英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Time (2020) を家で見た。アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞候補作『タイム』

ユニークなドキュメンタリー。
ジャズにのって軽妙に20年間の闘いを描く。人権の回復を求めるのはかれらにとっては日常だということ。
白黒編集でフォックスの生え際に白いものが増えていくのが痛切に。

ところで、この正直で知的でヴァーバルな夫妻が銀行強盗をした、というのがどうにも頭で理解できない。
教会や学校をはじめとしたコミュニティにも恵まれたんだろうけど、子どもたちがグレずに真っすぐに勉強好きに育っているのを見ると、忍耐や克己心も備えた人たちに違いないし...。
出来心のスケールがでかすぎないか。

プライムビデオで配信中。

トレーラー。

映画 Quo Vadis, Aida? を家で見た。アカデミー国際長編映画賞候補作『クオ・ヴァディス、アイーダ?』

怒りに震える。
もう地球上の「男」が全員消える以外に解はないのではないか。

2021年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作5本を家で一気見した。

昨年に引き続き印象に残った順に。

■ Hunger Ward 『ハンガーウォード 飢餓病棟』
イェメンの小児栄養失調病棟のレポート。
悪いのは全部大人。
私が子どもの頃、親は食事のしつけの際に「食べられない子もいるんだよ」という言い方をした。
当時のモーターボート協会のCMやトットちゃんのイメージもあってそのときはいつもアフリカの子どもたちを思い浮かべた。
数十年たって、今も飢餓に襲われる地域は減らず、それどころか日米でもまともに食事のできない子は増えていて本当にごめんなさいという感じ。
ひとまず、映画が作られた目的のひとつに応えようと映画の公式サイトを通じて寄付をした。
亡くなった子も含めて患児が女の子ばっかりだったけど偶然だろうか。

■ Do Not Split 『不割席』
今日、米報道官が北京五輪ボイコットの検討を示唆した。
これほど若い人たちが「自分は捨て石になる覚悟がある」と。なんという不条理。
ちょうど抗議活動が始まる前に日本の電車内で出会った香港人サイクリストカップルのことをよく考える。

YouTubeで全編公開中

■ A Love Song for Latasha『ラターシャに捧ぐ 〜記憶で綴る15年の生涯〜』
ハーリンズさんのことを初めて知った。
黄色い看板のリカーショップから始まって街の風景が私にとってもすごくなじみがあって、黒人とアジア系の諍いの根はここにもあったのだなと思った。
先日見た17 Blocksを凝縮したような作品。

Netflixで公開中。

■ Colette 『コレット』
大戦中にレジスタンスに加わっていたコレットが90歳を迎えて初めて兄が死んだドイツの収容所跡を訪れる。
やっと悲しみが薄れてきた、と言いながらドイツの歓迎会で誰の話も聞きたくない、と癇癪を起こすコレットに、なぜか関西の同和教育が頭に浮かんだ。
「教えなければいい、そのほうが差別はなくなるんじゃない?」
とんでもない。人間は同じ過ちを繰り返すのだから、せめて取り返しのつかない過去の苦しみをなきものにしてはいけないのだ。忘れてはいけないのだ。

YouTubeで全編公開中。

■ A Concerto is a Conversation 『ア・コンチェルト・イズ・ア・カンバセーション』
音楽家クリス・バワーズの小さなメモワール。
じいさんが語るジム・クロウのフロリダからディズニーコンサートホールまでの旅路。
興味深いが、編集が好きじゃない。
最後のプレミアコンサート、日程的にロックダウン前のはずだが空席が多くて気になった。

ingoditrust.hatenablog.com

トレーラー。

車いすの友人と遊びに行く #伊是名夏子さんを支持します

5年ほど前の話。
ルークの友人ジョンは歩くことができず、ずっと車いすを利用している。
彼もまじえて4人でサンフランシスコに1泊旅行に出かけた。

週末のダウンタウンは混んでいた。
しかし、歩けないジョンが許可証を持っているため、私たちはパブリックパーキングの一番いい場所にすぐ停めることができた。

米国のDisabled Person Parkingの確保要件は厳しく、許可証を持たない人の駐車が違反であるのはもちろん、ちょっとはみ出して停めてしまっただけでも$200~の罰金が科される。

レオタードのお姉さんがサーブしてくれるウイングレストランに出かけたら、明らかに他のどのテーブルよりもお姉さんたちがチヤホヤしてくれた。
ジョンは大胆にも「一緒に写真撮ってくれない?」とキュートなお姉さんを指名した。
みんなでアメリカンスマイルの写真をたくさん撮った。

夜、通りで一番人気のバーに繰り出すと、1ブロックにわたって行列ができていた。
私たちが並ぶと、レセプショニストが「ちょうど広い席が空いたから」と列をとばして先に入れてくれた。
(これは車いすで利用できる席の問題で、空いてなければ普通に待ったと思う)

バーで飲みまくっているうちにジョンは眠ってしまった。
ルークが「いいよな、車いすはー。帰りも寝たまま連れて帰ってもらえて」と言って笑った。

どんなに混雑している駐車場でもスッとベストスポットに停めるたび、
ルークとジョンが「だから君を誘ったんだよ~」「Anytime, you guys owe me」とふざけ合っているのを見て初めはぎょっとした。
「冗談でもそんなこと言っていいの?」って。

でも帰る頃にはむしろそれが心地よくなった。
2日間、普段は何にパッションを感じているのか、それだけをたくさん話した。

今は仕事仲間のひとりである。
込んでる人気スポットに行くときは飯つきで誘ってみる笑

そして彼の言ったとおり、I owe youと思ってる。
私が全然見えていなかったことに気づかせてくれてありがとう、と。

でも、映画館に行ったとき、そのシアターの車いすゾーンの位置が気に入らなければ私は一緒に座らない。分かれて好きな席で見る。
後で合流していくらでも話せるのだから。
今週ようやく私たちの行きつけの映画館が再開する。この映画館は小ぶりなので、後部の入口入ってすぐの車いすゾーンが一番良い席なのだ。
オンラインでできる支援はわずかだったけど、よく持ちこたえてくれた。楽しみだ。

映画 Shiva Baby を見た。エマ・セリグマンの『シヴァ・ベイビー』

濃厚かつ軽妙な一幕劇で大変面白かった。
シヴァ(仏教でいう初七日?)が舞台で聖金曜日にぴったりだった。
主人公のダニエルがろくに呼吸をしていないので、こっちも全然息がつけない。抜群の構成力である。
ジェンダー、セクシュアリティ意識への目配りが行き届いているのも素晴らしい。

言葉づらだけでも十分楽しめたけれど、おそらくたっぷり裏書きがあるのではないかと思う。
ユダヤ文化に縁があればもっと笑えるに違いない。
今回捕獲したイディッシュ語:
shul
shiksa(私が口に出すことは絶対にない)
rugelach
bubala

ではグッドフライデー礼拝に行ってまいります。

追記:受難日の断食をしたはいいけど、食べ物のことばかり考えてしまって説教が耳に入らず...。失敗。
ほんで、1年以上ぶりにパンダにいって大盛りto goしてしまった。

トレーラー。