英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

クールジャパンとしてのオレオレ詐欺

もう10年以上前だが、親戚の女性が振り込め詐欺(当時は振込みだった)で100万円をとられた。

オレオレ黎明期は「痴漢の示談」「事故の示談」といったネタが多かったと記憶しているが、彼女は「事故」ネタだった。
実際のところ、当時の彼女とその夫は既に「オレオレ」の存在を報道で知っていたのだが、娘の安全をいつも心配していた彼女は、かわいそうに見事にだまされてしまった。また、そのときはまだつながった犯人の携帯電話番号を警察に伝えたが、警察からは「何もできない」と言われたという。
このことは、正月に集まったときに「同じ目にあわないように」と彼女の夫が話してくれた。

消費者と一緒に詐欺と闘っているYuriさんのTwitterでこの記事を知り、今なお進化を続けるオレオレに衝撃を受けた。
母親がオレオレ詐欺の被害者になりました。【経営コンサルタント】

また、日本はここと比べてかなり人や人の暮らしが均質に近いのだなと改めて思った。
「まともに言葉が通じる、親子とも同じ言葉を訛り無く話している可能性が高い」「少しは"現金"を融通できる親」「子どもを大事に思う親」「悪くない親子関係」「昼間に電話をとれる親」、それから「ちょっと歩いてゆける街中の待ち合わせ場所」←(これ、田舎で車だったら怖くて躊躇するのでは)
これだけ条件が揃うだけでも、アメリカじゃ難しい。
たとえ赤い州の小さな町であっても、オレオレはコストに合わないと思う。
それだけ人や暮らしが多様すぎる。

早速、上のリンクを母親に転送した。
まさに彼女も「私はだまされない」と思っているプライドの高い女性だが、一時期、結婚相談所からかかってくる営業電話を熱心に聞いていたのを知っている。
普通「向こうから持ちかけてくるものは信用しない、ましてやこっちの電話番号知ってる業者とかありえない」のが鉄則だし、実際そうしていると胸を張っていたが、やはり弱みは握られるものだ。