佳い時間だった。
この一家は家族をやることに対して力が抜けてていいなー。
上映前に『Book Club』の続編の予告が流れて、高齢女性4人が妙に口角の上がったパンパンの顔でイタリアに繰り出してキャッキャするのを見た後だったので、どちらも虚像なのは分かった上で、ハリウッド俳優よりもパリジャンの年のとり方のほうがいい...と思わずにはいられなかった。
途中まで娘に負担をかけるオヤジにムカついたが、だんだんこちらも「もしかして」と希望を持ってしまうのが心憎い。
スイスのパーキングエリア(絶景)のシーンのひねり、品がよくて素晴らしかった。
安楽死も全然簡単ではない、っていうか金持ちにしか選べないことが描かれていて興味深かった。
すごく危険なのだが、30年以上前も、今の日本でスニーキーにふりまかれているような姥捨て議論があった。憤慨した高齢者の「そんなに死んでほしいなら、死に方を教えてください」という投書を朝日新聞で読み、「そういうとこだよ」と思ってしまった自分を忘れられない。言い回しなのはわかっているけど、死ぬのまで人任せなんかい、と。
ソフィー・マルソー、Being comfortable in her own skinそのもので快い。素敵。
トレーラー。