5年ほど前の話。
ルークの友人ジョンは歩くことができず、ずっと車いすを利用している。
彼もまじえて4人でサンフランシスコに1泊旅行に出かけた。
週末のダウンタウンは混んでいた。
しかし、歩けないジョンが許可証を持っているため、私たちはパブリックパーキングの一番いい場所にすぐ停めることができた。
米国のDisabled Person Parkingの確保要件は厳しく、許可証を持たない人の駐車が違反であるのはもちろん、ちょっとはみ出して停めてしまっただけでも$200~の罰金が科される。
レオタードのお姉さんがサーブしてくれるウイングレストランに出かけたら、明らかに他のどのテーブルよりもお姉さんたちがチヤホヤしてくれた。
ジョンは大胆にも「一緒に写真撮ってくれない?」とキュートなお姉さんを指名した。
みんなでアメリカンスマイルの写真をたくさん撮った。
夜、通りで一番人気のバーに繰り出すと、1ブロックにわたって行列ができていた。
私たちが並ぶと、レセプショニストが「ちょうど広い席が空いたから」と列をとばして先に入れてくれた。
(これは車いすで利用できる席の問題で、空いてなければ普通に待ったと思う)
バーで飲みまくっているうちにジョンは眠ってしまった。
ルークが「いいよな、車いすはー。帰りも寝たまま連れて帰ってもらえて」と言って笑った。
どんなに混雑している駐車場でもスッとベストスポットに停めるたび、
ルークとジョンが「だから君を誘ったんだよ~」「Anytime, you guys owe me」とふざけ合っているのを見て初めはぎょっとした。
「冗談でもそんなこと言っていいの?」って。
でも帰る頃にはむしろそれが心地よくなった。
2日間、普段は何にパッションを感じているのか、それだけをたくさん話した。
今は仕事仲間のひとりである。
込んでる人気スポットに行くときは飯つきで誘ってみる笑
そして彼の言ったとおり、I owe youと思ってる。
私が全然見えていなかったことに気づかせてくれてありがとう、と。
でも、映画館に行ったとき、そのシアターの車いすゾーンの位置が気に入らなければ私は一緒に座らない。分かれて好きな席で見る。
後で合流していくらでも話せるのだから。
今週ようやく私たちの行きつけの映画館が再開する。この映画館は小ぶりなので、後部の入口入ってすぐの車いすゾーンが一番良い席なのだ。
オンラインでできる支援はわずかだったけど、よく持ちこたえてくれた。楽しみだ。