英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Your Mother Your Mother Your Mother を見た。マハーシャラ・アリ『ユアマザー ユアマザー ユアマザー』

成人してからムスリムになることを選んだマハーシャラ・アリによる巡礼譚。
人の信仰やそのプラクティスについて聞くのはどんな形であっても面白い。
それにしてもこの作品をドライブする「障害」はかなりユニーク。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のモチーフも思い起こさせる。

これは個人的な感覚だが、他人の母乳などの各種分泌物は気持ち悪いのに、輸血は平気なのはなぜだろう。輸血をする事態になればキモいとか言ってられないというのは当然として、他人様の血を体内に入れることに生理的嫌悪感はないなぁ、と思う。
うちの牧師が「落ちている他人の髪が気持ち悪いのはなぜかわかりますか。いのちだからですよ」と話していて、わかったようなわからないような気がしたものだ。血液なんかいのちそのものなんだけどね。

ジョン・チョー演じる韓国系カルト牧師の最後の問いがとてもよかった。祈りという営みに関心を持つ者として。

13.99ドルで鑑賞。こういってはなんだが、思いのほか人が入っていた。

トレーラー。

映画 You Can See Everything を見た。エリザベス・ホームズ収監までの50日『ユー・キャン・シー・エブリシング』

3時間の長尺ながら一度も時計を見なかった。ブラボー。

ネイサン・フィールダーのツッコミの匠のおかげでリズも危険人物ビリーも滑稽に映り、最後はなんだか憎めないふたりという印象に。

観客の反応も大変ビビッドだった。私にとって、これほど劇場が爆笑の渦になった作品は久しぶり。
ただ、ビリーがチャーリー・カークのファンだ、と言った瞬間にいちばんのどよめきが起きたことを記録しておく。もうこれは地域と客層によって全く異なる体験をすると思う。

高市の発信を見ていても感じることだが、この人たちにとっての恥やプライドの概念に共感できるところがない。
「これ、見せていいと思ってるんだ...どういう思考をたどったらそうなるん...」の連続。私にはとてもカシコの合理的選択には見えない。
それでも、AIの成果物に倦んだ頭には快いのも確かで。
刑務所に面会に行ったら、他の面会家族のおやつを欲しそうに見てたのすごくかわいくない?
人間ておもろいよな。サイフリッドの言うとおり、It's complicatedという結論になろう。

そんなわけで、ドキュメンタリー The Inventor、書籍 Bad Blood、そして本作品にも登場するドラマ The Dropoutに続き、セラノスとホームズに材を取ったコンテンツにまたもや課金してしまった。それも超楽しみにして公開日にかけつけてしまった。今後、氏の回想記が出版されることがあったらやっぱり買っちゃうんだろうな。

13.99ドルで鑑賞。
封切り回だから高いかと思ったが普通だった。先日のVerity 2週目マチネの高値はなんだったのか。ここのダイナミックプライシングはほんまに謎。

トレーラー。

映画 Verity を見た。アン・ハサウェイ is『ヴェリティ』

酷評の嵐なのはわかっていたけど、9月は一度も劇場に行かなかったので(見たいものがほんっとになくて)無理して足を運ぶ。作家が主人公なのが興味を惹くし、コリーン・フーヴァー原作のアダプテーションだからそうひどい展開でもなかろうと。

期待は裏切られず、フィフティ・シェイズ並みのcheesyさ。スターの無駄遣い。
機内で見るくらいがちょうどいいだろう。
(こないだ機内エンタテインメントに『ハウスメイド』があっていそいそと視聴したらきわどいシーンが激きわどく、斜め後ろから子どもの目に入ってはまずいのでは?と緊張した。ああいう場面がカットされているのが機内バージョンなんだと思っていたのだけど違うの?)

あんまり伏線回収とか言いたくないが、いかにもにおわせてる演出の看護師があっさり消えていって気持ち悪い。
それから、口に物を入れる、噛む、というモチーフが繰り返されていたけど、なんかそれ語りに活かされてた?

15.99ドルで鑑賞
今日は高かった。この作品にこの値段?という意味でも。10月だというのに連日40度近いので空調代を思えば致し方ないか。

原作。

トレーラー。

映画 Tony を見た。『トニー』がアンソニー・ボーディンになるまで

ケープコッドのリゾバ生活を舞台に、トニーがアンソニーの名を再獲得するまでを描くビルドゥングスロマン。
凡作だと思うが、書くことを志す人に対する興味は尽きないので面白く見た。

ケータリングで牡蠣を大量に注文したとき、牡蠣の価格の大半は殻むきの人件費だと教えられたっけ。

トニーの看板スケッチがザ・AI絵で苦痛。小道具さーん(違ったらごめん)

Le BernardinのEric Ripertが友情出演(?)していた。アンソニーの自死現場を発見することになってしまったシェフだ。

Red Crossからもらったプロモコードを使い、朝9時の回を0ドルで鑑賞。

トレーラー。

映画 The Odyssey を見た。クリストファー・ノーラン『オデュッセイア』

面白かった。夏休み大作にふさわしい。

特に数々の伝承がどう「実写化」されるかに興味をそそられるわけだが、ノーランのトロイの木馬は驚愕だった。後ろ脚だけで立っていななくリアルで美しい像だから。流線形の胴体で浸水を避けながら待つ時間の過酷さ。
むかし、絵本なんかで見たトロイの木馬はボックス型で当然べったり四つ脚立ち(脚そのものも馬にあるまじき太さ)、内部はスペーシーな二層、三層だてになっていたりした。出口も一気に腹から走り出られるつくりで、なんならコロコロ台車までついていたのに。

キルケーもえげつなくて良かった。原作だとオデュッセウスは1年もあのひとのもとで過ごしたんだよね...

これは見る側の問題で仕方ないのだが、顔やフィルモグラフィをよく知っている主役級のAリスターばかりでそれぞれ役の人として見るのが難しいところがあった。
特に画面になじまないのがカリュプソーのシャーリーズ・セロン。メイクが今風すぎるのかな、最後までVogueのスプレッドに載ってそうなスタイリッシュモデルのままで違和感ありありだった。

ルピタ・ニョンゴのヘレネーをもっと見たかった。出番が少なすぎ。ひとり二役でUsでの印象的な仕事を思い起こさせる。

Xeniaについてもっと知りたい。数世紀後の聖書に書かれた神の教えにもつながりがありそう。

14.49ドルで鑑賞。

トレーラー。