英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

下着の上下は揃ってなくてもいいのか(プライムコンテンツを見て)

限定映画を見たくてひと月だけAmazon プライム・ビデオのメンバーになったので、期限切れまでにせっせとドラマなど見た。

そこで、2度続けて女性の上下の下着が揃ってないシーンに出会った。
『Modern Love モダン・ラブ』『The Affair アフェア 情事の行方』である。

どちらもデートの場面でのこと。
だから、「女性は普段から上下揃えて着ているとは限らない」ことの表現ではない。
後者は近所にファッショナブルなストアがない小さな町の人、とも言えるけど、ネットで買えるしな。

今は上下下着が揃っていないのはOK、あるいはオサレということになっているのだろうか。

他には『Homecoming ホームカミング』のシーズン 1(ジュリア・ロバーツのシリーズ)は結構よかった。
最後の再会シーンが素敵だったし、西への出発前にシシー・スペイセクとお茶を飲むカットが印象的だった。

『Fleabag フリーバッグ』は期待したほどではなかったものの、早くイギリスに行きたくなった。

『The Wilds ザ・ワイルズ 孤島に残された少女たち』も飽きずに見られたけど、最終話のクリフハンガーがあまりにもスケベ心むき出しで興ざめ。もともと、最初にケツが決まっておらず視聴者の反応みて話を変えていくタイプの長期シリーズが好きではないのだが、特にこのラストでは次シーズンにワクワクしない。
ところで乗客だけが全員そっくり打ち上げられた時点でまずおかしいと気づくよね...。最初に予定外に1人を葬ることになってしまったのが目くらましになったのか。

数話で脱落したのは、『The Marvelous Mrs. Maisel マーベラス・ミセス・メイゼル』、『Forever』、『Flack』。

こうして見ると、フリーバッグとメイゼル以外、見事にググラビリティの低い英語タイトルばかり!

モダン・ラブの一番の名シーン。ラブ。






映画 One Night in Miami を家で見た。レジーナ・キング監督『あの夜、マイアミで』

面白かった。
思ったより4人の会話シーンはあっさりしていた。
ぜひ原作である舞台版を見たい。

前大統領に心酔している(利用している?)非白人たちの謎を思った。
People of colorとしては「前大統領以外ならネコでもいい」一択のはずなのだが。
それからBLMムーブメントを背景や事実、自分たちも当事者であることを無視し、暴力的な異物だと決めつけている日本政府とそのしもじも。
(在留邦人向けの政府の通知を見ればその偏見と事実誤認は歴然としている)
10日前に政権がやっと変わって安堵しているが、休む暇はない。
民主主義は毎日プラクティスしていかなければならない。

あの夜、マイアミで

あの夜、マイアミで

  • キングズリー・ベン=アディル、イーライ・ゴリー、オルディス・ホッジ、レスリー・オドム・Jr
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本作のマルコムX(キングズレー・ベン=アディル)は目元が優しくて切ない。
デンゼル・ワシントン演じる演説シーンを見返したくなること必至(私は見返した)。

マルコムX [DVD]

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  • デンゼル・ワシントン
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トレーラー。

映画 I'm Your Woman を家で見た。『アイム・ユア・ウーマン』

Shirley と似た感想をもった。
ネオノワールだかなんだか知らないが、ネットとスマホのない世界にするために70年代設定のあしらいにするの、金かかって大変やなぁ...って。

それから、男性のマッチョイキリの犠牲になるのはやっぱり女性やねんな(怒)
女性よりも男性のほうが数学ができるとか、指導者に向いてるとかは一切根拠がない。
でも破壊行為に訴えるのは有意に男性。

私は議事堂襲撃の最中に命を落としたサンディエゴの女性を心から気の毒に思っている。
陰謀論に仕え、扇動に応じてわざわざ大陸を横断して駆けつけ、襲撃者としてはただ1人、他にアホみたいな野郎は大量にいたのに彼女だけが警備の銃弾に倒れ、心酔していた親玉(男)からは追悼の言葉ひとつかけてもらえない...。

喧嘩から戦争にいたるまで、男は暴力をいい加減にやめてくれ。やめる努力をしてくれ。

MVPはハリーくん(赤さん)。
キャスト表を見る限り、Additional Harryのクレジットがあってダブルならぬ3人1役のよう。
うち、2人は双子かな?

