大変よかった。
こんな茫漠とした土地に、ニューヨークから来たモヒカン族をはじめとするネイティブとヨーロッパルーツの人々、ケニア出身のおそらく出稼ぎの人が交わって根を張って、さらには争いまでしているのだった。
メインの6人、それぞれに強い印象を残す。家族3人はもちろん、看護師エース、ジョーイ、ムッキのバランス感。
エリンがfarm to tableレストランのシェフという設定も暗喩に富んで実にいい。
タイトルロールだからそうでないと困るが、しっかりモンタナで撮影されているのがよかった。
同じくモンタナが舞台の『The Power of the Dog』はその点少し残念だったので。
『Certain Women』を見返したくなった。
スーパーも空港もほどほどの距離にあるということでそこまで辺境ではないと思うが、「ここにリフト呼べるんだ」「こんなところでシグナル入るんだ」「ここで医者を呼ぶ選択肢があるんだ」と都会目線で驚くこといろいろ。
エリンがダンテの地獄篇を持ち出したところ、隣人のあり方について唐突に説明しすぎでは...と思ったが、終映後にボッティチェリの地獄絵を見たらまさにあの風景と完全一致で驚いた。
でもあの場所はパラダイスバレーと呼ばれる土地なのですね。
トレーラー。
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