英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Les Misérables (2019) を見た。新『レ・ミゼラブル』

アカデミー国際長編映画賞ノミネート作。 フランス語講師のすすめで見る。といっても英語字幕をガン読みする。ユニークな作品。冒頭と宣伝美術の大上段と比べ、事件は何と小さな世界で起きていることよ。口の悪い人たちが怒鳴り合っているのに、Uncut Gemsと…

映画 Invisible Life / A Vida Invisível を見た。カンヌ「ある視点」受賞『インビジブル・ライフ』

カリム・アイヌズ監督のカンヌ 2019「ある視点」部門大賞受賞作。 1950年代のブラジル。物語には突っ込みどころが多いが、画面の艶っぽさが魅力的な作品。Guidaが死んだことを聞いたEurídiceや父親が、せめて直前まで彼女と一緒にいた人たちに会いに行こうと…

映画 Just Mercy (2019) を見た。『黒い司法 0%からの奇跡』←orz

ロースクールに限らず全米の大学で課題図書として最も多く取り上げられているという Just Mercy: A Story of Justice and Redemption。 大坂選手と同じく、『ブラックパンサー』で「あの魅力的な悪役は誰?」と注目し始めたマイケル・B・ジョーダンが弁護士…

映画 1917 (2019) を見た。サム・メンデス監督 『1917 命をかけた伝令』

公開から日がたつのに、1人占めしたこともあるようなマチネ$6の郊外の映画館が満員だった。 ゴールデングローブ賞とったらしいし見とくか、と思った人が多いのかな、私みたいに...。そりゃ戦争を生き延びても無傷では済まないよな、あとの人生も地獄だよな、…

映画 Clemency (2019) を見た。アルフレ・ウッダード 『クレメンシー 恩赦』

私は19歳のときにアムネスティの活動に参加して以来、死刑制度に反対である。一昨年、日本で新興宗教の関係者が一挙に処刑され、指示を出した閣僚がその夜に飲み会で盛り上がっていたという報道を読んだ。 心底おぞましいと思った。この映画を見て、囚人だけ…

映画 Uncut Gems (2019) を見た。アダム・サンドラー『アンカット・ダイヤモンド』

信頼する人が秀作だと褒めるので見に行った。ひどくサタン的な空気の充満する作品。 ジワジワと言葉の暴力の毒が回ってきて、最後には自分まで悪態をつきたくなるような。 霊的に弱っている人にはおすすめしない。 2時間に吐き出されるFワードを数えたら千を…

映画 Hidden Life (2019) を見た。『名もなき生涯』Trotzdem Ja zum Leben sagen.

家族から国家まで選べない共同体に生まれ落ちるにとどまらず、1人では生きられないようにプログラムされた人間というものの皮肉を思う。フランツとフランツィスカも、あのように揃って神のほうを向いて、2人だけで生きていけるならよかったのに。 神はそれを…

映画 Little Women (2019) を見た。グレタ・ガーウィグの『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』

大勢の子どもたちで埋まった劇場内、大喝采。このポスターをバス停で見かけたとき、吹き抜ける新鮮な風にハッとした。 きっとみずみずしいインタープリテーションなんだろうな~と思った。 実際に作品を見て、広告が実に的確だったのが分かった。 まさにこの…

映画 Bombshell (2019) を見た。トランプ時代前夜の『スキャンダル』

全米70か所以上で、トランプ政権のイラクでの暴力に対する抗議運動が行われた日に。映画は面白かった。 本件の直後に大統領選があり、この事案含め、大勢の女性が大統領候補からセクハラを訴えたのが全然勘案されなかったように思えたこと込みでショックだっ…

映画 Cats (2019) を見た。トム・フーパー監督『キャッツ』

「メモリー」なんかを演奏した経験はあっても、実はまともに『キャッツ』を見たことがなかったのでどんな構成なのかと行ってみた。 ストレスのたまる作品。 ジュディ・デンチが出てくるまでは特に厳しくて、何人か観客が途中退場。ダンス、特に群舞のシーン…

