英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画

映画 Benedetta を見た。ポール・バーホーベン『ベネデッタ』

こ、これは...... 絵づくりがおバカすぎる。 超ポール・バーホーベン。さすがポール・バーホーベン。80代にしてなお貫かれるフェティシズム。実際、ちょこちょこ吹き出してる人いたし、ラストシーンは失笑が漏れたし、そういう映画ってことでいいんだよね? …

映画 King Richard を見た。ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ一家の『ドリームプラン』

面白かった。ウィリアムズ一家役7人の空気感がこなれていてとてもよかった。たまたまコンプトンにほど近い映画館で見たところ、前の席に2時間半ずっと背もたれに寄りかからず背筋を伸ばして鑑賞している黒人男性がいて気になった。理由はわからない。ただ腰…

映画 House of Gucci を見た。リドリー・スコット『ハウス・オブ・グッチ』

もとの話はドラマチックなのに、この退屈さはなんなのだ...。 本作の肝は殺人の動機の仮説を提示することのはずだが、そこの語りが弱すぎる。 一番印象に残ったのが最後の史実のキャプションなんですけど。伝記・回想記好きだから思うのかもしれないけど、実…

映画 C'mon C'mon を見た。 マイク・ミルズの『カモン カモン』

プロットを読み、アメリカのロードムービーファンとしてはかなり楽しみにしていたのだが、好きな脚本ではなかった。言葉でしゃべりすぎ。 インタビュー音声、書籍のモノローグ、絵本の読み聞かせ、ドビュッシーなどを媒介にくどくどと説明しまくってしまう油…

映画 The Power of the Dog を見た。ジェーン・カンピオン × ベネディクト・カンバーバッチ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

ジェーン・カンピオン怖いんだけど泣 『ブロークバック・マウンテン』と同じ後味。 主人公、この時代のこの土地に生まれたためにほんとにしんどかったね、最後まで何もいいことなかったじゃん...ってすごくかわいそうになるやつ泣 ↓↓ ホラ、苦しそうすぎる泣…

映画 Eternals を見た。クロエ・ジャオの『エターナルズ』

今更ながら。まったく興味なかったのだが、主に日本のムービーゴーワーたちから流れてくる感想を読むうちに、ドラマやコメディでしか見たことのない個性派スタアたちが必死でヒーローごっこするところを見たい、クロエ・ジャオ監督の挑戦を寿ぎたいと思うに…

映画 Ich bin dein Mensch (I'm Your Man) を家で見た。『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』

適度にチープでグー。人間。それは祈るもの。そして、人をとことん知り尽くす、というのは、聖書でいうところの神に近づくことなのだなと。相手を幸せにするために存在しているけど(それゆえ)求められても"Es ist kein guter Moment"と取り合わないところ…

映画 Spencer を見た。クリステン・スチュワート is『スペンサー ダイアナの決意』

ダイアナが亡くなって25年。存命なら今年還暦を迎えるはずだった。『ジャッキー』の監督ということで、またあれを見せられるのもどうよ、と躊躇ったが、題材とスチュワートの魅力に勝てず見に行った。病みな人の内面は退屈だったし、アン・ブーリンを絡める…

映画 The Souvenir: Part II を見た。ジョアンナ・ホッグ『スーヴェニア パート2』

ジョアンナ・ホッグ監督の映画学校時代の半自伝、その後。 もともと2部構成の予定で撮られた作品なので、前編なしではイミフだと思う。 映画学生物語として卒業制作のプロセスが描かれているところが前編よりも面白かった。映画製作を意識的にしろ無意識的に…

映画 The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun を見た。ウェス・アンダーソン『フレンチ・ディスパッチ』

初めてひとりでニューヨークに行った十代のとき、『ニューヨーカー』誌をおみやげに買って帰った。 その程度には『フレンチ・ディスパッチ』のモデルになった文芸誌の世界には惹かれているけど、この映画は残念ながら好きになれず。 私にこれを楽しめる素質…

