英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 The Shape of Water を見た。褒められ過ぎだろう『シェイプ・オブ・ウォーター』

絶対見ないと思ってたR指定のサイファイ。
アカデミー賞のノミネートが発表され、作品賞ノミニー9作品のうち見ていないのがコレだけだったので、蒐集欲が出てしぶしぶ観に行った。

やはり、私が好きなやつじゃない、という直観の正しさを確かめに行っただけに終わった。
終わりに乾いた笑いと拍手が同時に起こる作品も珍しい。アレ笑うとこ?

全般的に「時流柄、内輪ウケがよい要素」を露骨に詰め込み過ぎだと思いました。
各種差別を散りばめたインクルージョン要素も結構唐突に感じたけれど、映画愛の要素なんか...もうヒド過ぎた。
「ラ・ラ・ランド」はその点もう少しうまいことやってたな、と。

サリー・ホーキンスのイライザはモーディと同じやん…
というか、Maudieを見て、「ああいう感じの演技なんだろうな(だから見たくない)」と思ってたのがあまりにそのままで。驚き全くなし。
浮世離れの不思議ちゃん表情にいちいちイラっとする。
聞こえるけど喋れない、という都合のいい設定、ラブコネタも卵の邂逅から音楽まであまりに安すぎる。

それから私は本作のような「かわいそ過ぎる悪役」が嫌いだ。切なくなるから。
しかも中の人がPremium Rushでもすごくかわいそうなビランだったマイケル・シャノンで、ほんと辛い。
思わず、現実では幸せな人なんでしょうね?とプロフィールチェックしてしまった。

救いはオクタヴィア・スペンサーとリチャード・ジェンキンスという2人の素敵な親友。
最後に、イライザとの別れという寂しいシーンながら、ツーショットが見られたのは嬉しかった。

これから見ようというモノ好きで英語文化を楽しみたい方は、聖書の士師記の13-16章を読んでおくのがおすすめです。悪役の言葉がよく理解できるはず。(その聖書引用も、映画の中で必然性があったとは思わないけれど)

帰りのラジオで#MeTooの先にあるものについてディスカッションプログラムが放送されていた。
あるリスナーがGG賞の感想として、「レイプ被害者の復讐とか、女性と人間以外のものの恋といった発想が評価される」文化ってどうなのよ?と批判調でコメントしていた。壮大なテーマだ…

第90回アカデミー作品賞ノミネート一覧。それぞれ鑑賞日記に飛びます。
Call Me by Your name 『君の名前で僕を呼んで』
Darkest Hour『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
Dunkirk『ダンケルク』
Get Out 『ゲット・アウト』
Lady Bird『レディ・バード』
Phantom Thread 『ファントム・スレッド』
The Post 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
The Shape of Water 『シェイプ・オブ・ウォーター』
Three Billboards Outside Ebbing, Missouri 『スリー・ビルボード』

私の2017年鑑賞作品ベスト5はこちら

結局見たことないままだったトレーラー。