英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

2019年 映画館で見た映画ベスト3

今年は不作だった感がありますが、上げておきます。スケールは文春シネマチャートの真似です。個人的に気に入った作品順。それぞれ、鑑賞日の日記にリンクしています。★★★★★ もう最高!ぜひ観て!! The Farewell『フェアウェル』 Waves『ウェーブズ』 Marriag…

映画 Knives Out を見た。『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』

面白かった。 演者がみんなすごく楽しんでますね。 ダニエル・クレイグも来春公開の第25作目で007やめるってよということだし、じっくりこういう役を積み重ねてほしい。美術もとても良かった。RNのマルタに共感したのは『ベアトリス・アット・ディナー』的な…

映画 Queen & Slim を見た。Exodus 2019 『クイーン&スリム』

『ハリエット』の時代から170年、ここにもまたアフリカ系アメリカ人の出エジプト記が。 脱構築半ばで倒れる(少なくとも地上では)ロードムービーは『怒りの葡萄』『テルマ&ルイーズ』の系譜。常にクイーン&スリムを導く十字架。昼は雲の柱、夜は火の柱。 …

映画 A Beautiful Day in the Neighborhood を見た。実践 ミスター・ロジャース『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド』

まいった。 「私にとって一番大事なことが何だか分かるかい?今、ロイドと話をしているこの瞬間だよ」 で、トントン、とドアを叩かれ、 撮影中だというのにミスター・ロジャースがロイドをみとめてヤアヤアと歓迎に歩み寄る姿に嗚咽が内臓から突き上げた。 …

映画 Honey Boy を見た。シャイア・ラブーフ is『ハニー・ボーイ』

『アメリカン・ハニー』、『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』の仕事しか見ていないものの、シャイア・ラブーフはいかにも突然キレそうで、暴力(特に罵倒)がひどそうで、いついかなる原因で死んでも誰も驚かないあぶなっかしいろくでなしキャラに見える…

映画 Waves を見た。トレイ・エドワード・シュルツ作『ウェーブズ』

高解像度で綴られたゆるしの物語。 この内容で2時間もひきつける弱冠31歳の監督の手腕に舌を巻く。 観客の没頭ぶりは、悲劇のシーンで上がった、今まで映画館で聞いたことのないような腹の底からの悲鳴にあらわれていた。自分の目には『ムーンライト』の残像…

映画 Charlie's Angels (2019) を見た。エリザベス・バンクスの『チャーリーズ・エンジェル』

このシリーズは初見。クリステン・スチュワートが好きなので観に行く。 イスタンブール旅行もできて結構面白かった。 タイトルシーンから一貫してガールズエンパワーメント映画ですね。 出てくる女性たち、全員self-possessedで好きになりました。 特にエラ…

映画 Marriage Story を見た。スカーレット・ジョハンソンとアダム・ドライバーの『マリッジ・ストーリー』

丁寧なクラフト。 かなり精緻ながら、指紋の跡はしっかり残っているような。 映像やセリフで感情が動かされた自覚がないのに涙が流れているのに気づいてビックリした。 魂ではなく、霊が本物にふれて震えたのでしょう。ひたすらスカーレット・ジョハンソンと…

映画 Last Christmas を見た。エマ・トンプソンら原案・脚本『ラスト・クリスマス』

めちゃ評判悪い本作。でも楽しみにしていたのでめげずに見に行く。想像以上にトホホなシロモノ...。 過去の物語の要素をいろいろつまみ食い、しかもその一つとして成功してない...。 観客からもほとんど笑い声は上がらず。 出演者たちは、原案・脚本のエマ・…

映画 Harriet を見た。私のフリーダム・ネーム『ハリエット』

1800年代後半アメリカの出エジプト記。 久しぶりに終映後の拍手を聞く。 映画というよりも、最後に数枚のテロップで紹介されたハリエット・タブマンの生涯「その後」に対して、という感じだったが。彼女はモーセのように祈る人だったが、「あなたの言われた…

