英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

マイホーム、映画館が閉鎖に。

ついにロサンゼルスの映画館が閉鎖になった。 大統領の戦争引き起こしそうな無茶ぶりにビビり、「映画館に通える日常が続きますように」と祈ったのは1月のこと。 まったく予期しなかった理由で、しかも近所の映画館が例外なく閉まるというかつてない事態。 …

映画 Straight Up (2019) を見た。ジェイムズ・スウィーニーの『ストレートアップ』

いい映画。とても好き。 Well scripted. Well acted. Well tuned up. タイトルがWell said.全体的に生々しさよりもプラスチック感があるのに、とても自分ごとに感じた。 主人公のトッド君に私の友人の姿が重なったからかもしれない。ポン・ジュノ監督がアカ…

お隣から聞こえてくるドラマ

深夜、お隣からマンガみたいな真っ最中の物音が聞こえてきた。 女性の声に、ベッドのギシギシと途中から床をバンバン叩くような音。 今の住まいでは半年ぶり2度目である。勘弁してくれよーと思いながら、「引き下がれ、サタン」とイエスさまの言葉でサタンを…

映画 Emma. (2020) を見た。アニャ・テイラー=ジョイ is 『エマ。』

少々調子に乗りすぎた部分もあったけれど、面白かった。 公開時に見たはずのグウィネス・パルトロー版の記憶が全くないのだが、テイラー=ジョイのイノセンス、ファニーフェイスのはまりぶりを見るに、たぶん、何の新鮮味もなかったのだろうな。彼女は、『サ…

映画 Portrait of a Lady on Fire を見た。2019 カンヌ・クィア・パルム『ポートレイト・オブ・ア・レディ・オン・ファイア』

英語字幕で鑑賞。 長いし、蛇足てんこもりだが、絵の美しい作品。最近読んだ、同じく肖像画家が主人公の村上春樹『騎士団長殺し』と、これも最近美術館で見たレンブラントの作品を重ねながら見た。 だって薄暗い台所のパン、チーズ、ワインが、まさにオラン…

映画 Ordinary Love (2019) を見た。レスリー・マンヴィル ♥ リーアム・ニーソン『オーディナリー・ラブ』

バレンタインムービー第2弾。 病めるときも手を携えて旅をする仲良し夫婦の物語。粋な気持ちのよい映画だった。子どもを亡くした後に離婚する夫婦、結構多いように思う。 その10年を乗り越えたふたりの次なる試練。この作品で描かれたクリニックは、ほぼ解脱…

映画 The Photograph (2020) を見た。ステラ・メギーの『フォトグラフ』

バレンタインデームービー第1弾(この連休中にもう1本見る予定)。 いわゆる退屈な映画を久しぶりに見た。嵐の日に大事な人たちと暖かいおうちでヌクヌクするところと、部下に辞職を告げられる上長のショックに共感したくらい。このレビューを読んで笑ってし…

映画 The Assistant を見た。キティ・グリーン × ジュリア・ガーナー『ジ・アシスタント』

あるニューヨークルーキーの1日を綴った不思議な佳品。ミネラルウォーターの封を切って冷蔵庫に入れるとか、詰まったコピー用紙を取り除くとか、彼女の手元はまるで自分の手元であるかのように既視感でいっぱいなのに、人形の家をのぞき込んでいるような現実…

映画 José (2018) を見た。クィア獅子賞受賞作『ホセ』のグアテマラ・ナウ

英語字幕で鑑賞。 2018年ベネチア国際映画祭クィア獅子賞受賞作。さすがにラストの突き放しには劇場内に Huh? という声が上がる。少なくとも、とても正直な作品だったと思います。やだなぁ、貧乏は...。 彼らの貧乏具合は、年代は違うものの、『ローマ』の青…

2020年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作5本を一気見した。

一気に見ると面白いことがいろいろあった。 まず、いろんな言語を一度に楽しめたこと(St. Louis Superman以外は全編ないしは一部分を英語字幕で鑑賞)。 それぞれの編集のしかたの違いが相対的に見えやすくなったこと。印象に残った順に。 ■ In The Absence…

