多分、ニュージーランドで撮影された作品は山と目にしているのだろうけど、ニュージーランド映画を見たのは初めてではないか。
(ハリウッド作品に比べ)ヘンに説明し過ぎす、ニュージーランド英語で繰り出されるボケは心地よく、もちろん野生の風景は美しく、とてもバランスの良い品のあるコメディだった。
トレーラー見る限りではすっごくつまらなそうだったのだけど…
静かにセクシーなおじちゃん、サバイバル生活でもなぜかデブに拍車がかかるリッキー、そして早々退場のおばちゃんの主演3人がすばらしい。
特に、おばちゃんはWikiもないほど知られてない人のようだが、彼女にMVPをあげたい観客は多いと思う。
最後にリッキーが"majestical"と言った時におじちゃんがそっと見せた笑顔、とても良かった。
(「真田丸」で、嫡男から、自分が「真っ直ぐ」なのは父上にそう教えられたからだ、と言われた時の安房守の笑みと同じ、と言ったら分かる方は分かると思うわ)
そして、暴れん坊のリッキー、彼はストリートスマート。ろくに学校も行ってないのに、本を読み、絵を描き、俳句をものす。
で、彼とおじちゃんは気持ちを俳句で伝え合うのだ。
指折りシラブルを数えながら自作を披露するおじちゃんが素敵。
"Eat, Pray, Love"のエリザベス・ギルバートが、時間やお金などのリソースがないところでひねり出される芸術はホンモノだ、と言っていたのを思い出した。
もし日本語訳がつくことがあるなら、翻訳者さん、腕の見せどころすぎる。
観客は盛大に笑っていた。特に、LAの人はイヌ好きアウトドア好きなんで…最後に拍手。
原作はこちら。