知的興奮を呼び起こす脚本。
中盤までは、アメリカの優等生物語としてすごく面白いけど、これ、オーディオブックでよくね?と思ったが、チャーリーが出張って来てから2人のパフォーマンスに引き込まれる。
私の好きな「粋な法廷」要素も。
審理初日に「あ、あの人、いい判事だから(ヤッタ!)」と弁護士がクライアントに耳打ちするとこなんか、私も実際に経験したあるある風景。
チャーリーにAs her attorney... と言ってもらえた時、モリーは本当に嬉しかったでしょう。
で、以前、私のためにobjection!と言ってくれたattorney(代理人、普通はattorney at law 弁護士を指す)のことを思い出したり、そして今、私の永遠最強のattorneyであるJesusに感謝したり。
普通に教育を受けた英語話者がどのようなテキストを常識レベルで共有しているかが垣間見えるのも興味深いだろうと思う。
私もアメリカ文学史の講座でまず読まされたアーサー・ミラーの『るつぼ The Crucible』は、本作でも盛大なオチに使われている。
モリーのアイデンティティを表す決め台詞の前振りはジョイスの『ユリシーズ』、締めくくりはチャーチルだ。
最後に、I, Tonyaや本作をこの時期に合わせてきたのは偶然ではないのだろう、モーグルのシーンに「冬の五輪、日本のテレビで見たいなーーー」と思った。こっちではスポーツ専門チャンネルですらブツ切りでしか放映しないし、五輪があることすら知らない人も多いので...。
映画の中でも大活躍の原作。明かされたアドバンスは安過ぎだと思う。
クルーシブルは何度も映像化されていますが、ウィノナ・ライダー版が見やすいかと。
トレーラー。