アムステルダムの映画館で『東京物語』を見た

最近ではなく、パンデミックの足音がひたひたと近づいていたクリスマスのころの話。アンネ・フランク・ハウスにほど近いプランセンフラハト沿いにその映画館De Uitkijkはあった。 間口の狭い正面は小さなカフェになっていて、窓口らしいものはない。カフェの…

映画 Passing を見た。レベッカ・ホール × テッサ・トンプソン × ルース・ネッガ『PASSING 白い黒人』

これほど白黒で見せることに意味のある作品があるだろうか。 実は見る前は、ルース・ネッガ(『Loving』以来、とても好き)をパッサー役として説得力を持たせるためにやむなく白黒にしたのだろうか、などと疑っていた。いろいろ間違っていた。すみませんでし…

映画 Luzzu を見た。Alex Camilleri『ルッツ』

秀作。マルタの賢者の贈り物。 息子の命を救うためにEUにアイデンティティを売った父親は、同時に息子に語る物語も失ってしまったことに気づく。ルッツの舳先でにらんでいる目をくどいほど映すカメラ。 あれだけ船の守りがいかついのに、さらにカトリックの…

映画 Bergman Island を見た。『ベルイマン島にて』

アーティストのうっすら狂気モノ。創作上のスランプをlow keyで描く。イングマール・ベルイマンが暮らしたフォーレ島のアーティスト・イン・レジデンスを体験できる。 あまり島自体に随一の魅力は感じられないけど、いつも風が吹いているのがいい。劇中劇の…

映画 The Voyeurs を家で見た。『観察者』

モントリオール! モントリオール! モントリオール!カナダの都市のいいところはふとフランス語が漂ってくるところ。 ハイスクールでフランス語を履修した子どもたちが夏休みに隣国へプチ留学に出かけているのを常々羨ましく思っている。 私もやろうかな。 …

映画 The Mad Women's Ball/Le Bal des folles を家で見た。『社会から虐げられた女たち』

Sooo many things going on... でもドラマとして面白かった。家父長制に抵抗する女性たちが精神病院に突っ込まれた19世紀の物語。 ヨーロッパには旧精神科病棟のユースホステルやホテルがいくつもある。その部屋を思い出しながら見た。霊が見える奴はヒステ…

映画 The Card Counter を見た。ポール・シュレイダー『ザ・カードカウンター』

閲覧注意作品。 アブグレイブ刑務所の捕虜虐待の記憶を背景に『魂のゆくえ First Reformed』と同じ罪の煩悶の軌跡をなぞる。 実際、『魂のゆくえ』で見たシーンが頻繁に出てくる。 ウィリアム・テルの病み描写はまさにデジャブ。映画は面白かった。 ポーカー…

映画 Language Lessons を見た。ナタリー・モラレスの『ランゲージ・レッスン』

この題名は見に行かないわけにはいかない。 パンデミック・フレンドリーな佳作だった。カリニョもアダムもマチュアで素敵。「あなたが思うところの私ってどんな人なの?」はい、私も男に殴られたんだ...とまず思わされたよ。 実際、日本の会社員時代、自宅ト…

映画 Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings を見た。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

脚本を中心に非常に多方面に配慮を張り巡らした快作だと聞き&オークワフィナを見たくて行った。 良かった。 かなりの部分がしっかり中国語劇(英語字幕)なのも、シャン・チーは親の教育方針で4か国語できるんだヨン、という設定も非常に面白い。 スマッシ…

映画 CODA(child of deaf adults) を見た。きこえる喜び『コーダ あいのうた』

きこえる喜びが胸をみたす素敵なトリート。 演者全員に拍手。好きな俳優がどっと増えて嬉しい。 折り目正しい教科書どおりのつくりが心地よい。 音大入試オーディションのルビーの「歌唱」はメッセージの音量に圧倒されてむせそうになった。最後にルビーが送…

