英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Little Mermaid (2023) を見た。ハリー・ベイリー is『リトル・マーメイド』

ションダランド的ユートピアが舞台の人魚姫。

ハリー・ベイリーのPart of Your Worldはとてつもなく素晴らしかった。
ハワード・アシュマンは、当時まだ生まれてもいないベイリーの声を通して自分の言葉が受肉することを知っていたんじゃないかと思うほど。
That's meant to be. Bravo.

ディズニー100周年、どうにかこの地点まで進化を遂げたのは、大勢の名もなき勇者が絶対に自分の声を諦めなかったからだ。

アニメは、入れ替え制ではない映画館で確か2日間粘った。混雑のため通路の階段に腰掛けて見たことも。今なら防災上許されないだろう。同時上映の『101匹わんちゃん』が超長いオープニングアクトみたいで苦痛だったものだ。

そして私が初めて買ったCDが『リトル・マーメイド』のサントラだった。
3ヶ月分のこづかいを貯め、何度もチェックしていたCD店に行ったら在庫がなく取り寄せ(!)になり、さらに2週間待って、ついについに手に入れた宝物だった。
それはアメリカへの憧れをかき立てるだけでなく、生きた仮定法を教えてくれた(Part of Your WorldとUnder the Seaを繰り返し歌って覚えると英語学習にブーストがかかる。モノローグの中に使える構文が凝縮されている)。

不思議なことにトリトンに感情移入してしまうところは30年前と変わらないんだよな。

【6/11追記】
開いてるのか不安になるSan Bernardinoの映画館で2度目鑑賞。
1度目は脳の怠惰のために戸惑ってしまったエリックの人となりと新しい歌の部分をさらに楽しめた。
大好きなシモーヌ・アシュリーはチョイ役シスターズの中でもほんっとに写ってないことも再確認...。
子どもたちの拍手が熱かった。
【6/29追記】
3回目行ったー。2回劇場で見た作品は結構あるけど、3回は『千と千尋』(日本で2回、米国で1回)以来だ。
July 4th weekend前の今日で終演する劇場が多いけど、まだまだロングランしそうなのでキケン。

今回思ったのは、権力側も真面目に契約に縛られる物語って聖書のアイデアだよなーということ。
アースラはいろいろハックはするが(この話でいえばアリエルの記憶を奪っとくとか)3日の約束を破ることはしない。いやそこ自分がかけた魔法なんだから2日目ヤバくなった時点で破棄すりゃいいのでは...と思うけどそれだけはしない。というか、できないのか。
眠り姫でも白雪姫でもラプンツェルでも、ヴィランはちゃんと自分が言い出した取引条件を守る。
アースラもその意味では聖書が言うところの「真実な方」なのだ。
自分が民と結んだ契約を破れないがために愛息子を十字架につけるウルトラCに走った神を思う。

これよこれこれ。「割引券入」が懐かしすぎる。輸入盤じゃなくて(そんなものは田舎にはなかった)ポニーキャニオンが出した英語歌版ね。

いつまでも見ていたくなるキラキラしたふたり。Yourselfを即座に当てるところに仲良しぶりが出てます。

オールスター。音楽はアラン・メンケンの続投+『ハミルトン』のリン=マニュエル・ミランダで胸熱すぎる。