爆笑するものだか…