注、テレビシリーズを一度も見たことがないのに映画館に行ってしまったあるムービーゴーアーによる鑑賞日記です。
私のうっすい『ダウントン・アビー』との接点といえば、随分前に友人がNHKでどハマりしたと聞いたこと。
家族の1人がハイクレア・キャッスルの近くに住んでいて、それこそNHK放送時にわらわらと知人のツアーガイドを頼まれていたこと。
人んちなのに見学できるんですね & AirBで泊まれるらしいですね。素敵。
映画は、いかにもシリーズ映画化なこまごまエピソードの寄せ集めで、特にグラニーが、わりとすぐ死ぬ、あとを頼む、とか言い出すのは、ニュービーな私にも唐突に感じられました。
でも、背後のレイヤーを知らなくても、十分楽しかったです。
諸々時代ものの意匠が興味深いのはもちろん、最近、翻訳業で white glove service の訳語に頭を悩ますことが3度も続いたので、これこそ、white glove service よね、と日本語でどういうかを思いめぐらしながら、働く人たちの姿を眺めていました。
『日の名残り』の世界。
私はとにかく裏方が好きなので。
それから、出演者についてはマギー・スミスがドンを務めてることしか知らなかったのですが(!)、20年前の『ノッティングヒルの恋人』でいい奴な脇役を好演していたヒュー・ボネヴィルが主演なんですねえ。
あのときは、本当に絵に描いたような脇役だったので、カジュアルに出世したのが分かって嬉しかった。
女性のフラッパースタイルのシルエットが素敵。クリスマスツリーの飾りみたいなハチマキ(?)がかわいい。
彼女たちのファッションを見て、舞台設定は20年代なんだなと分かりました。
『グレート・ギャツビー』と同時代。
前の席に1人で見に来ていた年配の女性が、マギー・スミスのマキャベリネタ、老いネタに大ウケしていた。
さて、私は改めてテレビシリーズを見るのか。見ないでしょうね...。
『日の名残り』のある版の装画にはまさにwhite gloveがフィーチャーされています。
ただ、Merriam-Websterによると、この言い回しが確認されたのはかなり最近で、1979年だそうです。
トレーラー。