英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。Python、Ruby、JavaScript、神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Sully を見た。トム・ハンクス『ハドソン川の奇跡』

面白かった。気づいたらシャツの裾ずっと握りしめてた。
イーストウッドの最近のトウモロコシに乗っかったレイシスト発言にあーモウロクしたかな、と残念に思っていたのだが、透明感ある演出に衰えはなかった。やっぱりすごい。

今回、個人的にA-ha!だったこと。
以前、映画の作品構造のクラスをとった時、先生が「スクリプトは1文字1句に相当の計算がされている。よく読み取るように」と言われた。そんなもん当然だろう、と思ったものの、しょーもない作品にたくさん触れる中で、「1字1句に意味がある」ということがなかなか具体的には分からなかった。例えば三谷幸喜作品を見ると、全てのシーケンスにセリフ以上の意味があるのは自明過ぎて、なんか先生の言ってたことの半分も会得できていない感じがあった。

Sullyでは、最後を締めるファーストオフィサーの言葉が最高に決まるのだが、映画館を出てから、「ああ、あのなんてことないセリフが効いたのにはちゃんと伏線があったのだ」と気づいた。
物語全体を通して舞台設定が真冬なのは分かっている。でも、キャプテンと一緒に走りながらF***ing cold!と言ったのも、事故の後、「てゆーか、さみーなオイ」という顔を一瞬見せたのも、ファーストオフィサーだったのだ。どちらも瞬時のシーンなのにちゃんと覚えていたのは、どちらもカットアウト(というのかどうか、カットの変わり目)直前だったからだろうか。それこそ適当に付け足しても誰も文句も言わないだろう、という短いセリフとカットが、ちゃんと見ている者の記憶に残り、最後のセリフの効果を上げたのである。

ファーストオフィサー、中の人(アーロン・エッカート)も役回りもとても良い。存在するだけで場を軽くする人、貴重。
トム・ハンクス、A League of their ownからのファンだけど、益々目が若く、良心にあふれている。
いつかドジャースタジアムでリタさんと観戦に興じてるところなどお見かけしたい。

インタビュアーの「Castaway, Apollo13など、なぜ実在の人物役に起用されることが多いのですか?」というバクとした質問に、「僕は見た目がordinaryだからね〜」と苦笑していたトム。私は彼が「ザ・アメリカン」だからだと思ってる。

彼の「アポロ13」とA League of their own(これも実話ベースもの、邦題はサイアク)には本当に感謝していて、何度見返したかしれないし、今も私にとって、アメリカという若い国のフロンティアと歴史への興味の重要な起点になっている。
一番好きな映画は?と聞かれたら、20年以上、A League of their ownと答えている。

ラベル船長による原作。

A League of their ownはビデオ>DVD>デジタルと3回買ってる。
「ピッチ・パーフェクト」のレベル・ウィルソンもこの作品を1番に挙げていて、「私が人生に求めるのはこれだ」と思ったんだとか。それはよく分かる。


終盤、観光船、NYPDスキューバ、赤十字その他、レスキューに参じた人たちにもポンポンとスポットが当たり、クレジットの前に「ニューヨーカー、皆よく協力したよね!」のアゲメッセージが。
そう、だからこそ今週末に封切られたのだ。ホンモノのサリーキャプテンも言っていたけど、文字どおりの意味以上に「絶対に街中に突っ込んではならなかった」のである。
昨年9月はThe Walkで、あれも企画の勝利だった。(ヒットせず、早じまいしたけど)

最近見たい映画が増えてきたと思ったら、もう秋なのね...

ひとつ苦情。
某ホテルチェーンのクレジットが目立ちすぎて気になる!

帰り、LAXを横切りながら、着陸するヒコーキの大きなお腹を頭上に見た。

メイキング見ると、「奇跡の86歳」という言葉しか出て来ない...
教会にいるちょうど同年齢のお年寄りたちと比べるに、人間てなんと個人差の大きな生物なのかと驚愕する、

キャプテン・サリー本人の手による原作はこちら。
邦訳はハリポタの出版社から出てますが、ハイ、品切れ(中古はあり)。
だからなぜ電子版を発売しない!??!!
昨年の「アリスのままで」に続き、アホ過ぎです。本好き=出版社応援団として腹立たしい。

レッツ原書で彼の肉声を。

映画化タイアップ新装版も。