映画 63 Up を見た。7年ごとの記録。逃げ切り世代が63歳に。

英国の選挙結果が出たところでなんとタイムリーな英国社会史。 やはり物語は人物伝が一番面白い。 実際、Brexitや支持政党について語る出演者も多く、観客もそこに一番膝を乗り出していた。私が初めてUPシリーズについて知ったのは、NHKで日本編のドキュメン…

映画 The Two Popes を見た。アンソニー・ホプキンス & ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』

楽しかった。言葉のワンダーランド、優れた役者が織りなす知恵に富んだ対話劇、地理や歴史、ある人物が信仰に至る経緯とそのかたち、バチカン業界モノ等々私の好きな要素がぎゅうづめ。 2人が別れてからが冗長なのと、お仕えする脇の人たちの描き方がやや大…

映画 Dark Waters を見た。リーガルスリラー『ダーク・ウォーターズ』

わたしはまた主の言われる声を聞いた、「わたしはだれをつかわそうか。だれがわれわれのために行くだろうか」。その時わたしは言った、「ここにわたしがおります。わたしをおつかわしください」。 (イザヤ6:8) ドクター・ナカムラの長年にわたる活動につい…

2019年 映画館で見た映画ベスト3

今年は不作だった感がありますが、上げておきます。スケールは文春シネマチャートの真似です。個人的に気に入った作品順。それぞれ、鑑賞日の日記にリンクしています。★★★★★ もう最高!ぜひ観て!! The Farewell『フェアウェル』 Waves『ウェーブズ』 Marriag…

映画 Knives Out を見た。『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』

面白かった。 演者がみんなすごく楽しんでますね。 ダニエル・クレイグも来春公開の第25作目で007やめるってよということだし、じっくりこういう役を積み重ねてほしい。美術もとても良かった。RNのマルタに共感したのは『ベアトリス・アット・ディナー』的な…

映画 Queen & Slim を見た。Exodus 2019 『クイーン&スリム』

『ハリエット』の時代から170年、ここにもまたアフリカ系アメリカ人の出エジプト記が。 脱構築半ばで倒れる(少なくとも地上では)ロードムービーは『怒りの葡萄』『テルマ&ルイーズ』の系譜。常にクイーン&スリムを導く十字架。昼は雲の柱、夜は火の柱。 …

映画 A Beautiful Day in the Neighborhood を見た。実践 ミスター・ロジャース『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド』

まいった。 「私にとって一番大事なことが何だか分かるかい?今、ロイドと話をしているこの瞬間だよ」 で、トントン、とドアを叩かれ、 撮影中だというのにミスター・ロジャースがロイドをみとめてヤアヤアと歓迎に歩み寄る姿に嗚咽が内臓から突き上げた。 …

映画 Honey Boy を見た。シャイア・ラブーフ is『ハニー・ボーイ』

『アメリカン・ハニー』、『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』の仕事しか見ていないものの、シャイア・ラブーフはいかにも突然キレそうで、暴力(特に罵倒)がひどそうで、いついかなる原因で死んでも誰も驚かないあぶなっかしいろくでなしキャラに見える…

映画 Waves を見た。トレイ・エドワード・シュルツ作『ウェーブズ』

高解像度で綴られたゆるしの物語。 この内容で2時間もひきつける弱冠31歳の監督の手腕に舌を巻く。 観客の没頭ぶりは、悲劇のシーンで上がった、今まで映画館で聞いたことのないような腹の底からの悲鳴にあらわれていた。自分の目には『ムーンライト』の残像…

映画 Charlie's Angels (2019) を見た。エリザベス・バンクスの『チャーリーズ・エンジェル』

このシリーズは初見。クリステン・スチュワートが好きなので観に行く。 イスタンブール旅行もできて結構面白かった。 タイトルシーンから一貫してガールズエンパワーメント映画ですね。 出てくる女性たち、全員self-possessedで好きになりました。 特にエラ…

