Wokeの時代の風刺激。
俳優をコマのように配置するこの監督の作風は好きではない。
宮沢章夫の舞台を思い出す。
でも本作は、同じマスゲーム的演出でもまあまあ面白かった。
たぶん、私にとっては俳優が楽しそうに演じているように見えることがポイントなのだと思う。
舞台裏で「おまえは意味なんか分からんでいい、ただ物語ればいいんだ」と開き直っているのも興味深い。
この監督の下ではそういう悩みを持つ俳優もいるだろうな...と邪推させる。
トム・ハンクスとウィレム・デフォーは監督の綿密な下書きから逸脱してトーンをずらしているように見えたが、それも計算内か、あるいはこの2人のパフォーマンスをより多く見ている私の側のフィルターか。
プロダクションデザイン、シネマトグラフィは言うまでもなくリッチ。
カラーシーンに入っていくときは、美術館を歩き回っていて、このセクション好きかも!と喜びが喚起される瞬間に似ている。
中でも、格子の日よけの下での昼食会、マティーニマシンのシーンの絵はハッとするほどよかった。
スパゲッティ・ウェスタンの伝統を汲んでスペインで撮影されたと聞いてちょっと感動してる。
あの色はアメリカ大陸では出せないのか。
パンデミック中に閉館したシアター2館がそれぞれ新オーナーのもとでリニューアルオープンし、うちから歩いて10分の映画館が再び3ヶ所になった。
で、今日は直前に用があり、行こうと思っていたシアターの上映時間に間に合わなそうだったので、20分後上映の別のシアターに行った。チケットは7ドル。
コロナ前の環境に戻って改めて、豊かすぎる、と思った。
トレーラー。