英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

2016-01-01から1年間の記事一覧

映画 Paterson を見た。ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』

極寒(アンジェリーノにとっては)のLA、雨のため、屋外の用事が中止になったので年内に見ることができた。思ったよりも面白かった。 想像していたよりもdramaだった。 特に連れ合いローラの造形。 そして何より、イヌが主役だった。とりあえずロードムービ…

映画 20th Century Women を見た。アネット・ベニング『20センチュリー・ウーマン』

2週間前、脚本/監督のマイク・ミルズがラジオインタビューでオカンについて語っているのを聞いて興味をもった。 とてもクリエイティブな女性だった、と。「裏フォレスト・ガンプ」の趣。エグいけど、「フォレスト」よりもよほど郷愁を誘う。 この映画と比較…

映画 Silence を見た。マーティン・スコセッシ監督『沈黙 サイレンス』

長い。 でもやたら褒められてるんだよなあ、この映画...私は元々本作をなぜか「色モノ」と思っており、見るつもりはなかった。 でも兄弟姉妹に誘われ、イブに先達の闘いについて思いめぐらすのもよかろうと考えたのだ。クライマックスのロドリゲスの踏み絵の…

映画 La La Land を見た。夢を追うならスターの街。『ラ・ラ・ランド』

チケットもぎりのお姉さんに"La La Land. You're loving it"と言われる。 ええ、気に入りましたとも。 冒頭の舞台、フリーウェイ105、110は私のゴスペルロードだ。 私にとってはLAはCity of Angelsだけど、この映画ではCity of Stars。 切なく愉しい映画だっ…

私が身銭切って見た2016年映画トップ3

相変わらずオスカー狙いの実話ベースものがあふれる中、フィクションが豊作だったのが嬉しい1年でした。 私が今年映画館に足を運んだ作品なので、2015年末公開作も含まれています。 それぞれクリックすると、観賞雑記にとびます。● 私の2016年トップ3 瞬間…

映画 Jackie を見た。ナタリー・ポートマン is 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』

ずいぶん前からPRが始まっていたものの、ふたを開けてみると評判あまり良くない... でも、ジャッキー写真集を2冊持ってる者として、とりあえず見に行かないわけにはいかず。ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命(字幕版)ナタリー・ポートマンAmazon感想…

米大統領選を経て、むしろ日本が心配になった

土曜昼間のカーラジオでいつものリスナー参加型クイズ番組、いつもの司会。 「最近のト**プの写真見るとさ、あんまり幸せそうじゃないよね」 「逆に、ハッピーそうなのは... ヒラリーだよね」 「そうそう、ハイキング中にあちこちで捕獲されて楽しそうにして…

映画 Moonlight を見た。『ムーンライト』500万ドルの超低予算作品にハリウッド震撼。

たぶん、今年最も批評家が好んだ作品。 NYTのクリティーク3人全員が2016年ベストムービーズにピックアップしている。 LA Timesの批評家も同様。(ちなみに1位にSilence「沈黙」を挙げる人も)1980年代マイアミで、黒人、ゲイ、そして貧困層に属する男性がア…

映画 The Edge of Seventeen を見た。ヘイリー・スタインフェルド『スウィート17モンスター』

ピッチ2で、歌も書けちゃう新人を演じたヘイリー・スタインフェルド主演の青春コメディ。"not another 17 movie"の呼び声高く、何が違うのだろうかと期待して見る。 私向けではなかったが、品の良いジュブナイルだったと思う。「親が留守!」が一大イベント…

映画 Manchester by the Sea を見た。 打ち寄せる悲しみ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

しみじみと良いダイアローグだった。 地味な作品のマチネなのに館内満員。マンチェスター・バイ・ザ・シー (字幕版)ケイシー・アフレックAmazon悲しみが体にしみついているリー(ケイシー・アフレック) が、ボートの上でだけひっそり見せる笑顔に、中島らも…