暴力をゆるした環境の記憶

ひょんなことから、昨年、ある演出家(Z氏)が劇場で役者に暴力をふるい、勤務先の大学を停職処分になったことを知った。 大手の報道は時事通信だけで、その記事では彼の名前は伏せてあったので、たまたま演劇関係者のブログを見なければ知らないままだった…

映画 The Cave (2019) を見た。シリア空爆下の医療現場から『ザ・ケイヴ』

命がけの作品。事実、撮影中に4人もの関係者が命を落としたという。アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞はオバマ肝入りの『アメリカン・ファクトリー』が有力らしいけど、それよりもこの作品に受賞してほしい。少しでもたくさんの人に見てもらえるように。…

見に行かなかった2019年の映画作品のこと

映画について、「よりによって、なんで〇〇を見てないの?」と聞かれることがある。 フランチャイズ(『スター・ウォーズ』とか)や、アニメ(『アナ雪』とか)には、もともとあまり興味がないので、それ以外の2019年人気作を見に行かなかった理由をメモして…

映画 Les Misérables (2019) を見た。新『レ・ミゼラブル』

アカデミー国際長編映画賞ノミネート作。 フランス語講師のすすめで見る。といっても英語字幕をガン読みする。ユニークな作品。冒頭と宣伝美術の大上段と比べ、事件は何と小さな世界で起きていることよ。口の悪い人たちが怒鳴り合っているのに、Uncut Gemsと…

映画 Invisible Life / A Vida Invisível を見た。カンヌ「ある視点」賞『インビジブル・ライフ』

カリム・アイヌズ監督のカンヌ 2019「ある視点」部門大賞受賞作。 1950年代のブラジル。物語には突っ込みどころが多いが、画面の艶っぽさが魅力的な作品。Guidaが死んだことを聞いたEurídiceや父親が、せめて直前まで彼女と一緒にいた人たちに会いに行こうと…

映画 Just Mercy (2019) を見た。『黒い司法 0%からの奇跡』←orz

ロースクールに限らず全米の大学で課題図書として最も多く取り上げられているという Just Mercy: A Story of Justice and Redemption。 大坂選手と同じく、『ブラックパンサー』で「あの魅力的な悪役は誰?」と注目し始めたマイケル・B・ジョーダンが弁護士…

映画 1917 (2019) を見た。サム・メンデス監督 『1917 命をかけた伝令』

公開から日がたつのに、1人占めしたこともあるようなマチネ$6の郊外の映画館が満員だった。 ゴールデングローブ賞とったらしいし見とくか、と思った人が多いのかな、私みたいに...。そりゃ戦争を生き延びても無傷では済まないよな、あとの人生も地獄だよな、…

映画 Clemency (2019) を見た。アルフレ・ウッダード 『クレメンシー 恩赦』

私は19歳のときにアムネスティの活動に参加して以来、死刑制度に反対である。一昨年、日本で新興宗教の関係者が一挙に処刑され、指示を出した閣僚がその夜に飲み会で盛り上がっていたという報道を読んだ。 心底おぞましいと思った。この映画を見て、囚人だけ…

映画 Uncut Gems (2019) を見た。アダム・サンドラー『アンカット・ダイヤモンド』

信頼する人が秀作だと褒めるので見に行った。ひどくサタン的な空気の充満する作品。 ジワジワと言葉の暴力の毒が回ってきて、最後には自分まで悪態をつきたくなるような。 霊的に弱っている人にはおすすめしない。 2時間に吐き出されるFワードを数えたら千を…

映画 Hidden Life (2019) を見た。『名もなき生涯』Trotzdem Ja zum Leben sagen.

