英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

マタイ効果 (シリーズ献金 その21)

直接献金は関係ないのだが、

おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。(マタイ25:29)

を地でいきすぎで、問題に感じたことがあったのでメモしておく。

先日5年ぶりくらいに新しいクレジットカードを作った。
普段一番使っているカードの銀行から、キャッシュバックの率がよく、3カ月以内に$500使えば$200くれるというオファーがきて、何も失うものがないので乗ったのだ。

$500なぞ、通常の生活費で簡単に到達する。
そして1ヵ月たたないうちにほんとに$200が振り込まれた。

これってどうなのか。

この$200がどこから来ているかといえば、カードで借金をしている人が払った利子である。
私はカードを使ったら耳を揃えて期限までに返しているので利子はゼロだし、クレジットスコアも高くなって、こういう有利なカードのオファーが来る。

私も利子を払う側だった時代がある。
2017年まではカードの借金があって、毎月ついていた利子を記録していた。
今、完済後5年たって、毎月キャッシュバックでもらっている額の総額がようやく過去に払った利子の総額を超えたところだ。

ごくミクロのしょぼい話ではあるが、それでも「持っているものまでも取り上げられ」た時を経て「持っている人は与えられて、いよいよ豊かになる」側になってみて、このカード商売のシステムが良いとは決して思えない。
こんなに簡単に$200がもらえるの、おかしいもの。

<3/2023追記>
NYTに、まさに持たざる者から持つ者に富が流れるクレジットカードのリワードの構造を説明したオピニオンが出ていた。
金持ちに与えられるリワードの原資はカードで借金をした人のみならず、手数料として全商品に上乗せされ、比較的カードを使わない低収入層の負担ばかりが膨らむという恐ろしい話。
The Dirty Little Secret of Credit Card Rewards Programs