英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。映画、英語、栄華。

マンガとの再会 ありがと、Kindle。

「重版出来!」1巻で、こんなチャレンジがあった。
「『かつて漫画を読んでいたが、今は離れている』層へのアピール方法。安く…長く…」
そこでは、ドロくさい方法に活路を見出し、1人の営業君が育って行く、という話だったのだが、私が言えるのは、「まずは電子版を揃えなはれ、話はそれからじゃ」。

私は中学生の頃まではわりと熱心にマンガを読んでいた。「ちびまる子」全盛期、少女マンガ中心だ。
漫画家になりたいと公言して、友人たちと同人誌も作っていた。
でも高校入学頃から、気づいたらマンガを読まなくなっていた。あんなに楽しみにしてすみずみまで読んでいた「りぼん」、何がきっかけで発売日を気にしなくなっていったのか、逆に不思議である。

ン10年がたち、渡米した。マンガどころか、和書が手に入りにくい生活に。。。
しかし、しばらくして私は、Macよりも私の生活を変える神器、Kindleに出会う。
さらに数年たって、ついにKindle Store Japanがオープンした。
すると、
1) セールに出ている作品に興味をもってダウンロードしてみたり、
2) 誰かが「あれいい」と言ったマンガをポンと買ったりするようになった。
1は、とにかくKindleがなければまず出会わなかった。
2は、Kindleというアクセスツールがなければ、「買う」というアクションにつながらず、まず忘れ去られて終わりだった。

こうして、数は多くないけれども、またマンガを手にとるようになった。
そんな作品の中には「出会えてありがとう」と言いたいものもいくつかある。
こんなすごいことがあるだろうか。下に紹介する。

<さよならタマちゃん>
私が最もKindleよ、ありがとう、と感謝している作品。
働き盛りの漫画家によるガン闘病記、セールで知って購入。
物語の間がうつくしい。(ちょっと「タッチ」を思い出した)
映画をコマ送りしたようなストーリーマンガを発明したのが手塚先生だとしたら、「(病も)プレゼントだよな」の項、奥さまへのラブレターなどまさにムービー。
最高です。

<大阪ハムレット>
これも驚きの大きかった作品。大阪人の1人として感謝する。
「少年アシベ」は知っていたが、どんなものを書く作家さんなのか全く知らなかった。
多分これもセールで知ったのだと思う。

シナリオと飄々とした画風がバッチリマッチ。
おおざっぱな、時に哀しい人たちの緻密なセリフの応酬がなんともいえない。
そして背景のセリフが抜群にうまい!!!
しかも、知らん人にやさしい声をかける(主に)大阪人がたくさん出てくるのでなおさら。
「お父さん、キムチは?入れたらなあかんやん」
「お母さんも食べるん?」「あ、ほしーなー」
「お嬢ちゃん、時計見てみ」
「ボン、女の子けったらあかん」…

もちろん全巻購入したが、1巻が最も粒が揃っている。
何回目かに読んだとき、涙がザーザー出てきた。

<毎日かあさん>
西原先生は、「おカネの話」をLAの図書館で見つけて、非常に野趣に富んだ考え方の人だと知って、作品を読んでみたくなった。
(それでもKindleがなければ縁はなかったと思う)
毎日新聞連載、笑えて泣けて血で走っている感じが痛快。
4巻以降はキレが鈍ったな、というか息切れ感が出てきたのでまだ読んでいないのだが、終始、「良い子だけどアホで社会に適応できない子」として描かれている息子くんがアメリカに留学、日本にいた頃とはうってかわって良い成績をおさめていることをtwitterで知った。とても嬉しかった。

この本もセールになってた時に買っちゃったよ…
私にとっては、働くことが嬉しくなる本。

<エースをねらえ!>
これは再会。昔、中途半端に読んでいたのだが、1巻以外一気に買って、改めて練りに練られたセリフの数々を堪能。
絵が安定してない、説明が多いのが面倒で、いまだに1巻を読んだことはない。
また、第2部(11巻以降)は、明らかに作風が変わっており、絵が違うのも辛くて、買っていない。
第1部最終巻はこちら。子どもの頃は気づかなかったが、最後の枚数足りなかった感がすごい。

山本鈴美香先生の他の作品では、「ベルばら」の二番煎じ、「7つの黄金郷」を再読したい。はよ。

<動物のお医者さん>
これも再会。昔、絵が好きでよく読んでいたので買ってみたが、2巻以降には手が出なかった。もはやバイブスが合わないのが残念。
イヌ王国に移住して、昔よりもイヌ好きになったんだけどなー。

<オルフェウスの窓>
「ベルばら」よりもこの作品に夢中になりドイツ語通訳になった、という方のコラムを読み、ドイツ語学習者として「おお、それはモチベーションが上がるかも?」とスケベ心で購入。
結果、やっぱり「ベルばら」好きには物足りないと思いました…
池田理代子先生といえば、本当は作家になりたかった、というくらい、ストーリーの鬼有名ですが、本作では「偶然見てしまった」という朝ドラ的展開が頻発し、安易すぎ。
キャラクターも自己模倣に走ってしまっています。
でも頑張って最終巻まで買った…多分読み返さないけど。

ちなみに、「重版出来!」2巻ではマンガの電子化にまつわる苦労も描かれている。
ほんと、電子版を敵視する人は「紙がなくなるなんて…」と思い込んでるんですよね。
紙も電子も両方揃えればwin-winだぜ!(死語)というだけのことなのに。

そして、「重版出来!」を私が手にとることになったのも、電子版があったからです。

蛇足ながら、Kindleがあったからこそ失敗した買物も多々あるのですが、一応サンプル読んだ上で決めているのと、たいてい数百円以下なこともあり買ったことすら即座に忘れます。
Kindleのガチャな所以。