映画 Flag Day を見た。ショーン・ペン一家の家族映画『フラッグデイ』

はい駄作。 ショーン・ペンも、ショーン・ペン的ろくでなし像も大嫌いなのに、出先の調整で見てしまった。これしか時間合うやつなくて...。 冒頭5分の異常に大音量の楽曲で「あぁ、もうダメ...」と思った。全般に音楽の趣味も入れ方もイモ過ぎ。 脚本も非常…

映画 Roadrunner: A Film About Anthony Bourdain を見た。アンソニー・ボーディン is 『ロードランナー』

リアルタイムで番組や本にふれていなかった私にとって、アンソニー・ボーディンはうつに苦しんだ有名人というイメージが強い。 実は彼が亡くなる3日前に出たケイト・スペードの訃報のほうがショックで、「この2人を自死させるアメリカ社会やべえよ」、This w…

映画 SUMMERTIME (2021) を見た。詠う天使の街『サマータイム』

詩で綴るLAダウンタウンの西側地区。大変dopeでよかった。 書いてパフォームするのが、アマンダ・ゴーマぢおンを含むアンジェリーノの詩のスタイル。 多面体のこの町の中でも「知っている」と思えるシーンがいくつかあった。『エイス・グレード』と同様、原…

映画 Zola を見た。Twitter発TikTok的バッドアス動画『ゾラ』

一言で言うとEw。 元ネタのツイートシリーズが2015年らしいが、既にうんざり感あり。 最先端のミームは高速で滅びる。ゾラとステファニーの生々しい連れションシーンを見て思ったこと。 最近、日本のジャーナリストが男子トイレに音消し装置がないことを「ジ…

映画 In the Heights を見た。『イン・ザ・ハイツ』

なぜAfro-Latinxがいないことにされてる?との論争ひとしきり、さめた目で鑑賞。 楽しかった。 よくこの長さで押し切った。マーケティングのプロセスにパンデミックが影響した? プロットは少々理屈っぽい。子どもが親の目なしにフラフラできない社会では、c…

映画『あのこは貴族』を家で見た。心強いシスターフッド

北村紗衣氏が面白かったと言っていたので、小説→映画を一気にさらう。 ワクチン2nd doseの後は具合悪くなった、1日寝込んだ、と言う知人が多かったので、ビビッて予備日にしていた今日、ひたすら水分を摂りながら見る。おかげで一切変調なしで24時間過ぎた。…

映画 Final Account を見た。第三帝国にかかわった市井の人びとの『ファイナル・アカウント』

英語字幕で鑑賞。 perpetratorという言葉を覚えることになる。 法的、社会的に「戦犯」と定義されないにしても、ホロコーストにかかわってしまった一般人enablersの最後の証言を集めたドキュメンタリー。 何人か否認者も出てくるので、閲覧注意である。作品…

映画 There Is No Evil を家で見た。金熊賞受賞作 モハマッド・ラスロフ『悪は存在せず』

エピソードIが良すぎて、あとの3つは印象が薄いどころか蛇足にすら感じた。説明するのが難しいのだが、エピソードIVの医学生と医師の車中のトークを見ていて、不条理に満ちたコンテキストの中にいてこの会話の内容を自分が分かるのはなぜだ...という不思議の…

映画 Limbo を見た。Ben Sharrock『リンボ』

スコットランドの荒涼とした島で辛抱強く時を待つ難民申請中の人びと。 ――という興味深い枠組みだが、演出が苦手すぎてあんまり頭に入ってこなかった。どんな演出かというと、20年ほど前に新宿・中野・下北で過剰に賞賛されていた不条理劇みたいな構成と空気…

映画 Street Gang: How We Got To Sesame Street を見た。『ストリートギャング』私のセサミストリート

ついに!映画館が戻ってきたYO! 去年Straight Upを見て以来なので、実に14か月ぶり。 よくぞ持ちこたえてくれた。 ここ以外の行きつけ2館はつぶれてしまった...そして、本作は映画館復帰作としてぴったりだった。 私よりももっとセサミになじんできたであろ…