英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Mary Poppins Returns を見た。エミリー・ブラントの(強調) 『メリー・ポピンズ リターンズ』

これは、見るに堪えない。。。
まさに、Comes Back(原作小説のタイトル)ではなく、「リターンズ」。

全編通して主役のメリーさんの扱いが雑。

小ネタと1作目の燃えカスのつぎはぎ。
メリー・ポピンズの枠組みを借りる必要ゼロの物語構成。
だってペーソスが全然ないんだもん。
1作目は、もちろん小説とは別ものでも、ピリッとした切なさはありましたから。

ミュージカルとしてもimpressiveな楽曲、ダンスは皆無。
衣装もあんまり良くなかった。華美に過ぎた。

エミリー・ブラントは嫌味はないんだけど、これもやっぱり彼女でなくてもいいですね。

未だに「主役大抜擢」で本当の意味で観客を納得させ、成功したのって、オードリー・ヘプバーン(『ローマの休日』)とジュリア・ロバーツ(『プリティ・ウーマン』だけだと思う。キャストクレジットで新人より後に名前が出るのやだ、とゴネてた相手役が会ったとたんに「やっぱ彼女が一番上で」と即座に認めるレベルの華ね。
いかん、そろそろ30年もスパンが空いてしまう。

ビッグベンの時間戻しは、「最初からお前が行けよ」の声多数だと思いますが、あそこは唯一メリーらしさが出ていたところだと言っておこう。
キャッシュバックの利益は最初にお金を出さない限り得られないように、みんながはじめからメリーに頼らず、信仰持って行動したから奇跡が起きたのです。

近隣の子どもたちは早々風呂のシーンあたりからグズるか寝るかしていたが、最後には一応半分くらいの席から拍手が。
たぶん、ファイナルのロンドンの風景が圧巻だったからだと思う。
ほら、古い街並みってそれだけで胸にせまるところあるじゃない。

意外と改訳の出ていないメリー・ポピンズ、昔読んだ林容吉先生の訳、原画のままでKindle版が出ていました。感激です。
映画から先に入った人はだいたい衝撃を受けます。
私もその1人でしたが、誰に対しても迎合せず、環境を支配している彼女は実に魅力的なんですよね。

この物語の英語はわりと手ごわいと思う。まあ、ハリー・ポッターも実は難易度高いし。。。
お子様をお子様扱いしない手加減のなさが英国ファンタジーの良さ。ガリガリかじりついていきましょう。

トレーラー。メリーの姿を出さないティーザーはとてもワクワクしたのですが。