英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Odyssey を見た。クリストファー・ノーラン『オデュッセイア』

面白かった。夏休み大作にふさわしい。

特に数々の伝承がどう「実写化」されるかに興味をそそられるわけだが、ノーランのトロイの木馬は驚愕だった。後ろ脚だけで立っていななくリアルで美しい像だから。流線形の胴体で浸水を避けながら待つ時間の過酷さ。
むかし、絵本なんかで見たトロイの木馬はボックス型で当然べったり四つ脚立ち(脚そのものも馬にあるまじき太さ)、内部はスペーシーな二層、三層だてになっていたりした。出口も一気に腹から走り出られるつくりで、なんならコロコロ台車までついていたのに。

キルケーもえげつなくて良かった。原作だとオデュッセウスは1年もあのひとのもとで過ごしたんだよね...

これは見る側の問題で仕方ないのだが、顔やフィルモグラフィをよく知っている主役級のスターばかりでそれぞれ役の人として見るのが難しいところがあった。
特に画面になじまないのがカリュプソーのシャーリーズ・セロン。メイクが今風すぎるのかな、最後までVogueのスプレッドに載ってそうなスタイリッシュモデルのままで違和感ありありだった。

ルピタ・ニョンゴのヘレネーをもっと見たかった。出番が少なすぎ。ひとり二役でUsでの印象的な仕事を思い起こさせる。

Xeniaについてもっと知りたい。数世紀後の聖書に書かれた神の教えにもつながりがありそう。

14.49ドルで鑑賞。

トレーラー。

映画 The Invite (2026) を見た。オリヴィア・ワイルド『インヴァイト』

セスク・ゲイの戯曲Los Vecinos de Arribaの数ある脚色作品のひとつ。
大画面で見る必要はないのはわかっていたけど、涼み目的で劇場へ。

誰もちらりともスマホを見ない2時間のパーティ、というのはすっかり非現実的になった。たとえ4人でも。

ペネロペ・クルスのピナがいい。Self-possessedでコケティッシュで好き。

12.49ドルで鑑賞。
観客3人の劇場の高い天井を眺め、空調のコストを思う。
ロビーには『おもひでぽろぽろ』2日間限定上映のポスターが。LAは毎晩どこかでジブリ作品が上映されているのではないかと思うほど、ジブリイベントが多い。ほぼ配信で見られるのに劇場にかければ人が入るのだから当然そうなる。

トレーラー。

映画 Disclosure Day を見た。スティーヴン・スピルバーグ『ディスクロージャー・デイ』

『未知との遭遇』のリプライズ。つまり、旧約聖書物語。
ちょうど90分、ふたりが再会したころに時計を見て「あと1時間もあんのか...」とため息が出たけど、それ以外はまあまあ面白かった。

神秘体験を自尊心の根拠にしたくなってしまう人間なるもののエピソードを思い出していた。

『ぼく地球』が出版されてから「月刊ムー」の投書欄に夢で会った人を探す尋ね人投稿が激増したとか。

同級生や同僚が、自分は霊感が強いんだと言い張っていたこととか。

でもたいてい神秘体験というのは、多少なりとも社会の中で生活した人間なら、ちょっときっかけがあれば(瞑想するとか)誰でも体験するよね、という程度の現象でしかない。正常な脳がもたらす現象。「特別な存在だと思われたい」「何者かになりたい」という欲望を持つ人ならなおさら体験しやすいだろうし、宗教家や陰謀論インフルエンサーはそこに付け込むのだろう。

私もいわゆる異言を語れるけど、それを超自然現象だとは思ってない。牧師に頭に手を載せられたのをトリガーに私の脳が指令を出してそれっぽく口が動くようにしてるんだと思っている。コックリさん遊びと同じだ。意識していようがしていまいが、動かしているのは自分。まあ、この映画でダニエルが「おれは何でこんなことを〜〜〜!」と口走りながら身体を操られているみたいに、私も一体こんな音どこから?とか、おや、舌にこんな動きができたのか!とか、「不思議さ」は感じるけど、科学的に説明できない現象だとは思わない。

でも、ジェーンがプロンプト攻撃に自らの素朴な信仰で打ち克つ描写はキリスト者として胸熱だった。ホーリープライドですね。

スピルバーグってトランプとタメで今年80、うちの両親よりも年長だったんだな... 今更ながらすごいな。

Toy Story 5の午後公開カウントダウンで盛り上がるロビーをすり抜け、14.49ドルで鑑賞。

トレーラー。

映画 Obsession (2025) を見た。カリー・バーカー『オブセッション 災愛』

店にクレーム入れに行くより、警察に出頭してとりあえず身の安全を確保しろよと思うばかりだったが、そこはこの主人公の責任感なのか優しさなのか...

超自然現象シーンではない冒頭からして人物がAI映像に見えて落ち着かないのだが、Is it me? 私の側のフィルターのせい?だとしたらすごく悲しい。

でも、それが撮影監督の意図どおりなのだとしたら、それもイヤ。お金払って不気味の谷を見たくない。

12.49ドルで鑑賞。

トレーラー。

映画 Is God Is を見た。アレシェア・ハリス『イズ・ゴッド・イズ』

劇作家アレシェア・ハリスの長編監督デビュー作。自身の戯曲を映画化。

米国で黒人として女性として、神に従って生きることの屈託を織り交ぜたクセの強い「父親殺し」で、面白いはずなのだが、スタイリッシュ演出が疲れた。テンポを上げるためにやってるんだろうにことごとく失敗していると思った。

聖書物語を連想させる原始的な武器がいろいろ出てきてどの暴力もsickなのだが、『エミリー・ザ・クリミナル』と同様、銃が一切登場しない(金持ちですら持ち出さない!)のがとてもよかった。

「あなたは、いったいなんということをしたのか。聞け。あなたの弟の血が、その土地からわたしに叫んでいる。今や、あなたはその土地にのろわれている。その土地は口を開いてあなたの手から、あなたの弟の血を受けた」
(創世記4:10-11 新改訳)

金目のブツとして日本産の真珠がフィーチャーされているのが斬新。

観客の反応は大変良し。痛そうなシーン、残酷な言葉にいちいち悲鳴をあげるという意味でだが。
12.49ドルで鑑賞。

トレーラー。