英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Saint Frances (2019) を家で見た。アレックス・トンプソン監督『セイント・フランシス』

ユニークでチャーミングな生理映画。よかった。

映画館が閉鎖した週に見ようと思っていた作品。配信を購入すれば、特定の映画館をサポートできるというので、家で見た。
配信購入ページはこちら。地域制限がないとよいのですが。
https://saintfrances.vhx.tv/products

物語の触媒になる他人親とのあつれきエピソード2つは少々陳腐だが、嫌味になるほどではない。
でもこの国で、公園での授乳を注意する人なんているかなぁ...。
個人的には、カバーはしていただきたいけれど。
なぜなら、残念ながらニヤニヤしながらガン見したりする輩がいるから。
どんな形であれ、そしてご本人が平気と言われたとしても、「女性」が消費されるのは悔しいので。
同じ意味で、子育て中の女性に「母乳?」と聞く人も無理。たとえその人も親だったとしても絶対に聞いてほしくない。

フラニーが最後に向かうキンダーガーデンのドアが子どもには重めのやつで、とてもリアルだった。
昔、私は自分でキンダーガーデンのドアを開けられなくて、いつも送ってくれた親に開けてもらっていた。
一度など、開けてもらったはずのドアが閉まってしまい、玄関でひっくり返って大泣きし、先生に「救助」された。
私は、親たちの乗った車が締め出された自分に気づかず走り去る非情なイメージを思い出しては涙が止まらなくなり、ずいぶん長い時間、揺り椅子の上で先生にだっこしてもらっていた。

しかし、子どもの成長は驚異的である。
1年もたたないうちに同じことが起こったとき、私は建物の外をぐるりと回り、学童の側のドアから入った。学童では朝食を配っていたので、先生に「ヨーグルトとアップルソースとどっちがいい?」と聞かれた。そのとき私はろくに英語が話せなかったが、「キンダーガーデン、キンダーガーデン」と言うと、「キンダーガーデンに行きたいのね?」と分かってもらい(たぶん)、キンダーまで廊下を走って行った。とりあえず外で誘拐されなくてよかった、学童が開いていてよかった、と今は思う。

そんな絵も重なって、ブリジットの「子離れ」の涙が分厚く胸に迫るのであった。

それから、産後うつの描写が怖すぎた。聖母マリアの使えなさには呆れた。だめじゃん、カトリック。

トレーラー。