久しぶりに映画見たいなーと思い、一番レーティングが高かった本作へ。
ジュリアン・ムーアの作品を映画館で見たのは初めて。
「夫」のボールドウィン、It's complicatedのダメ夫役がダブって鑑賞の妨げとなるなど。
知性に誇りをもつドクターが、その最も替えがたいものを失うときとは。
とはいえ大した修羅場はなく、アリスは早い段階で病を受け入れており、キレイなシーンしか描かれていない。(アリスが粗相してしまうシーンもあるが、ヤワなもんである)
でも、闘病体験をレクチャーするとか、さわやかな自虐ギャグを繰り出すとか、病気を「つかう」とか、インテリ一家はこうやって試練に対峙するのか、と思わせる説得力がある。
「ガンならまだ闘えるのに」という言葉が自分のものとして理解できた。
ラストシーンは奇をてらわない、静かな映画にありがちなもの。
が、アートワークが洒落ていて、蓮っ葉な娘役のクリステン・スチュワートがうまいので、なんかセンスいい印象が残る。
それにしてもクリステンて何で80年代臭がするんだろうね。
佳作だけど、年末にあえて役者ありきの小品を封切るのはやっぱり賞狙いなわけで、ちょっと興ざめなのよね。
日本で公開されるかは不明だが、原作"Still Alice"の日本語訳が出ている。
物語はフィクションだが、アルツハイマー患者に実際に取材して書かれたという。
単なる闘病記とは違うのは、サスペンス的な面白さもありページをめくる手が止まらなくなるところ。
うーん、邦題は『静かなアリス』かあ...
あえてのタイトルだろうけど、わかってやってるわけではない誤訳だと思われそう。
やっぱり「今もなお、それでもなおアリス」「アリスは変わらない」のニュアンスのほうが欲しい。
映画は『アリスのままで』とかどう??
せっかくジュリアンの賞レースで話題になっているのに、日本語版は絶版中って...
日本公開前に再版したとしても、今興味もった人が戻ってくるとは限らない。
なんという機会ロス。
だからせめて電書を出しとけとひとしきり。
<追記、やっと邦訳、タイトル改め再版〜>
読みやすい英語で、サスペンス要素もあるので、原書でもめくるめく読書体験が味わえるはず。
「洋書ベスト500」の渡辺氏が著者の素敵なエピソードを紹介されています。
自費出版からニューヨークタイムズ紙ベストセラー作家へ−Still Alice
<12.23.14 追記>
「アリスのままで」というキーワードでいらした方がいたので調べたら、日本公開のサイトができていて、実際に邦題は「アリスのままで」だった。。。
「もしかして、あの流行もんの歌にかけて悦に入ってるわけじゃないでしょうね?」という、本気なのか1周まわってギャグなのかせめぎ合いを生むタイトルだと思うので、チャレンジャーですねという感じです。
少なくとも『静かなアリス』よりずっとキャッチーだし、作品の内容に合ってます。
公開は半年先のようですが。
トレーラー。