英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。映画、英語、栄華。

映画 California Typewriter を見た。ドキュメンタリー『カリフォルニア・タイプライター』

祖母は戦時中に夜な夜なタイピスト学院に通った時期があったという。
2年交代で僻地に赴く工作隊にはタイピスト2人が随行することになっており、関心をもったようだ。
半年でどんな文章も打てるようになったが、結局隊に加わることはなく敗戦の日を迎えた。

…って、日本語タイプか!どんなマシンだったのか聞いてみなくては!

私も昔、先生が職員室で使っているタイプライター(と言っていいのか?ワープロ黎明期に残っていた最後の機種だと思う。パネルに並んだ膨大な漢字にマスを合わせて打つものだった)、いいな〜と思って見ていた。
だって、サンタさんにもらった「バンダイ レターメイト」はひらがな、カタカナ、アルファベットしか打てなかった上、カーボンの印字が全然きれいじゃなかったから。句読点ばっかり濃くなって。
今思うと1文字打つのにすごい労力だったけど、それでも活字の書類を作れる喜びはあった。

それに比べて英文タイプのシンプルさ、美しさ、楽しさよ。やっぱり時代は1バイトだよね!(2バイトに悩まされた過去あり)

本作でタイプライター愛を語る面々に共通しているのは、言葉はいろいろだけど、タイプの魅力としてtangibleと「いま、今を生きられるツール」を挙げていること。

ジョン・メイヤーは意識の流れを記録できると言う。誤字脱字を直してくれるコンピュータは煩わしいと。

でもまあ、皆コンピュータの恩恵も享受していて、単にIT化を恨んでいるわけではない。
「タイプライターを活かすために」ITをどう使っているかが描かれている。

少し脱線すると、タイプライターの部品でアート作品を作り上げるジェレミー・メイヤーが、作成時間中はすっかりメディテートしている、と言っていて思ったことがある。
世の中、「マインドフルネス」「瞑想」ブームなのだが、何かに没頭することができるなら、それで十分メディテーションできているのでは?と思う。
1日10分時間を作って呼吸に耳をすませる、とか面倒なことしなくても、人は何かに心血を注いでいる時、人はgetting in the zoneできている。

ブームと言えば本作中中盤からの「最近タイプライターがキテる!」は知らんがな、だったが、こんな生き残り方もいいな、と思えた。

業務連絡、おばあちゃんも、がんばって。お願い。

赤いマシンがかわいい。
トム・ハンクスのレターヘッドがカッコいい。

いつまであるか分からないけど、レターメイト。

トレーラーと、本作中、急にプチ有名人になっちゃうタイプライター彫刻家、ジェレミーのTED。