英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画『あのこは貴族』を家で見た。心強いシスターフッド

北村紗衣氏が面白かったと言っていたので、小説→映画を一気にさらう。
ワクチン2nd doseの後は具合悪くなった、1日寝込んだ、と言う知人が多かったので、ビビッて予備日にしていた今日、ひたすら水分を摂りながら見る。おかげで一切変調なしで24時間過ぎた。

小説も楽しかったけど、映画ははるかに良かった。
励まされるシスターフッド。私も一緒に「反対車線のあの子たち」に手を振りたい気持ちになった。
それこそ学生時代を過ごした東京に郷愁みたいなものを感じたのは初めてかもしれない。

止められない止まらない五輪に突っ込んでいくコロナ禍の中、「彼女たち」はどうしているのだろう、と考えた。

この映画の青木家がそうだけど、「あの方はお育ちが...」みたいなこと口に出して言う人は「貴族」じゃないよね。そもそも下品。
私は小室さんとメーガン・マークルに対して、「貴族」と「貴族」じゃないのに貴族側に立ってる庶民たちがキーーーーーってなってるのを愉快愉快と思ってる。
2人を超応援してる。メーガンはアンチの苛立ちをしぶとくお金に換えていくだろうし、小室さんは眞子内親王よりもずっと余裕を感じてると思う。NY楽しいしね。

そもそも人種差別主義者、女性蔑視者を大量に抱えたファミリーは全然ノーブルじゃないでしょう。高嶺こいてるんじゃねえわ。

イギリスは、ダイアナ妃の輿入れ以前からの不倫相手だったカミラ夫人が今では王室に入っているという事実に今でもアングリする。
あれを自分に許容できるのが貴族というものなのだ。
母親を愛していた子息としては、父親と義母を他人と思わないとやってけないと思う。
ウィリアム王子すごいよ...。

加勢してる庶民も理解できないんだけど、税金の使い道の不満とか?
だったら天皇制や王室に反対するほうが筋が通ってるんでは?

フィンガーボウルの水を間違って飲んでしまった庶民に恥をかかせないよう相伴する女王、みたいな本物の貴人って今もどこかに存在しているのだろうか。


この本、暴れる王室がめっちゃいい気味よ。アンジェリーノとしてもメーガンラブ。

トレーラー。

映画 Final Account を見た。第三帝国にかかわった市井の人びとの『ファイナル・アカウント』

英語字幕で鑑賞。
perpetratorという言葉を覚えることになる。
法的、社会的に「戦犯」と定義されないにしても、ホロコーストにかかわってしまった一般人enablersの最後の証言を集めたドキュメンタリー。
何人か否認者も出てくるので、閲覧注意である。

作品の枠組みの中では特筆すべき発見はなかった。
実際に自分がかかわったこととしてめっちゃ内省してる感じの人は出てこず、どちらかというと言い訳する人ばかり。
まるで自分を見ているようで苦痛...。

政治家の態度に対してもよく思うことだが、こういう良くも悪くも柔軟な、思いつめない性格だから長生きするんだろうな、と思う。
少なくともLuke Holland監督が300以上の一般人加害者のインタビューを撮り、その記録が残ったのはよかった。

そして、ずっと戦争犯罪に対する日本の非道な対応を重ね合わせて見ていた。
最後のメルケル首相の言明のように、真摯に過ちを認め、「忘れません、二度と繰り返しません」と約束できないのはなぜなのか。
その一言が聞けなくて苦しんでいる人がもう残り少ないのに。
ファイナル・アカウントが聞けるうちに頼みます。

そして、同じようにナチスに誘われたり脅されたりしながら頑として与せず、被差別者を助ける側に回った人たちのことも覚えたい。こちらは良心に反して権力におもねった人たちと比べて後ろ暗くない分、証言が残りやすそうに思えるが、そのために命を落とした人もいるし、「私がしたのは当然のこと。英雄扱いは困る」と口を開こうとしない人もいた。その一人がフランク一家らの隠れ家生活を支援したミープ・ヒースさん。ジャーナリストや歴史家に説き伏せられたのは本意ではなかったかもしれないが、アカウントを残してくれたことに感謝している。

トレーラー。

十分の一献金で祝福されているご家庭の事例(シリーズ献金 その18)

5/18/2021付けのNY Timesの特集。
WHAT WE SPENT IN A MONTH - Six American families open their doors — and their wallets — to show us how much life costs.

