英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 RBG を見た。ルース・ギンズバーグの言葉が築くアメリカ『RBG 最強の85才』

火曜日のプライマリー結果で特筆すべきは、リベラル女性候補の躍進だった。
Women's marchが掲げてきた具体的指標は多々あるが、少なくともLAでは、投票率を上げること、そしてさらに多くの女性を政界に送り込むことがその肝である。
あの日の鼓動が目に見える形で増幅しているのを嬉しく思う。

そして、ギンズバーグ最高裁判事のドキュメンタリー『RBG』はとても面白かった。
「アメリカでなければ起こり得なかった」あるアメリカ人の人物史。
下手な喜劇よりもよほど観客がノっていたし、最後の大きな拍手も温かかった。
ルースなくしてトゥルースは語れず。彼女がアメリカに与えられて本当に有り難い。

RBG 最強の85才(字幕版)

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  • ルース・ベイダー・ギンズバーグ
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米国史のランドマークとなる判例の数々を軸に、彼女の生きたアメリカ、彼女がコツコツ築き上げたランドスケープが紐解かれる。
ご主人はじめ、周囲の人たちの魅力的なこと。
士官学校に入りたいと願った女性たちや、父親にも母親と同じベネフィットが与えられるべきと主張した男性まで、歴史に連なる原告の人たちまでもがただもう皆、明るいの。

そしてマイヒーロー、グロリア・スタイネム !! の出番は残念ながら思ったより少なかった。

ところで、「男に負けたくない」とか、昭和の小説みたいなセリフ、最近どこかで読んだなーと思ったら、田部井淳子さんをモデルにした『淳子のてっぺん』だった。
2人とも1930年代の戦前生まれ、同時代人と言っていいでしょうか。
どちらも、単に好きなことをやるために男社会と闘う必要があったこと、夫と長く良い関係を築いたことが共通しています。

米国の就任宣誓は"Help me God" と締めくくられるのが実にいい。
地上でちょっとばかりいい仕事ができたとしても、すべてのクレジットは神にあります。

私もルース母の教えを胸に刻むことにしよう。
Ba a lady, be independent.
(ルースの解説によると、ladyとは腹を立てない人だそうです。映画の最後のほうに、それに関連して彼女がおかした失敗への批評もきちんと挿入されています。)

(追記)半年後に公開された、彼女の最初の闘いを描いたフィクションも楽しかったです。
RBGを演じるのはフェリシティ・ジョーンズですが、もしや本人も...
ingoditrust.hatenablog.com

法廷を変えた男、マーシャル弁護士も登場します!

このベストセラー本がテーマだと言ってもよい。映画には快活な若い著者2人も登場します。

いかにも新聞連載的なバタバタ小説ですが、淳子さんの残した著作へのドアを開いてくれた1冊。

かっこいいトレーラー。

もちろん製作陣にも女性がズラリ。