希望を捨てない

まだ完全には立ち直れていないし、敗軍の将のガラテヤ6:9を引いたスピーチを反芻するたび身を切られるようなつらさを味わっているのだが、いくつかよいこともあった。1. Twitter見なくなった。知ったような口ぶりの日本語tweetや日本語メディアを目にするの…

映画 Loving を見た。ジェフ・ニコラス脚本・監督『ラビング 愛という名前のふたり』

最後の最高裁の判決(キャプションが出るだけです)にジンワリと涙があふれた。ラビング 愛という名前のふたり(字幕版)ジョエル・エドガートンAmazon個人的に、リチャード役のJoel Edgertonに、今年度最優秀主演賞を差し上げたい。 ただただシンプルで、自分…

映画 Certain Women を見た。クリステン・スチュワート、ミシェル・ウィリアムズ 『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』

モンタナの小さな街を舞台に、「アメリカン・ハニー」に続き、モーメントを静かに丁寧に綴ったマスターピース。 室内のカットなど、まるでEdward Hopperの絵画のよう。ローラ・ダーン、ミシェル・ウィリアムズ、リリー・グラッドストン & クリステン・スチュ…

映画 Denial を見た。ホロコースト否定論者と闘う、レイチェル・ワイズ『否定』

公開2週目、意外に人が入っていて驚く。 判決の瞬間、観客の間から拍手が起こった。否定と肯定(字幕版)レイチェル・ワイズAmazonホロコースト専門のヒストリアンと、「彼女の本に名誉を毀損された!」と訴えたホロコースト否定論者のリーガル対決。 まず、…

映画 Queen of Katwe を見た。ルピタ・ニョンゴ『奇跡のチェックメイト - クイーン・オブ・カトゥエ』

「真田丸」で囲碁レッスンを見た後で教会に行き、日曜学校の子どもたちを連れてチェスレッスンを見ることにした。超ディズニー映画。 ドブネズミのミッキーが清潔なのと同様、汚いものは徹底排除、(面白くなるはずの)チェス修行譚、チェスギョーカイものと…

映画 American Honey を見た。アンドレア・アーノルド監督『アメリカン・ハニー』

私の車内愛唱歌American Honeyがモチーフ、大好きなアメリカン・ロードムービー、そして、主演である新人のサーシャ・レーンがフロリダのビーチの人ごみの中でスカウトされた逸材だと聞けば、見に行くしかない。アメリカン・ハニー (字幕版)サーシャ・レーンAm…

礼拝としての献金(シリーズ献金 その8)

Rick Warren牧師のデヴォーションメルマガから拙訳。礼拝としての献金 あなたの財産とすべての収穫の初物で、主をあがめよ。(箴言3:9) 幼い頃、両親のために取るに足らない小さな贈り物を買ったり作ったりしたものです。今思うと、本当にくだらない物ばか…

映画 Bridget Jones's Baby を見た。『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』

この手の作品、つまり、エド・シーランが本人役で出てきてグラミー賞受賞作を歌いまくってしまうような映画はレビューなんて求めてない。 けど、Roger Ebertで3つ星だったので、何か見所があるのかもしれないと思い、前作見てないけど行ってみた。ブリジット…

映画 Snowden を見た。オリバー・ストーン監督『スノーデン』

まーまー面白かった。 先週のキャプテンSullyとはまた違った角度のアメリカ物語。CIAが宇宙機動隊の基地みたいで、もう少しリアル「っぽい」セットにできなかったの?と思うところ多々、ドイツで撮影したなら仕方ないのか。事前にきな臭い話をいろいろ聞いて…

映画 Sully を見た。トム・ハンクス『ハドソン川の奇跡』

面白かった。気づいたらシャツの裾ずっと握りしめてた。 イーストウッドの最近のトウモロコシに乗っかったレイシスト発言にあーモウロクしたかな、と残念に思っていたのだが、透明感ある演出に衰えはなかった。やっぱりすごい。ハドソン川の奇跡(字幕版)トム…