毎日息するだけでどんだけお金かかんねん、という恐ろしい記事なのだが、その中で什一献金をしている家庭が富んでいるのを見て少し嬉しかった。
「細かい計算はしない派」なのは私もブリタニーさんと同じ。仲間~。

ブリタニー: 教会への什一献金($1,200)は私にとってごく当たり前のこと。両親が捧げているのを見てきたからです。基本的に、お金は自分のものではない、という考え方です。私たちの経済は神様の祝福でしょ? きっちり収入の10パーセントを計上しているわけではなく、だいたいの金額を捧げることにしています。収入が毎月変動するからです。夫はクリスチャン家庭の育ちではないので、分かってもらうのはちょっと大変でした。(拙訳)

「記事中の6家族の中で献金をしている家庭がそうでない家庭よりも富んでいる」と言いたいところだが、そこはアメリカ。
サンプルが少ないのはもちろんだが、住んでいる地域や家族構成や人種(大きな変数です)がバラバラでさすがに比較はできない。

が、少なくとも、子どもの頃から献金をする親の背中を見て育ったブリタニーさんはもちろん、彼女の家族もブリタニー親にめっちゃ感謝していいと思うのです。

バイデン政権のもと、向こう4年間は全米の8割の家庭に毎月子ども1人あたり$250-300が支給される予定です。
(上述の什一献金家庭は金持ちなので対象外かもしれない)

せめて、せめて子どもに腹いっぱい食わせられる社会になろう。
これって国として最優先・最低限の任務だと思うんだけど、そう考えない「先進国」が存在するようなので(泣)

ひとつだけ具体的に言うと、食料品に消費税をかける社会は異常だと思う。
日本にいたときは何も考えずに払っていたが、食料品に税はかからず、お金に困ればフードスタンプがもらえ、最悪、徒歩圏内の複数のフードストレージに常にアクセスできるところで暮らしていると、その非道さに驚く。

しかもその消費税、約束どおりに使われてないんでしょう? ため息しか出ない。

映画 There Is No Evil を家で見た。金熊賞受賞作 モハマッド・ラスロフ『悪は存在せず』

エピソードIが良すぎて、あとの3つは印象が薄いどころか蛇足にすら感じた。

説明するのが難しいのだが、エピソードIVの医学生と医師の車中のトークを見ていて、不条理に満ちたコンテキストの中にいてこの会話の内容を自分が分かるのはなぜだ...という不思議の念に打たれた。

米国の死刑廃止への舵きりは加速している。

日本もさぁ...やばすぎるよね、そもそも基本的人権の理解がベースにないところが。

ただ、私が知っているどちらの世界もこの映画の世界からはるかに遠く離れているわけではない。
見て「理性で解する」ことができてしまう程度のギャップなのだ。

日本でも昨秋プレミアが行われた由。
ところで、東京国際映画祭の略称TIFFはいい加減なんとかしたほうがいいよね。
いつまでたってもトロントと間違われるだけ。
別に出品作に箔がつくハブにならなくてよし、広告代理店がもうかればよし、という意図ならしかたないが。

トレーラー。

映画 Limbo を見た。Ben Sharrock『リンボ』

スコットランドの荒涼とした島で辛抱強く時を待つ難民申請中の人びと。
――という興味深い枠組みだが、演出が苦手すぎてあんまり頭に入ってこなかった。

どんな演出かというと、20年ほど前に新宿・中野・下北で過剰に賞賛されていた不条理劇みたいな構成と空気感。
「独特の間がよいのだ」などと聞いて見に行くと5分で後悔するという...。
良い意味で裏切られたことはただの1度もなく、あとはひたすら2時間あまりを耐えるのだ。

この100分の映画も私にとっては体感3時間。

とはいえ、すごく笑っている人もいたし(ブリティッシュコメディです)、多くの人の心を引っかくといいとは思うけれど。
日本も含め、世界的な問題であるだけに。

ネオンカラーに光るマスクをしている観客がいた。
パーリー感が増す以外にどのような効用があるのかは分からない。
隣りに座られたらスマホチェックされるのと同じくらい気が散ると思うので、座席が1列1組に限られている今だけの楽しみ?

トレーラー。