英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。Python、Ruby、JavaScript、神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 American Factory を見た。『アメリカン・ファクトリー』Steven Bognar 監督を迎えて。

オハイオ州の労働市場グローバル化問題を扱ったドキュメンタリー。
今日からNetflixで公開。
Netflix会員の方はすぐに見られるはず。
アメリカン・ファクトリー | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

オバマ大統領夫妻が設立したプロダクション Higher Ground Productions の配給第1作で、特にミシェルがかなり心血を注いだと聞いたので、夫妻に敬意を示したくあえて映画館へ。

何も考えずに行ったら、なんとSteven Bognar監督、音響さん、作曲家さんが来場しており、上映後にQ&Aセッションがあった。L.A.たのしー。
ちなみにもう1人の監督、Julia ReichertさんはNYの上映会に登壇とのこと。2人だと手分けできていいですね。

映画は面白かった。
私がとても関心を持っている「働き方の未来」もテーマだったので。
なんと分かりやすい文化の衝突。グローバルとローカルの対決。
それだけではとらえ切れない、米中の1人1人の労働者、雇用者のそれぞれの生活と胸のうち。
ああ時給12ドル。ああ家賃450ドル。ああ実働12時間、月休2日。週休ではない。

私はアメリカ側、労働者側目線に立ち(後の質疑にも出てくるように、本作もどちらかというとオハイオ目線だったと思う)、自分の肖像画を描かせちゃうトップってあかんやろと思ってしまったけど...。
最後には、大企業に頼らざるを得ない地方だけの問題ではないという示唆も。

せっかく思いがけず監督の話が聞けたので、覚えていることをメモしておく。
但し、録音したわけではないので、誤りもあるはず。

200程度の観客席の1/3くらいは微妙に関係者だったっぽい。オハイオから駆けつけた当事者の人もいた。
こういう内容なので、映画の製作過程について以外にも、取り上げられた問題についての質問も多かった。

Q. どのように現場にアクセスしたか。
A. 労働者の信頼を得るまでには数か月間かかった。先入観や仮定はドア先に捨て、オープンマインドで1人1人に敬意を持って接した。

Q. 中国人が研修でアメリカ人の特徴についてアレコレ説明する場面があるが(自信過剰だとか、見た目を気にしないとか、大統領を批判できる、とかね。めちゃウケていた)、撮っていてどう思ったのか。
A. 当時は中国語の分かるクルーがおらず、リアクションは見ていたが、実際に何を言っているのかは全然知らなかった(!)。
随分後になって翻訳が入って、「おお、こんなことを言っていたのか」と膝を打った(!!)。
中国人の製作者2人が入ってくれたのは後半であり、彼らのおかげで、社長らにもアクセスできるようになった。感謝している。

Q. GMなど大手工場がつぶれたのはユニオンのせいだと聞いている。本作はプロユニオンに偏っている気がしたが、その点どう考えたのか。
A. まず、GM工場がつぶれたのは必ずしもユニオンのせいではないと言っておきたい(respectfully dispute、と言っていた。私が美しいと思う表現です)。たくさんの複雑な原因があった(地元の人が言うと説得力あるわ)。
製作時に必ずしも経営者側、労働者側についたということはない。両方の言っていることを丁寧に聞き、どちらかに偏り過ぎないよう注意した。

Q. 何百回も工場に通い、3年以上カメラを回して、カットしたシーンの中で1つベストを上げるなら?
A. それは、めっちゃたくさんある!でもカットせざるを得ないからね〜。天才エディターの Lindsay を讃えたい。

Q. Netflix、Higher Ground Productionsと組むまでの経緯を聞かせて。
A. サンダンス映画祭のエライ人が大勢集まっている場所でNetflixに紹介された。で、Higher Ground Productionsも興味を持っていると聞かされた。
Higher Ground Productionsって何者ぞ?と尋ねたら、「あなたも知ってる2人の人物が始めた会社で〜」と言われた。
彼らの配給第1作に選ばれて光栄だ。

Q. 地元のアメリカ人と中国人駐在員が銃を介して遊ぶ場面があったが、ああいうふうに銃を扱うことについて懸念しなかったか。
A. あれはあくまで彼らが楽しい時間を過ごした、という事実に過ぎない。
デイトン(監督はこの工場から30分の場所にお住まい)では、孫2人が小学校に通っており、先日の襲撃事件では子どもたちの友人の母親が犠牲になった。そのくらい銃の問題は身近であり、複雑な思いはあるが、消すことはしなかった。

Q. カメラは何を使ったのか。(玄人なのか逆にド素人なのか判断つきかねる質問。SONYだったようです)

ちなみに、NetflixとHigher Ground Productionsの取引はこれからも続くそうです。

ところで。
Netflixのあの日本オリジナル作品に、私は非常に腹を立てています。
人権を蹂躙し、ただそっとしておいてほしいとささやかに願う人を搾取する作品。

Netflixは2012年に退会しており、日本にいるわけでもないやや外野の私でも本当に怒りが湧くのは、「日本の地上波で見られないやつ〜、日本人を惹きつけるやつ〜」を目指してマーケティングをした結果がコレ???!!!
ダイバーシティ、インクルージョンに大貢献しているNetflixがなぜ日本ではそうなる?という悲しみです。

そんなローカライズいりません。

追いかけている作家やブロガーが無邪気に「面白かった」と評価してるのも悲しさ倍増です。
無理に日本オリジナル作らんでいいよ。優れたアメリカ作品に、金かけた翻訳をつけて配信してくれるだけでいい。
ちらっと日本語ページを見たら微妙な日本語だったので。字幕翻訳者さんて、時間的にも量的にも要求きついのに賃金低いんだよね...。
最近ネトフリ廃人化した関西の友人は、専ら日本のドラマを見ているようだけど。