映画 Florence Foster Jenkins を見た。メリル・ストリープ is『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』

バイオグラフィものは興味あるけどこれは見なくてよさそう…、と思っていたが、トマトメーターが赤いので行ってみた。 やはり面白くなかった。メリルに飽きてるのは映画のせいではないとして、あまりに物語がフラットすぎるし、Cosme役が濃すぎる。本作の評価…

映画 Southside with You を見た。オバマ夫妻、世紀の初デート『サウスサイドであなたと』

私は、"I already miss Obama" kind of personの1人。7月、4夜連続で民主党大会のラジオ中継を聞くことができた。 初日、ダウンタウンのネックを回るフリーウェイを走っている時に、ミシェルのスピーチが始まったのだ。 たまたま彼女の言葉をライブで共有で…

映画 Don't Think Twice を見た。夢を追い続ける代償とは?『Don't Think Twice -僕たちの成功-』

トレーラーを見て、小劇場ラバーとして絶対見に行かねば、と期待していた作品。とてもあたたかく、気取らず、インプロにかけた(やや中年の)若者の夢とreality bitesを切り取った作品。 スターが出ていないにも関わらず、本作の評判が非常に良いのは、同じ…

映画 Café Society を見た。ウッディ・アレン『カフェ・ソサエティ』

後で評判やシノプシスを読むと、「いやー、それほどの佳品では…」という感想。 ハリウッドの虚実を描き出す!などというものでもない。 いじきたない男女2人の薄っぺらい純情物語。 ハリウッド界隈とギャングのターンは付け足し。特に劇中殺人しまくったギャ…

映画 Hunt for the Wilderpeople を見た。『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』

多分、ニュージーランドで撮影された作品は山と目にしているのだろうけど、ニュージーランド映画を見たのは初めてではないか。 (ハリウッド作品に比べ)ヘンに説明し過ぎす、ニュージーランド英語で繰り出されるボケは心地よく、もちろん野生の風景は美しく…

映画 Love & Friendship を見た。ジェーン・オースティン『レディ・スーザン』映画化

非常に退屈。 セリフ劇は好きなのに、魅力的な役者は1人も出てこないし、私にはコスプレしか楽しめるところがなかった。 (でもケイト・ベッキンセールのメイクがコンテンポラリー過ぎ。ヤンキーみたいだった)観客に一番ウケていたのは、聖書の知識をこね…

マンガとの再会 ありがと、Kindle。

「重版出来!」1巻で、こんなチャレンジがあった。 「『かつて漫画を読んでいたが、今は離れている』層へのアピール方法。安く…長く…」 そこでは、ドロくさい方法に活路を見出し、1人の営業君が育って行く、という話だったのだが、私が言えるのは、「まずは…

映画 Maggie's Planを見た。ジュリアン・ムーア『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』

予定してたLove & Friendshipを見る気分でなくなったところ、より軽そうで評価もそこそこだったので入る。私が今年見た映画の中では、How to be singleを超え、$9.5の価値はないで賞、ワースト1位に。マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ(字幕版)グレタ・ガー…

映画 The Meddler を見た。スーザン・サランドン is『マダム・メドラー おせっかいは幸せの始まり』

This is the L.A. life. (やや富裕層の) Who doesn't love love?私の知っているgreater L.A.そのもの。 シアターを出たら青空が映画の続きのようだった。以前、「シアターを出たときの気分」を鮮明に覚えているのは「タイタニック」。 当時は唯一の自由時…

「宗教と科学のガチンコ対談」を読んだ

竹内氏の著書は学生の頃に何冊か読んだ。最初はヘーホーと読み進めるのだが、2冊目で飽きた覚えがある。それで、この本で私が膝を打ったのは、竹内氏の「隣人を愛せ、の隣人とはどの縁の範囲まで?」という疑問に対する佐藤氏の答え。聖書の「博愛」はダブル…