英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Blaze (2018) を見た。イーサン・ホーク監督『ブレイズ』

カントリー歌手、ブレイズ・フォーリーの淡色の生涯を、全編under influence of alcoholでお送りする。

やっぱり私は酒やめてよかった。
私は現大統領にせめてまともな言葉を喋ってくれと毎日祈っているけど、彼が「一切飲まない。兄がアル中で死んだから」ということを思い出すたび、すごく切ない気持ちになるんだよね...

そして、この映画のブレイズの生き方、死に方の物語も私が一番苦手なやつ。
同じく切なくやるせない感情に翻弄されるから。死に際の言葉も悲しすぎるじゃないですか。

イーサン・ホーク監督の手腕は素晴らしかったと思います。
ポストカードのような絵の数々を堪能した。

そして、お連れ合いがユダヤ教徒ということもあって、信仰についての対話はなかなか面白かった。

肝心の歌にはあまり心動かされなかったかな。
でも、ギターが体の一部になってる人ってうらやましいなー、と思える映像だった。
くだらない言葉を吐くくらいなら、さらりとアルペジオを紡ぎ出せるほうがいい。

アメリカ人に「カントリーミュージックが好き」と言って、「なぜか日本人ってカントリー好きなんだよね」と呆れた顔で返されたことがあります。彼にとっては「前川清が好き」と言われたようなものか。

カントリー好きな奴は共和党、プロガンというステロタイプがあります。
実際、ちょっとね、という発言をしているカントリー歌手もいなくはありません。
でも、私が大好きなカントリーグループのDixie Chicksが斉唱する国歌を聞くたび、本当のペイトリオットとは?と考え込むのです。
このスーパーボウル直後のロンドンツアーで、ナタリーは子ブッシュのイラク侵攻に言及して「うっとこの大統領はホンマ恥ずかしーわ!」と発言。まだテロの傷が真新しかったアメリカで大バッシングを受けました。
Dixie Chicks - National Anthem - The Super Bowl XXXVII

(追記 8/21/2020)
BLMのムーブメントを受けて、前から考えていたというThe Chicksとして生まれ変わった彼女たち。
民主党大会で再びアンセムを披露。

トレーラー。

(追記 10/25/2018)
既に旧聞に属しますが、テイラー・スウィフトが選挙行こうぜと呼びかけてくれたのはよかった。
ナッシュヴィルの街をなつかしむ私には、彼女が"These are not MY Tennessee values"という言葉を選んでくれたのも嬉しかった。

実は今日は、ふと耳にしたラジオ批評番組で賞賛されていたKusama - Infinityを見るつもりが、たった1週間の上映で終わってしまっていたのである。まー縁があればどこかで見られるだろう。