秀作『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、最近の個人的ヒット『ザ・ビッグ・シック』に続く、アマゾン・スタジオ作品。
脚本、演者のアンサンブルとも全く気負いがなく、笑いもさりげなく、とても好感が持てた。
セリフで、『ハドソン川の奇跡』と似た発見があった。
親子ダブル不倫とは別線で、家族たちそれぞれに車に関するセリフがあるのだが、不思議なことにそれが鑑賞後になって思い出されてきたのだ。
「縦列駐車は得意」と言うマム、不倫発覚後、「spotをさがすから(ダブルミーニング!)」と姉妹を先に降ろすダディ、妹を車で送るお姉ちゃん、そしてパパの手ほどきで運転の練習をする妹。
全部何気ないけど、全部に物語と人格に関わる大きな意味があるのだ。
脚本家、すごい。
タイトルも示すとおり、一般人にインターネットが浸透する前夜の1995年が舞台だが、それにはあまり意味はなかったかなー。マンハッタン舞台の高揚感もないし。NYNYに住んでいるからって誰もが金持ちなわけではないのでリアルといえばリアル。
ただ、『ガールズ・トリップ』みたいなSNSで転がってる話と比べると非常にすがすがしい。
ウソのつきにくい微妙な過去のプロップが一番大変だというけれど、本作にも懐かしいテキストエディタが...。
知ってる役者さん1人もいなかったのだが、姉妹役のジェニー・スレイト、アビー・クインの名前は覚え得ておこう。。。
トレーラー。