英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Return to Seoul / Retour à Séoul を見た。『ソウルに帰る』

カンボジアンフレンチのDavy Chou監督による『ロスト・イン・トランスレーション』以上にLost in translationが歯がゆい逸品。それこそ同じ言語の話者同士であっても誰もがすれ違いまくる。
あまりに理解を超えてくる相手に、一言で消されるマキシムと一緒にゾッとした。

父親との2度目の再会で「なんか前より若くなってんだけどどうなってるの...」「そう?見せてくれた写真と同じじゃね?」と、どうせ言葉が分からんと思って本人の面前でヒソヒソ話をする失礼なフレディカップル。
そして彼女自身もまた、ソウルに戻るたびにどんどん若返っていく。

私の教会でよく、初めて礼拝に来た日と比べると肌ツヤが良くなった、髪が濃くなった、という笑い話をするのだが、「父」のもとに帰り、近づき、魂の純度が多少なりとも上がるにつれ細胞が活性化していく感じはわかる。

あなたがたは主にお会いすることのできるうちに、主を尋ねよ。近くおられるうちに呼び求めよ。悪しき者はその道を捨て、正しからぬ人はその思いを捨てて、主に帰れ。(イザヤ55:6-7)

育ちと仕事の環境ゆえだと言えば説明がつくけれど、ゲストハウススタッフTenaの通訳がうますぎる。

フレディをはじめ、私の知人に似た雰囲気の人が続々出てきて時々笑いそうになった。
とりわけ、あるコリアンの友人も愛憎半ばするfather's girlで父親が酔うと電話をかけてくるとこぼしているのでなおさら。
匠のキャスティングである。

トレーラー。