映画 Frankie を見た。イザベル・ユペール is 『フランキー』

Find it before you look for it. なんてことはない作品だけど、最近、自分では大事だと思っていたもの2つ同時に失ってやや荒野に足を突っ込んでいた私にはささやかな慰めになった。 シントラの背景にはさほど感心せず。 現実はどうか知らないけど、あまりバ…

映画 The Lighthouse を見た。ロバート・エガースの『ザ・ライトハウス』

Depressed. タテに細長い映画。怒声と凍えそうな画面がつらくて、早く終ってくれ〜とばかり思っていた。 弱っている人にはおすすめしません。トレーラーを見て絶対に好きじゃないなコレと思ったが、ウィレム・デフォーが主演なので観に行く。 彼はゴッホのま…

映画 Parasite を見た。パルムドール『パラサイト 半地下の家族』

英語字幕で鑑賞。 『バーニング』のイメージを勝手にひきずってつぶやき系なんではとうっすら思っていたら、ずっと輪郭のはっきりした語り口だった。 貧乏生活のこまごましたところが役者さんになじんでなかったけど。 (でも、はからずもラストの後味は似て…

Jesusへの私的ラブソング

詩に出てくるYouがJesusだと仮定しても通るラブソングはいろいろあります。 セクシャルでなければ何でもそうじゃない?と思うかもしれませんが、私は聖書に書かれた彼の人となりに沿っているなーと個人的に思うものに限ってイエスへの讃美歌にしています。 3…

映画 Pain and Glory/Dolor y gloria を見た。ペドロ・アルモドバル監督『ペイン・アンド・グローリー』

英語字幕で鑑賞。 冒頭、墨流しの上に流れたテロップの余白の素人くささから始まって、 全体的に作りが安い...。 タイトルそのものも。ペイン・アンド・グローリーて。ただ、最後にちょっと仕掛けがあるように、「(特に回想シーンは)あえて紙芝居っぽく、…

映画 Judy を見た。レニー・ゼルウィガー is『ジュディ 虹の彼方に』

ブラボー。 彼女はそれでもスターであることを選んだんだ。滂沱の涙。最後、ほぼ満席の劇場に一体感がありました。つまり、1) ジ・エンド → シ〜ン2) テロップ「ジュディ・ガーランドはロンドンコンサートの6か月後に47歳で死去」 → ひそやかなざわめき(早…

映画 Downton Abbey (2019) を見た。出世したヒュー・ボネヴィルに再会『ダウントン・アビー』

注、テレビシリーズを一度も見たことがないのに映画館に行ってしまったあるムービーゴーワーによる鑑賞日記です。私のうっすい『ダウントン・アビー』との接点といえば、随分前に友人がNHKでどハマりしたと聞いたこと。 家族の1人がハイクレア・キャッスルの…

映画 Ad Astra を見た。世界気候ストライキの日に。『アド・アストラ』

Ad Astraは、ラテン語で"to the stars"の意。 自治体や軍、大学などのモットーやエンティティによく採用されているフレーズです。 たとえば、Carpe diemと同じくらい、ニュアンスが共有されている感じ。今日は全世界でWalkout for climate changeが行われま…

聖書の献金と布施、法施、無畏施(シリーズ献金 その16)

お坊さん(釈徹宗氏)と哲学者(内田樹氏)がお布施について話しているものを読んで↓、まず、「おれのものはお前のもの、でも最低10分の1は返しなさい」とはっきりガイドラインを示して「分配のトレーニング」、「持っているものを手放すトレーニング」をし…

映画 Hustlers を見た。ジェニファー・ロペス × コンスタンス・ウー『ハスラーズ』

面白かった。 『モリーズ・ゲーム』を連想した人も多いのでは。 あちらは元アスリートだが頭脳派、こちらは肉体派。めちゃくちゃ動的でかっこいい。J. Loがとにかく素晴らしい。 彼女のパフォーマンスをまともに見たのは実は初めてだったが、すごく好きにな…

