英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 CODA(child of deaf adults) を見た。きこえる喜び『コーダ あいのうた』

きこえる喜びが胸をみたす素敵なトリート。
演者全員に拍手。好きな俳優がどっと増えて嬉しい。
折り目正しい教科書どおりのつくりが心地よい。
音大入試オーディションのルビーの「歌唱」はメッセージの音量に圧倒されてむせそうになった。

最後にルビーが送ったサインにはキャプションが入らず、ASLをほぼ知らない私も、"きこえないのにきこえる" 瞬間を味わうことができた。
(後でググって答え合わせしたらちゃんと当たってた。...と得意がるのは恥ずかしいくらいそのメッセージしかありえないんだけど... ところで私はRの文字は両手を使わないときれいに表現できない)

ヤングケアラーの問題な...。
米国だと英語に関して子供に頼り切る移民親問題があるが、あれは親が学べばいいので話は早い。
子供も、親に勉強しようという意思さえあれば決して英語が自分より拙くてもバカにしない。親はそれ以外の言葉もできるわけだしね。
逆に全然勉強しようとしない親は子供になめられます。当然。ときどきいるんだよね、本当に理解できないんんだけど。
「親に話してもわかんないから」という冷たい言葉を二世ティーンから何度聞いたことか。
でもこの映画のデフファミリーの場合は努力ではどうしようもないところがどうしてもある。
最後、コミュニティにもかれらの声が「きこえ」始めている片鱗が見られたのはよかった。

手話同士だと、激しい口喧嘩をしても静かでいいな。
人が怒鳴るのを耳にするのって真正面の相手でなくてもすごく身体にこたえる暴力なので。
といってもASL話者は「あっ、あんな汚いサインを使いやがった」って傷つくんだろうか。

米国ではASL学習は超人気が高い。周囲にも教育過程のどこかでクラスをとった経験をもつ人がたくさんいる。
学区の環境の違いにもよるが第二言語の授業でスペイン語の次に履修人口が多かったりする。
母語話者とのコミュニケーションや言語の魅力はもちろん、『スノーデン』のチャレンジシーンにもあったように「ひみつきち」心をくすぐる意外な実用性も...?

本作はフランスのコメディ映画 La Famille Bélier のリメイクである。
Appleのオリジナル作品を見たのはたぶん初めて。
これからも期待したい。

トレーラー。

サンダンスのインタビュー。