英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Two Popes を見た。アンソニー・ホプキンス & ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』

楽しかった。言葉のワンダーランド、優れた役者が織りなす知恵に富んだ対話劇、地理や歴史、ある人物が信仰に至る経緯とそのかたち、バチカン業界モノ等々私の好きな要素がぎゅうづめ。
2人が別れてからが冗長なのと、お仕えする脇の人たちの描き方がやや大げさ(いい人たちだけど)であることをのぞけば最高。

ラテン語、イタリア語、スペイン語とラテン系言語が揃いぶみで、それぞれいかに似ているかを実感するのと同時に、地続きの国でフランス語だけがなぜあれほど発音が乖離したのか謎が深まる。

それから、なぜ観客は国民性ネタに大喜びするのか。
今回も一番ウケていたのは「ドイツではジョークは...」というやつですね。

カトリックは人間が崇拝の対象に立てている面で、聖書に照らし合わせて論理矛盾を抱えているし、プロテスタントの女性として個人的に絶対に共有できない教義がたくさんあるのだが、本作の2人を見ていたら、目に見えるリーダーがいるのもいいよね~、と思うのだった。
フランシスコが故郷で「引退しないで~」とすがられているのも良かったし。
彼も人間だということさえ忘れなければ...。
とりあえずバチカンは行きたい。

フランシスコが挙げた句を私も特に愛しています。

恐れるな。わたしはあなたとともにいる。
たじろぐな。わたしがあなたの神だから。
わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。
(イザヤ41:10)

そういえば、カバンに突っ込んだオレガノはどうなったんであろうな。

本作は12月20日、Netflixで全世界公開です。

トレーラー。

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