映画 Edie を見た。シーラ・ハンコック is 『イーディ、83歳 はじめての山登り』

父親の思い出の地、ハイランド地方スイルベン(Suilven)に挑む80代。 すべてが半端な駄作である。 せめてもう少し音楽を抑え目にすればよかったのに。シーラ・ハンコックの真正の美しさには圧倒されましたが。 表皮がシワシワなだけで、中身は青年だよね。…

映画 Fiddler: A Miracle of Miracles を見た。『フィドラー:ミラクル・オブ・ミラクルズ』

昨年はイディッシュ語バージョンが上演されて話題になったばかりの『屋根の上のバイオリン弾き』の製作の秘密に迫るドキュメンタリー。 初演から50年以上たってもなお(むしろ今だからこそ)住む場所もエスニシティも言語も選ばずあらゆる人をひきつけてやま…

映画 One Child Nation を見た。一人っ子政策の地獄『一人っ子の国 ワン・チャイルド・ネイション』

The Farewell を見た日の日記にも書いたが、中国共産党のやり方が現在進行中の宗教迫害と同じでえぐすぎ。 街のいたるところでプロパガンダのスローガンが目に入るようにする、一人っ子推進歌を京劇で披露する。 検閲が入っているとはいえ、家族の1人や2人は…

映画 Brittany Runs a Marathon を見た。『ブリタニー・ランズ・ア・マラソン』

サンダンス米国ドラマ部門観客賞受賞作。 地面に近い目線でニューヨーク・ニューヨークを満喫できてよい。ブリタニーが心身にたまった毒素をそぎ落すにつれ、体つきも顔つきも変わっていくジリアン・ベルに拍手。 メイクさんのわざだよなー、と思わないでも…

映画 Good Boys を見た。MeToo時代の『グッド・ボーイズ』

妙な間が多く、1人で行っていたら途中で出るような出来だったが、結局は最後まで見てよかったと思う。 モバイルのある時代に、『スタンド・バイ・ミー』みたいな意識的な別れは大げさだけどね。『ドラえもん』の各種ハラスメント、性暴力がいかにひどいかを…

映画 Jawline を見た。ソーシャルネットワーク製アイドルたち『ジョーライン』

Huluオリジナルドキュメンタリー作品。サンダンスで米国新人ドキュメンタリー審査員特別賞受賞。 現代の『誘う女』事情が垣間見られるのではないかと思ったこと、そしてオースティン君の本拠地?がテネシーということで興味を持った。本筋と関係ないが、南部…

映画 American Factory を見た。『アメリカン・ファクトリー』Steven Bognar 監督を迎えて。

オハイオ州の労働市場グローバル化問題を扱ったドキュメンタリー。 今日からNetflixで公開。 Netflix会員の方はすぐに見られるはず。 アメリカン・ファクトリー | Netflix (ネットフリックス) 公式サイトオバマ大統領夫妻が設立したプロダクション Higher Gr…

映画 Blinded by the Light を見た。ボス!『光に目もくらみ ブラインデッド・バイ・ザ・ライト』

80年代のイギリス郊外ルートンを舞台にした「アメリカ物語」。 tangibleなブルース・スプリングスティーン入門で、実に楽しかった。 受賞のスピーチでは、Javedくん(素晴らしいパフォーマンス。笑顔もいい)とまったく同じタイミングで涙がこぼれた。やたら…

映画 The Peanut Butter Falcon を見た。シャイア・ラブーフと『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』

トレーラーを見る限り、P!nkのWalk Me Homeという派手なBGMを使っていることもあり、はしゃいでる作品なんだろうなと思った。 タイトルも「私の好きなやつじゃない」シグナルをギンギンに発しているし。 が、Ebertが3.5/4をつけていたのと、『アメリカン・ハ…

映画 Honeyland を見た。蜜の流れる地『ハニーランド』

今年のサンダンス映画祭で最多受賞を果たしたTamara KotevskaとLjubo Stefanovの手によるドキュメンタリー。 終始、圧倒的な静寂とトルコ語に誘われて瞑想しているような映画体験。『足跡はかき消して』にも描写があったように、自然に同化してハチに刺され…