福音(ゴスペル)のナラティブを触媒にほとばしるシスターフッド讃歌。
原作のわりと大きなエピソードは省いても、主要人物のそれぞれの信仰の言説をしっかりすくってあるのが好き。
神に近づいて若返る、というのは新約のメインテーマのひとつだし。
数々のDVのシーンで、こないだ日本を旅行したとき、某観光地で年配の男性が女性の連れをしつこく罵倒していたのを思い出してしまった。
よくSNSなどで、アクティブ・バイスタンダーになろう、公共の場でその手の暴力をふるっている他人に介入しよう(Is everything okay?と声をかけるなど)と呼びかけられていて、そうだ、見て見ぬふりしないぞ!とか思っていたのに何もできなかった。こっちまで固まってしまって。
男性に対してはもちろん、言われるままになっている女性にも腹が立った。すみません。逃げない人には逃げない人の事情があるのはわかってるつもり。でも、DV相談窓口とかシェルターの存在を、そして何より、I diserve moreと知っててほしい。
原作者のアリス・ウォーカーはTERFなコメントをしているのが個人的に残念。
イスラエルBDS運動、パレスチナ支持のアクティビストでもある。
スピルバーグがメガホンを取ったのは80年代だったが、彼が本作にも製作でかかわっているのは忸怩たるものがあるんじゃないだろうか。そんなん言うてたら米国で大作にかかわれないとはいえ。
平日マチネ、14ドルで鑑賞。
トレーラー。豪華すぎるアーティスト陣によるサウンドとダンスにめまいが。