英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Lighthouse を見た。ロバート・エガースの『ライトハウス』

Depressed.
タテに細長い映画。怒声と凍えそうな画面がつらくて、早く終ってくれ〜とばかり思っていた。
弱っている人にはおすすめしません。

トレーラーを見て絶対に好きじゃないなコレと思ったが、ウィレム・デフォーが主演なので観に行く。
彼はゴッホのままのヒゲ面。

ライトハウス (字幕版)

ライトハウス (字幕版)

  • ウィレム・デフォー
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灯台守の仕事が分かるのは面白い。
海の中に閉じ込められ、灯を守る以外におさんどんもしなくちゃいけないわけで(料理はウィレム担当)なかなか大変です。

「閉所に長期間、数人で生活しなければならない」仕事について。
そういう仕事場はこの離島の灯台とか、南極観測基地とかいろいろあるでしょうが、絶対に外に出られない、1人の暴動が即刻全員の死を招くスペースシャトルはその最たるものでしょう。
当然、NASAはその状況に耐え得る人物を選定するのに莫大なお金をかけています。

数年前にTwitterで「外で温厚な良い人でも家の中で暴力暴言ふるってるヤツはわりといる」という話になったことがありました。
で、「いやー、さすがにそれは分かる人にはバレてるでしょう」という意見もあったんですけど、私は日本人宇宙飛行士の第一人者のことを思い出していました。
彼のお連れ合いが手記を出版していて、夫(宇宙飛行士)が自宅で勉強しているときはめちゃくちゃ気を遣ったというのです。
子どもがぐずると「泣かせるな!」と言われるので、もうお連れ合いはビクビクして子どもを外に連れ出し、落ち着くまで背負って外を歩いたとのこと。
よくあることみたいに書いてたけど、それ同居家族の態度として最悪でしょ…。
その宇宙飛行士が神経質にイライラピリピリしている顔が目に浮かぶし、また子どもってそういうの一番に感知してさらに泣き叫ぶしね。
お連れ合い、生きた心地がしなかったんではないかと思うわ。

そして、そういう人でも天下のNASAの閉所協働適性試験にはパスしてしまうわけです。
実はかなり存在している「家の中で暴力暴言ふるってるヤツ」に世間が気づかないことは容易に想像できます。

えーと、灯台守の2人も、厳しい選考テストは受けていないでしょうけど、当然の帰結でしょうね、という話です。

ところで、けがれた人間が直に神を見たら、そりゃ目がつぶれますよ。
『十戒』でもモーセは岩の裂け目に隠されていたでしょう。
私たちパンピーが神と対話するにもけがれを覆う裂け目(イエスの血)が必要です。覚えておきましょう。

「しかし、あなたはわたしの顔を見ることはできない。わたしを見て、なお生きている人はないからである」。
そして主は言われた、「見よ、わたしのかたわらに一つの所がある。あなたは岩の上に立ちなさい。
わたしの栄光がそこを通り過ぎるとき、わたしはあなたを岩の裂け目に入れて、わたしが通り過ぎるまで、手であなたをおおうであろう。
そしてわたしが手をのけるとき、あなたはわたしのうしろを見るが、わたしの顔は見ないであろう」。
(出エジプト記20:20-23)

2人の名前が十二使徒のトマス由来なのも(で、あえてそのことを強調しているのも)、重層的な意味があります。彼らが実は同一人物であることをほのめかしているような。

トレーラー。