英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 20th Century Women を見た。アネット・ベニング『20センチュリー・ウーマン』

2週間前、脚本/監督のマイク・ミルズがラジオインタビューでオカンについて語っているのを聞いて興味をもった。
とてもクリエイティブな女性だった、と。

「裏フォレスト・ガンプ」の趣。エグいけど、「フォレスト」よりもよほど郷愁を誘う。
この映画と比較して初めて、「フォレスト」って、マッチョ目線のファンタジーだったんだな〜と気付いた。
後で読んでみたい、調べてみたい、と思わせる書物、音楽が随所に出てきて、私にとっては「次の窓を開く」タイプの作品。
もちろん、「ダイアローグ書き取りたい作品リスト」にも入りました。
早速、スクリプトダウンロードした。

どういう順序で撮ったのか知らないが、最初のフォード炎上シーンでの親子がすごーく固くて、息子くんも体があったまってない感じで、つかみは最悪、やばい、この子もしかしてヘタ?とドキドキ。
でも終わってみれば、全体的には良いもの見たな、という感じ。

大きな家で部屋貸しをしているという設定がかなり好き。というか、私にとってとてもリアル。
私がアメリカの家(あるいは家庭)っていいな、と思うのは、オープンなこと。
いろんな人が出入りして、キッチンで新聞読んでたりマフィンかじってたり。
基本、土足で入るというのが、家が開放的になる要因として大きいと思う。
この作品の同居人たちは、わりと気さくに助け合っていて素敵だ。

テナントのひとり、赤毛のフォトグラファー、アビーが良かったのでチェックしたら、「マギーズ・プラン」の主役だった人?! 全然分からなかった…
「ジャッキー」にも出てたということは、今年期せずして3度も彼女の出演作を見たことになる。

エル・ファニングとアビー、ファニングとアネット、それぞれの掛け合いが楽しい。
トレーラーでネタばらしされていたけれど、テレビパーティのアホ会話も最高。

Torches of Freedomを掲げ続けた彼女が肺ガンで死ぬのはすごい皮肉だなあ。
「カッコイイ吸い方」が得意なエルやアビーの次世代、次々世代もこのままでは同じ末路を迎えるよ...

アネット・ベニングはオスカーとるんじゃないかな。
パフォーマンスが良かったから、というより、昨今スピークアップする女優が増えている「女性 in Hollywood」問題、彼女の年齢、そしてアカデミー好みの内容からしても時機がよいと思う。
(2つ目、と書こうとして調べたらまだ受賞には至ってなかった。意外)

私の個人的な2016映画トップ3はこちら

「フォレスト・ガンプ」は、ナレーションが過剰なのよね…

トレーラー。