脚本を中心に非常に多方面に配慮を張り巡らした快作だと聞き&オークワフィナを見たくて行った。
良かった。
かなりの部分がしっかり中国語劇(英語字幕)なのも、シャン・チーは親の教育方針で4か国語できるんだヨン、という設定も非常に面白い。
スマッシュヒットだけど、『ブラックパンサー』のときみたいな子供たちの盛り上がりが全然ないんだよなぁ。西海岸でのアジア人の立ち位置を思う。
「マーシャルアーツ」は見ているだけで快感が走るから楽しい。
剣道、極真空手、合気道、茶道を経験してきた私が思うところの「マーシャルアーツ」とは、
- 極力自分の力を使わないこと。
- 先達の知見を集約した型の存在が感じられること。芸(先達たち)と相手への敬意を示す型を備えていること。(で、型を極めると最も効率的かつ美しいのだ、という信念がある。先達が自分の中に、というのは本作のテーマでもあるな)
- 残心があること。
とはいえ、本作は力任せのところも多々あったので、『グリーン・デスティニー』を見返したくなった。
『ブラックパンサー』はマーベルビギナーでもすべての一瞬をフルに楽しんだけれど、本作は他のマーベル作品を知らないとダレているようにしか見えないシーンがいくつかあったね。
キングズレーの舞台俳優が登場して5分以内に観客が3人も席を立ったのは「わかるよ」と思った。
モーリスに対する「顔は?」という反応を見て、確かに!地球上の動物ってあまねく人間が「顔」と認識する要素があるなー!不思議ー!と思って、「顔」がない動物ってなんだろう、と考え始めてしまった。ミミズしか思いつかなかった。
次作『エターナルズ』もクロエ・ジャオ監督ということでぜひ見たいが、トレーラーはチープでいまいちやったね...。
トレーラー。