家族から国家まで選べない共同体に生まれ落ちるにとどまらず、1人では生きられないようにプログラムされた人間というものの皮肉を思う。フランツとフランツィスカも、あのように揃って神のほうを向いて、2人だけで生きていけるならよかったのに。 神はそれを…

映画 Little Women (2019) を見た。グレタ・ガーウィグの『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』

大勢の子どもたちで埋まった劇場内、大喝采。このポスターをバス停で見かけたとき、吹き抜ける新鮮な風にハッとした。 きっとみずみずしいインタープリテーションなんだろうな~と思った。 実際に作品を見て、広告が実に的確だったのが分かった。 まさにこの…

映画 Bombshell (2019) を見た。トランプ時代前夜の『スキャンダル』

全米70か所以上で、トランプ政権のイラクでの暴力に対する抗議運動が行われた日に。映画は面白かった。 本件の直後に大統領選があり、この事案含め、大勢の女性が大統領候補のセクハラを訴えたのが全然勘案されなかったように思えたこと込みでショックだった…

映画 Cats (2019) を見た。トム・フーパー監督『キャッツ』

「メモリー」なんかを演奏した経験はあっても、実はまともに『キャッツ』を見たことがなかったのでどんな構成なのかと行ってみた。 ストレスのたまる作品。 ジュディ・デンチが出てくるまでは特に厳しくて、何人か観客が途中退場。ダンス、特に群舞のシーン…

映画 63 Up を見た。7年ごとの記録。逃げ切り世代が63歳に。

英国の選挙結果が出たところでなんとタイムリーな英国社会史。 やはり物語は人物伝が一番面白い。 実際、Brexitや支持政党について語る出演者も多く、観客もそこに一番膝を乗り出していた。私が初めてUPシリーズについて知ったのは、NHKで日本編のドキュメン…

映画 The Two Popes を見た。アンソニー・ホプキンス & ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』

楽しかった。言葉のワンダーランド、優れた役者が織りなす知恵に富んだ対話劇、地理や歴史、ある人物が信仰に至る経緯とそのかたち、バチカン業界モノ等々私の好きな要素がぎゅうづめ。 2人が別れてからが冗長なのと、お仕えする脇の人たちの描き方がやや大…

映画 Dark Waters を見た。リーガルスリラー『ダーク・ウォーターズ』

わたしはまた主の言われる声を聞いた、「わたしはだれをつかわそうか。だれがわれわれのために行くだろうか」。その時わたしは言った、「ここにわたしがおります。わたしをおつかわしください」。 (イザヤ6:8) ドクター・ナカムラの長年にわたる活動につい…

2019年 映画館で見た映画ベスト3

今年は不作だった感がありますが、上げておきます。スケールは文春シネマチャートの真似です。個人的に気に入った作品順。それぞれ、鑑賞日の日記にリンクしています。★★★★★ もう最高!ぜひ観て!! The Farewell『フェアウェル』 Waves『ウェーブズ』 Marriag…

映画 Knives Out を見た。『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』

面白かった。 演者がみんなすごく楽しんでますね。 ダニエル・クレイグも来春公開の第25作目で007やめるってよということだし、じっくりこういう役を積み重ねてほしい。美術もとても良かった。RNのマルタに共感したのは『ベアトリス・アット・ディナー』的な…

映画 Queen & Slim を見た。Exodus 2019 『クイーン&スリム』

『ハリエット』の時代から170年、ここにもまたアフリカ系アメリカ人の出エジプト記が。 脱構築半ばで倒れる(少なくとも地上では)ロードムービーは『怒りの葡萄』『テルマ&ルイーズ』の系譜。常にクイーン&スリムを導く十字架。昼は雲の柱、夜は火の柱。 …

映画 A Beautiful Day in the Neighborhood を見た。実践 ミスター・ロジャース『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド』

まいった。 「私にとって一番大事なことが何だか分かるかい?今、ロイドと話をしているこの瞬間だよ」 で、トントン、とドアを叩かれ、 撮影中だというのにミスター・ロジャースがロイドをみとめてヤアヤアと歓迎に歩み寄る姿に嗚咽が内臓から突き上げた。 …