英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Princess (2022) を見た。HBOドキュメンタリーがとらえたダイアナ妃現象『プリンセス・ダイアナ』

これまでダイアナ妃や英国王室に材を取ったフィクションをいろいろ見てきた。
The Crown、The Queen、Spencer...
比べられるものではないが、そのどれよりもはるかに面白かった。

夫妻の姿だけでなく、「そのとき」の一般市民の様子が多数盛り込まれ(スマホなき時代なので貴重)、彼女の悲劇を作り上げたのは無邪気な庶民のenablerだったのだなと思わせる構成。

米国での記者会見時のダイアナ、棺を見送る息子2人の表情が夢に出そうなくらい印象的だった。
切り取り(編集)の妙とはいえ、まぎれもない真実の瞬間。

祖国の元首相のなぜか自衛隊まで動員した公私混同葬儀映像を見た後では、棺のパレードはごく素朴で彼女らしいとすら思うのだった。
車の天井やフロントガラスに積もって行く花束がまた...。

顛末を知っているからかもしれないが、今、彼女の20代前後のカメラの前の上目遣いを見ると怖いし不安になる。

子どもの運動会の保護者レースで走るダイアナの映像、初めて見てなんだか胸を打たれた。
ものすごい本気走りで。
その後でハリーを抱きしめる姿も。ハリー、お母さんが大好きなのね。

結論、人間皆平等の建前と矛盾する制度、良くない。
聖書で言うところの「王」、つまりリーダーは必要。でも生まれで富と名誉が偏る体制は、長い目で見て誰も幸せにならない。

ある州で、貧しい者がしいたげられ、権利と正義がかすめられるのを見ても、そのことに驚いてはならない。その上役には、それを見張るもうひとりの上役がおり、彼らよりももっと高い者たちもいる。
何にもまして、国の利益は農地を耕させる王である。(伝道者の書 5:8、9)

王子誕生のニュースを門の外で待ち構える報道陣にイチゴとクリームがふるまわれるの、おしゃれすぎる。食べにくそう。

トレーラー。