2024-01-01から1年間の記事一覧
内戦の影響を受けた日常を背景に、死に瀕する場でしか生きられない戦場ジャーナリストなる人たちを追う。 舞台は米国だが英国映画っぽい残酷風刺劇で、雑にくくると同監督が書いた『ザ・ビーチ』と同じ話である。トレーラーの印象では『インデペンデンス・デ…
史実に材をとったフェミニズム映画。 クリップを見てブリティッシュ作品のいつメンか...とめげてはいけない。 構造的に作られた「女の敵は女」がまた見世物にされると見せかけて、荒削りのシスターフッドで父権にF-CK OFFを突きつける。 『レ・ミゼラブル』…
米国就労ビザの理不尽はよく知るところなので、そこに興味を惹かれて見た。 もちろんトレス自身の身近な物語でもあるのだろうけど、作品の中ではビザスポンサーのごたごた自体はアレハンドロをエリザベスから去らせないための物語の障害にすぎない。面白かっ…
最高の高。「いいね!」を連打強打殴打。 とにかくエンターテイニングだし、『テルマ&ルイーズ』の別のアンサーとしてもきわめてキレがいい(時代設定もほぼ同じ)。 そうそう、本来渓谷に落ちるべきはオメーだよ、よしよし、と思ったものの、「父」と男性性…
今年度も時間の制約を味方につけたアートがすばらしかった(アンダーソン作品を除く)。 私が気に入った作品順に。■ Red, White and Blue 今日はスーパーチューズデー。身につまされた。 中絶を禁じることの問題点を最も効果的に見せるギミックに翻弄される…
聞いてたとおりくだらないのだが、いい意味で身の丈を熟知しているのがうかがえるプレゼンテーションで好感をもった。こういうのを等身大というのだろうか。 ベテランのカメオ出演も度量の深さが感じられてすがすがしい。内輪っぽい臭みがない。 イーサン・…
激動の2020年に大ベストセラーになったIsabel Wilkerson著Casteの執筆譚を下敷きにしたインスピレーションジャーニー。 刺激的だった。あらゆる問題は、言語化・見える化しない限り絶対に解決できない。日本にもいろいろなカーストがあるよね。 高校時代、定…
『ファイナル・アカウント』のナラティブをドラマチックに再現してくれた感じ。もう20年近く前だが、ダッハウ強制収容所跡を訪れたとき、小学生くらいの子どものグループが石の上に座ってお弁当を広げていて驚愕したのを思い出した。ポーランドを旅行した世…
夢現の意識の流れを描いた作品としては、これまで見た中で段違いに良かった。 ポール・メスカルに負うところがすごく大きい。あの終始コントロールの効いた呼吸。『アフターサン』の若い父親役のイメージを重ねてしまったせいでよけいに良く見えたのかも、と…
面白かった。最近見た作品の中では久しぶりに時間を忘れた。『ブラック・クランズマン』や『ゲット・アウト』、『ホワイト・ボイス』にも描かれた、アメリカ社会の入れ子構造の差別を切って見せてくれるのだが、本筋よりもブラックPhDファミリーの描写のほう…
胸がすく快作で面白かった。 超教科書どおりの構成と人物配置をはじめ、私の永遠のナンバーワン『プリティ・リーグ』に通じる圧倒的な気分のよさを感じる。 メイン2人の女性関係を省いて、もう少しボートレースの蘊蓄を盛り込んだほうがよかったようにも思う…
大変に血湧き肉躍った。お仕事ものは鉄板。 レースシーンも最高にゴージャス。 何かのインタビュー記事で読んだあるエンジニアの言葉「なぜ車がスピードを出せるか知っているか? ブレーキがついているからだ」が頭の中を何度も去来した。ミッレミリアに終止…