映画
手際良く多方面の意識を喚起させるコンパクトな佳作。日本で不幸にして性的暴行を受けたときのレイプキットやカウンセリングへのアクセスの問題については伊藤詩織さんが書いていた。 このテキサスでの問題はまた違う問題で、このボーイフレンドがそうだった…
クロエ・ジャオ監督、フランシス・マクドーマンド主演『ノマドランド』を見た感想。
聖書の暗喩に富みまくる小さなピルグリム記。 何よりヤコブとダビデが西ではなく東に向かうという...。ずっと、ばあさんに課せられた役割を考えていた。 罪に「消える」という性質はないのだと。 唯一できる対策と言えば拭い取る、つまり、他の何かに穢れを…
2020年公開のドラマ映画。レジーナ・キング監督、キングズレー・ベン=アディル主演。
2020年公開のクライムドラマ。ジュリア・ハート監督、レイチェル・ブロズナハン主演。
ディズニーランドで暮らす、とはどういうことか。 フロリダの「天国」、リタイアメントコミュニティでゆっくりと燃える人生を追いかける。 おそらく、現共和党政権の支持基盤の一部になったコミュニティ。 そしてたぶん、昨年はここの居住者の多くがほんとの…
アイルランド・イギリス合作のドラマ映画を見た感想。監督はフィリダ・ロイド、主演はクレア・ダン。
5人の自閉症の子どもたちの日常にベストセラー『自閉症の僕が跳びはねる理由』の著者、東田氏のライティングを重ね合わせたドキュメンタリー。 残念ながら失敗作。4か国で暮らす子どもたち、中には「おいそれと外に出られない」ほど偏見があるコミュニティも…
音響、音楽が聞くに耐えない。 結婚までの日々に加え、日記帳や手紙のシーケンスがイモすぎる。 ファッションとメイクだけで80、90年代を演出しようとしてるのも苦しい。というわけで、話が頭に入ってきにくいのだが、脚本と演出にもインテグリティなし。 い…
City of Bostonが行使される場をひたすら追いかけたドキュメンタリー。 大変リッチで面白かった。公共政策という学問領域が肉をもって活きている感じがする。 クオモNY州知事の周囲をかためる行政官を見ていても思うこと。結婚式に立ち会い、"By the authori…
2020年に映画館または家で見た映画のベスト3。ロックダウンまでの短期間にリサーチ・スクリーニングにも3度行くことができた。
ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが演じる燃ゆる女性たち。フランシス・リー監督。
死をフレームにカップルの闇を深掘りするスリラードラマ。 あんまり好きじゃなかった。 「死」いらなくね?含みのある"I can't breathe"のセリフもあまりうまく活かされていなかったと思う。 どうしてもBLMの記憶に気を取られるしね。Faithとtruth、そしてfr…
2017年に中国人留学生インインが行方不明になったイリノイの事件を、彼女のオリジンも含めて追いかける。 勉強好きで家族の希望の星だったインインとの共通点も多いJiayan Jenny Shiの監督デビュー作。学生時代の足跡をたどるボーイフレンドの前に傷ついた鳥…
ブカレストのクラブ Colectiv 火災があぶり出したルーマニアの医療システムの闇。最近、日本、特に大阪の感染拡大の報に触れて「人災」という言葉が脳裏を去来し続けている。 「本来なら死なずに済んだのに...」がどれだけ無残か。日本の行政の無策って、ち…
これまでに見たドキュメンタリー作品の中でナンバーワン。 2015年、ニューヨーク州で全医療保険プランに性別適合手術への適用が義務付けられた。 その翌年に開院したドクター・ティン & 医療チームとその患者たちの苦しみと喜びを追う。ワクワクしながら、時…
カラフルなカリフォルニア移民のドキュメンタリー。アメリカのドーナツの歴史をカンボジアまで遡る。 ユニークな成功だけでなく、失敗の派手さも含めて、『RBG』と同じく「アメリカでなければ起こり得なかった」アメリカ人史である。実は、大学の卒論のテー…
