2017年に中国人留学生インインが行方不明になったイリノイの事件を、彼女のオリジンも含めて追いかける。
勉強好きで家族の希望の星だったインインとの共通点も多いJiayan Jenny Shiの監督デビュー作。
学生時代の足跡をたどるボーイフレンドの前に傷ついた鳥が舞い降りてきて彼が埋葬するところは、あまりにもできすぎた鎮魂歌。
あれが北野武が言うところの「映画の神様」降臨だろうか。
事件の日から2年あまりの経緯はただただ痛ましい。彼女の「最後の願い」がどうかかないますように。
遺族の旅路には、インインの加害者のみならず(法廷で笑ったり食ったりする傍若無人)、人の弱みに付け込む人、人の傷に塩を塗る人が次々と出てくる。
特に腹が立ったのはインインの居場所を教えよう、と営業をかけてくる自称サイキック...。
「ありえん」と分かりつつも藁にもすがる思いで、結局彼女の言う場所にも行ってみる遺族とボランティアたち。
テレビで人の生死について深刻な出まかせを言い、苦しむ人をさらに失意に陥れたシルビア・ブラウンを思い出す。
後で大ハズレが分かっても平気な顔してたよな。
21世紀の偽預言者の跋扈、やばい。
今年がこんな特殊な年になるなんてリアルに予言できた人は誰もいなかったでしょ?
(「この年は災害が起きる」とかいうざっくりしたのは予言ではありません。私でも言える)
ビル・ゲイツがかなり正確に「予測」をしていただけで。
監督、製作出演のオンラインスクリーニング企画。閲覧数少な...。