インドで迷子になったままタスマニア島で育てられた坊やの数奇な運命、サルー・ブライアリーの手記を元に起こした作品。
単純にプロットを追うのを楽しむ映画を見たのは久しぶりかもしれない。
この作品の最大のメッセージは「Google Earthすげー」ではないだろうか...
インドパート、子どもも大人も生き生きしたパフォーマンス、ロケーションも言うことなし。
ニコール・キッドマン、ふるさとでの撮影、実生活でも養子の親として思うところあったのだろうか。
繊細に子どもたちへの愛情を表現していて素敵だった。
空港での夫婦での出迎えのシーンでは、私自身が迎えられたように嬉しくなってしまった。
が、なぜ自分の子どもをもたずあえて養子を育てることを選んだのかを語る長ゼリフは、唐突。
見せ場だけに、もっと積み重ねが必要だった。
脚本には2人目の養子、Mantoshも含めて葛藤を見せるシーンがもっとあったようだが、カットされたっぽい。
一点、「映画って残酷…」と思ったのは、そのMantosh(子役)を空港に出迎えるところ。
「あっ、この子は思てたのとちゃう…苦労しそう…」という観客のレスポンスは、そのままニコール夫妻が受けた印象でもあったはず。
兄ちゃんのサルーが愛くるしいだけに比べてしまうのが辛い。
後々の描写も含めてサルーとの違いが分かりやすかったし、2時間の映画ではそうせざるを得ないのも仕方ないけど、もう少しカワイイ子にしてあげてもよかったと思うけどねえ。
実のお母さん、信じて勝利しました。クリーブランド監禁事件のサバイバーのお母さんと同じです。
お約束、最後に本物登場、サルーと夫妻の笑顔に心動かされました。
そして、Lionの意味は…劇場で。聖書読んでると、ああいうオチはすごく泣かされるわけよ。
原作。
邦訳は、「ハドソン川の奇跡」Sullyの手記と同じく、静山社が抑えている。
トレーラー。