映画 Marriage Story を見た。スカーレット・ジョハンソンとアダム・ドライバーの『マリッジ・ストーリー』

丁寧なクラフト。 かなり精緻ながら、指紋の跡はしっかり残っているような。 映像やセリフで感情が動かされた自覚がないのに涙が流れているのに気づいてビックリした。 魂ではなく、霊が本物にふれて震えたのでしょう。ひたすらスカーレット・ジョハンソンと…

映画 Last Christmas を見た。エマ・トンプソンら原案・脚本『ラスト・クリスマス』

めちゃ評判悪い本作。でも楽しみにしていたのでめげずに見に行く。想像以上にトホホなシロモノ...。 過去の物語の要素をいろいろつまみ食い、しかもその一つとして成功してない...。 観客からもほとんど笑い声は上がらず。 出演者たちは、原案・脚本のエマ・…

映画 Harriet を見た。私のフリーダム・ネーム『ハリエット』

1800年代後半アメリカの出エジプト記。 久しぶりに終映後の拍手を聞く。 映画というよりも、最後に数枚のテロップで紹介されたハリエット・タブマンの生涯「その後」に対して、という感じだったが。彼女はモーセのように祈る人だったが、「あなたの言われた…

映画 Frankie を見た。イザベル・ユペール is 『フランキー』

Find it before you look for it. なんてことはない作品だけど、最近、自分では大事だと思っていたもの2つ同時に失ってやや荒野に足を突っ込んでいた私にはささやかな慰めになった。 シントラの背景にはさほど感心せず。 現実はどうか知らないけど、あまりバ…

映画 The Lighthouse を見た。ロバート・エガースの『ザ・ライトハウス』

Depressed. タテに細長い映画。怒声と凍えそうな画面がつらくて、早く終ってくれ〜とばかり思っていた。 弱っている人にはおすすめしません。トレーラーを見て絶対に好きじゃないなコレと思ったが、ウィレム・デフォーが主演なので観に行く。 彼はゴッホのま…

映画 Parasite を見た。パルムドール『パラサイト 半地下の家族』

英語字幕で鑑賞。 同じく対金持ちの『バーニング』のイメージを勝手にひきずってつぶやき系かな、とうっすら思っていたら、ずっと輪郭のはっきりした語り口だった。 貧乏生活のこまごましたところが役者さんになじんでなかったけど。 (でも、はからずもラス…

Jesusへの私的ラブソング

詩に出てくるYouがJesusだと仮定しても通るラブソングはいろいろあります。 セクシャルでなければ何でもそうじゃない?と思うかもしれませんが、私は聖書に書かれた彼の人となりに沿っているなーと個人的に思うものに限ってイエスへの讃美歌にしています。 3…

映画 Pain and Glory/Dolor y gloria を見た。ペドロ・アルモドバル監督『ペイン・アンド・グローリー』

英語字幕で鑑賞。 冒頭、墨流しの上に流れたテロップの余白の素人くささから始まって、 全体的に作りが安い...。 タイトルそのものも。ペイン・アンド・グローリーて。ただ、最後にちょっと仕掛けがあるように、「(特に回想シーンは)あえて紙芝居っぽく、…

映画 Judy を見た。レニー・ゼルウィガー is『ジュディ 虹の彼方に』

ブラボー。 彼女はそれでもスターであることを選んだんだ。滂沱の涙。最後、ほぼ満席の劇場に一体感がありました。つまり、1) ジ・エンド → シ〜ン2) テロップ「ジュディ・ガーランドはロンドンコンサートの6か月後に47歳で死去」 → ひそやかなざわめき(早…

映画 Downton Abbey (2019) を見た。出世したヒュー・ボネヴィルに再会『ダウントン・アビー』

注、テレビシリーズを一度も見たことがないのに映画館に行ってしまったあるムービーゴーワーによる鑑賞日記です。私のうっすい『ダウントン・アビー』との接点といえば、随分前に友人がNHKでどハマりしたと聞いたこと。 家族の1人がハイクレア・キャッスルの…