チャンネ・リーのエッセイをもとにした作品。 アジア系アメリカ人のステロタイプ・エピソードを詰め込んだ。 とはいえ、子どもに圧をかける親も、lost in translation も、クリスチャンコミュニテイも、サンフランシスコも、家の味の引き継ぎも、今なお真実…
作品の評価が低いのは知っていたのだが、劇映画が見たくなって。 最近日本でも問題になった安楽死の描き方にも興味があった。駄作らしい、という先入観ありありで見たわけだが、愛人関係発覚ツイストまではよかった。 部屋にゾウがましましている冒頭から、…
先週末、ちょうどスマホをいじっているときに RBG 逝去の速報が入った。 随分前から準備されていたであろうNYTの追悼記事を読みながら、私はあることを止める決心をした。毎日1、2時間費やしていた雑事。スッパリ止めて3日目だけれど、頭はスッキリしている…
英語字幕で鑑賞。 今となっては懐かしい回転寿司から始まるアナザー二流いかにもフランス映画。 言葉も中毒になるけど、良い薬だし、安全です。 本当にそうだろうか? と語りかける。先日、ブラックパンサーが若くしてひっそりと逝ってしまい、アンジェリー…
英語字幕で鑑賞。#BoycottMulan『リンガフランカ Lingua Franca』に続き、偽装結婚がモチーフ。 香港の女性と香港在留資格がほしいメインランドの男性の組み合わせ。 しかも、男は中国よりも自由度の高い香港を足がかりにしてロサンゼルスに行きたいんだぜ、…
これは...「ドキュメンタリー映画」として$12で売っていい作品じゃないのでは。 冒頭に「特定の政党や自治体を推すものではない」と但し書きがでてくるけど、ひたすら先生と為政者がポリシーを語るだけでいっこも面白くなく、圧の強い長尺のアラバマプロモー…
タイトルからして見るしかない。 結婚でグリーンカードを得ようと奮闘するブルックリンの移民の物語と聞けばなおさら。 が、残念ながら四流作品だった。設定が複雑な彼女の苦しみ、不安は伝わったけれど、どうにもエピソードが陳腐で。 時折かぶさる大統領の…
カトリック業界が舞台。編集も音楽もパフォーマンスも拙くて見づらいが、興味のあるトピックなので見られた。
主演のウニちゃんの体の通りの良さに驚嘆。 彼女にとって感覚をすみずみまで行き渡らせることができるのは指先だけではない。『ドライブウェイズ』に続き、とても文法の正確な作品。クリシェだらけという意味ではなくて、この動詞にはあの形容詞の組み合わせ…
期待のPlan B作品だったが駄作。2020年にタイムリーというだけ。 赤と青のステロタイプや、キャンペーンのチームがどういうものなのかが垣間見られる面白さは少し。種明かしを見れば演出かとは思うけど、本筋の外で出てくる街の人たちがいちいちわざとらしく…
ジョニー・キャッシュの、ジューン・カーターでないほうの妻、ヴィヴィアンの生涯を4人の娘たちが語る。 前田ハウスで話題の SXSW 2020 出品作だが、イベントが初めて中止になったため、オンラインプレミア。50年代、60年代のメンフィス、ロサンゼルスのバレ…
155th aniversary of Juneteenthに。 奴隷解放宣言から実に2年半後の1865年、米国で奴隷制がオフィシャルに終焉を迎えた日である。 今週になって急に各地の自治体や企業がこの日を記念しようとPRを始め、私も初めて知ることになった。 近所の銀行からも「今…
引き続き、Pride Month。アトランタ、シアトルをはじめ、多数の映画祭で観客賞を受賞したDaniel G. Karslakeのドキュメンタリー。 原理主義的で強硬なプロチョイスの福音派やカトリックの家庭とLGBTIの子どもたちの葛藤。イエスが十字架の上から語られた慈悲…