オバマ夫妻はこのプロジェクトの何に魅せられたのか。みんなリラックスして、監督2人も嬉しそうですね。

トレーラー。

映画 Blinded by the Light を見た。ボス!『光に目もくらみ ブラインデッド・バイ・ザ・ライト』

80年代のイギリス郊外ルートンを舞台にした「アメリカ物語」。
tangibleなブルース・スプリングスティーン入門で、実に楽しかった。
受賞のスピーチでは、Javedくん(素晴らしいパフォーマンス。笑顔もいい)とまったく同じタイミングで涙がこぼれた。

やたらエスニシティにこだわるお父さん。
そのカウンターとして息子が「僕のアメリカンドリーム」という言葉を持ってきて機能していたのが良かった。
でもこれサッチャーの80年代ですからね。今はどうかと思うと...。今もこの文脈で活きるアメリカンドリームであってほしい。
入国スタンプが押されるシーンでは客席から拍手が。ボスのふるさとへようこそ!

最後の出発シーンさあ、また車がエンコして家族揃って門出を文字通り後押しする...のを期待したんだけど。
さすがにボツになったでしょうか。

Back to school(そう、このへんの学校は盆明け頃から新学期が始まるのです)ですっかり静かになった昼間の映画館で5ドルで鑑賞。

実は、私が初めてスプリングスティーンの作品にふれたのは Streets of Philadelphia で、この映画で紹介されたような一連の名曲、ヒット曲を超えて今でも一番好き。
3度は見た映画『フィラデルフィア』で知ったか、MTVから入ったかは忘れた。
彼の作風を全然知らなかった当初は「え、これ歌なの?つぶやきじゃなくて?」と思ったものだ。
ビデオもすごくいい。不安定感のある兄弟愛の街の詩情。
不穏なコード進行がHIV感染者の弁護士役のハンクスのまなざしと共にジワジワと。


ハンクスはアカデミー主演男優賞受賞。翌年は『フォレスト・ガンプ』で連続受賞。
90年代前半は、この2作を含めて『プリティリーグ』、『めぐりあえたら』、『アポロ13』と私の好きな彼の仕事が続々公開された。

トレーラー。

映画 The Peanut Butter Falcon を見た。シャイア・ラブーフと『ザ・ピーナット・バター・ファルコン』

トレーラーを見る限り、P!nkのWalk Me Homeという派手なBGMを使っていることもあり、はしゃいでる作品なんだろうなと思った。
タイトルも「私の好きなやつじゃない」シグナルをギンギンに発しているし。
が、Ebertが3.5/4をつけていたのと、『アメリカン・ハニー』のシャイア・ラブーフの別の役を見たいと思ったので行った。

まあ、やっぱりはしゃいでいた。
特にトレーニングのシーンとかね。

アル中のラブーフはアル中のままでしたが、良かったです。
かっこつけないたたずまいの彼が主人公だったから多少は抑えがきいた感じ。

おとぎ話とはいえ、エレノア(ダコタ・ジョンソン)の設定が拙い。
古い話で恐縮だが、キムタクの『エンジン』で堺雅人が演じた「頭でっかちのエリート保育士」というすごく苦しい人物を思い出した。
あまりザックを心配しているように見えなくて、半端でした。

水の洗礼を受けたのは、ゆるしを求めているタイラーじゃなく、ザックでした。
が、ザックに「君はいい人だ」と言われて涙ぐんだりします。
私が認知症患者から「キレイ」と言われて胸打たれたのと同じ。
ベタなアファメーションです。
キリスト者になれば、「君はいい人だ。君はきよい。生きていなさい」と十字架の上のイエスさまから毎日毎秒言ってもらえるのにね。

ヒーラーが旅先の人物の心を動かしていくロードムービーとして、藤山直美の『顔』を重ねていました。

ケアセンターのお出かけか、20席ほどのハンディキャップゾーンが満員だった。みんな盛大にポップコーンを食べていた。

トレーラー。

ウソをつくことを知らないザックが怖かった、と明かすラブーフ。
作品選びについて「アルゴリズムはない」(ジョンソン)って答えるのはカッコいい。というかいろいろ煙に巻けるな、真似しよう。

映画 Honeyland を見た。蜜の流れる地『ハニーランド』

今年のサンダンス映画祭で最多受賞を果たしたTamara KotevskaとLjubo Stefanovの手によるドキュメンタリー。
終始、圧倒的な静寂とトルコ語に誘われて瞑想しているような映画体験。

『足跡はかき消して』にも描写があったように、自然に同化してハチに刺されない「気」を身につけることはできそうだなあ、と思った。長年のハチとの交歓によって。
「半分はあなたに、半分はわたしに」。

何度もかれらの背景を横切るヒコーキ雲。
あの人たちが飛行機に乗ることは生涯ないのだろうな...。

トレーラー。

映画 Rocketman を見た。タロン・エジャトン is 『ロケットマン』

上映最終日に滑り込む。
タロン・エジャトンは熱演でパフォーマンスも素晴らしかった。

AAAのフレームを使って来し方を説明させてしまう脚本はちょっと安易だと思った。
インナーチャイルドを抱きしめる描写も。

スターの栄光を味わった後で一度も何らかの依存症にかかったことがない人っているのだろうか。めちゃしんどそうだよね...。

『ライオン・キング』見に行ってからよく聞いてる『恋のデュエット』はこんな感じに。

本物。キキ・ディーがラブリー。

でも実は、私がこの曲に出会ったのはこちらのルポールバージョンでした。地方ケーブルのMTVで。

トレーラー。