充実したロードムービーだった。
最後まで見て、タイトルがぴったり立ち上がってくるような。
そもそもsoundは興味深い言葉で、空気を撼わせる音と、undisturbed, secureのような静かなイメージの両方を備えている(但、前者はラテン語由来、後者はゲルマン語の「健康」由来の同音同綴異語)。
メタルも途中からそっちかー、と思うはず。
チェリストの友人が常々「世の中の人工音はことごとく大きすぎる」と言っていて、映画館も一緒に行けないのだが、彼女は手術後のルーベンのように感じることもあるのだろうか、と想像した。
冒頭、はよステロイド打ってもらいなよーーー!と焦ったけど、間に合わなかったんやろか。打たないほうがいい人もいるの?
時系列的に聴力が戻る可能性が前提に流れているとはいえ、ミュージシャンとしての苦しみはあまり描かれていなかったような。
学生の頃、デフシアターに通ったり、耳の聞こえない学生に同席して講義のスクリプトを取ったりしたときのことをあれこれ思い出した。
今はこの映画で説明されているように、もっと便利なソリューションが実現しているはず。
ASLといえば、大統領選勝利宣言の通訳がめちゃくちゃ素晴らしかったので見て。
ふたりが選んだ登場曲の歌詞(重要)、観衆の歓声、ホーンの音まで見事に再現している。
トレーラー。