英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Janes を見た。Roe v. Wade前史『ザ・ジェーンズ』

1970年前後、Roe v. Wadeの判決が下るまで中絶を支援した活動家グループJaneの記録。
Happeningに続いてタイムリーな公開。

(母親に生まれる前の子を殺す権利などあるものか、と説教する神父の動画に続いて)
It's not a theological argument. It's a put-up job. --- To exclude women from ethical agency...excludes us from humanity, and it turns us into powerless sinners against our own selves. And you can't have that. (Rev. Dr. Donna Schaper)

こないだ、時間の都合で時々行っている教会の礼拝に出席したら、男性の牧師が「レイプされた場合の中絶は許されるのか」というトピックでエラそ~に半ば女性批判みたいな話をしていて、ムカムカした。"let her"ってなんだよ。二度と行かない。
とりあえず、男性は女性の身体の選択に関しては一切口を出さないでもらいたい。

本編ではJaneが活動した当時の産科医は95%が男性で、女性の生殖が男性の支配下にあったと説明されていた。

だから、施術も含めて女性で対応できるようになったときの安心感にものすごく実感がこもっていた。

米国では今でこそ女性のほうが多い医学部も増え、相当人類全体のQOL向上に寄与していると思うが、その点、日本の女性はほんとに気の毒だ。あの男ばっかりの産婦人科学会。女性を不当に不合格にしていた数々の医学部。

ところで、この1年くらいだろうか、「ジャッジする」って普通に日本語で言うようになったみたいね。
スポーツの審判の「ジャッジ」は以前から使われていたから、そのイメージから理解されているのだろうか。
マスメディアや刊行された小説でも観測できるようになったけど、翻訳者としてはまだ地の文に使うのは抵抗がある。
これからもどんなに普及しても書かないと思う。
だってどうよ、和文で「ジャッジする」って?「ペイする」と同じくらい便利ではあるけどね~。

前はjudge、judgementalのニュアンスを日本語で言いたいとき(よくある)、非難する、決めつける、悪く言う、とか文脈によっていろいろな語をあてていたはずだ。
「さばいてはいけません。Do not judge. (マタイ7:1)」という有名な聖句があるので、教会では「さばく」という言葉をよく使うけど、大岡裁き的な意味以外ではあくまでキリスト教業界用語だから、これもjudgeの代替にはしにくい。

トレーラー。