アイム・ユア・ウーマン

アイム・ユア・ウーマン

  • レイチェル・ブロズナハン
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トレーラー。

映画 Some Kind of Heaven を家で見た。フロリダ is『サム・カインド・オブ・ヘブン』

ディズニーランドで暮らす、とはどういうことか。
フロリダの「天国」、リタイアメントコミュニティでゆっくりと燃える人生を追いかける。
おそらく、現共和党政権の支持基盤の一角を担ったコミュニティ。
そしてたぶん、昨年はここの居住者の多くがほんとの天国に行かれたのではないかと...。

バーバラさん、ひと部屋に6つも(もっとあるかも)カレンダーをかけていて、気になった。
たくさんもらって、どれも捨てられなくなってしまったのだろうか。
いつもホームのボストンを夢みているという人。
ニューイングランドとは環境が違いすぎるよねぇ…。

「カリスマ」的なメガ礼拝はもちろん、マリッジカウンセリング、路頭に迷ったときに祈ってもらうなど、十字架がフリーダムに使い回されているさま。
キリスト教をよく知らない人にとってはイミフだと思うのだが、人権に目をつぶってトラをかたくなに支持するのも、たとえば「イエスが性的マイノリティを排除するわけないだろ」と考えるリベラルも一応、同じ書物の言葉を信じてるんですよ。
好きなとこだけ読みたいようにつまみ食いしてる、と言われてもしかたないのは分かります。

私は先日の選挙ではとにかく、「みこころのとおりになるように」とだけ祈った。
それはかなえられたはずである。
アクティング講座に通い始めたバーバラさんの最後の一人芝居にその答えがあった。(シンプルで良いパフォーマンスだった)
だから、いまだに事実から目を背けている牧師にはいい加減諦めて、自分が神を利用したためにコケたのだと反省してほしい。

湿度と、隣接している国と海洋が違う以外は同じビーチ~パームトゥリ~な環境、フロリダとカリフォルニアのカルチャーの差にも興味が尽きない。

アマゾンのレンタルのほうが1ドル安かったけど、ちゃんと映画館プラットフォームで見たよ~。

Some Kind of Heaven [DVD]

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  • The Villages residents
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トレーラー。

映画 Herself (2020) を家で見た。フィリダ・ロイド監督『サンドラの小さな家』

アイルランドさあ、暴力夫が子どもに面会できるの? なんで???
法廷で判事が被害者に対して「(DV夫から)何故もっと早く逃げなかったのか」とか聞くわけ? ほんとに???
一方で避難した女性と子どものシェルターはホテル宿泊を続けられる程度に保証されていてなんだかチグハグ。

ろくな伏線なくいきなりええこと言い出した人が何人かいてちょっと戸惑う。
特に地主のドクターは途中から別人になっていった。
それから、音楽がひどすぎ。音楽のせい(選曲、オンとオフのタイミング、音量)で白けた箇所複数あり。

よかったのは、
This is what the volunteer work looks like.
が描かれていたこと。

サンドラの家づくりに昨日までは知らなかった人も含めて大勢が集まる。
ひとりひとり、楽しそうに自分のできることに力を尽くす。
楽しみすぎて「真面目にやれ」と親方に怒られたりもするが、それですねて辞めたりしない。
家が仕上がった暁にはゆるいつながりの素敵なファミリーになっている。
手伝ってくれないか?と言ってもらえるのは新しいコミュニティへのいざないであって、とても嬉しいことなのよね。

同時に、クラファンでは「結果が可視化されるプロジェクトのほうが資金が集まりやすい」というのも納得だ。
自分が手を貸すことで、子どもたちが安心して暮らせる家ができるんだもの、tangibleでいいよねぇ。

学生の頃、意識高い人々に囲まれて海外ボランティアに興味を持った。
そこで参加したあるNGOのワークショップで「現地で求められているような専門性もない若者が行くことにどんな意味があるのか、奉仕活動をしたけりゃ身近にいくらでも問題はあるのに、海外まで出かけるのは自己満足にすぎないのでは」というよくある問いについて話し合った。
いろいろな声が上がったが、印象に残ったのは、あるアクティビストの「社会を良くするファクターのひとつは人と人とのつながり。ボランティアはどんな人であれ、そのつながりを広げたり、濃くしたりする因子だから1人でも多く関わったほうがその場に利をもたらす可能性が高まる」という意見だった。

(但し、日本のパソナが召集するところの「ボランティア」には要注意。五輪とかね。つながりはできなくはないだろうけど、構造的には搾取に加担することになります)

「お仕事物語」として楽しめるくらい、家づくりの粋をもう少し説明してもよかったかも。
わずか2人で小屋を建てていた『大草原の小さな家』の大人たちのすごさを実感する。

今回、本作を見るために初めてプライムビデオに入った。
DVD郵送レンタル業だった黎明期のネトフリを2か月で退会して以来、こもり期の昨年さえ全く手を出さなかった映像コンテンツのサブスク。
Modern Loveはじめ、気になっていた独占タイトルを1か月で全部さらうぞー。

1/13追記、こんな記事が...。
アイルランド母子施設で子ども9000人死亡、国が公式謝罪
愛蘭土に勝手にのんびりしたイメージを持っていた(「汽車にのってアイルランドのような田舎へ行こう」と連呼する合唱曲があってだな)が、意外なところでカトリック国は闇深し。

トレーラー。