当たりクジを飲み尽くしてしまったレスリーがささやかな夢を取り戻すまで。
ひなびたアメリカの町のスケッチが緻密で、好きな物語だ。
ダレンがジェームスに疑いを告げたと思われる工事現場の遠景のシーン、大変スマートでよかった。
スウィーニー、ナンシー、ロイヤルの造形が心憎い。
それぞれ、いろいろな意味で変人なのだが、茫漠の地の包容力ゆえにグロテスクさが薄まってバランスがとれているというか。
19万ドルの当選金を少なっ、と思ってしまう私の感覚もくるってるよな〜。
ここじゃあ、ステュディオどころかテスラの1台も買えない。
(あの車はオーナーの顔がダブって見えるのであまり好きではないのだが、先日友人が地下駐車場にツヤツヤのあの新車でスル〜っと入ってきたときは、ついカッコイイ...と思ってしまった)
【1/24/2023追記】
グゥイネス・パルトローら「お友達」のがぶり寄りのPRが奏功してか、この地味なインディーズ作品からアンドレア・ライズボローが主演女優賞候補に。今朝のノミネーション発表で漏れたざわめきは「結局あれに乗っかったかー、まいったなー」の苦笑ではなかったか。
一般観客のみならず、アカデミー会員も当然ながら本年度対象作を全部見て投票するわけではない(会員に多様性が欠かせない所以)ので、少ない宣伝予算で本作を見た人が増えたならよかったと思う。が、実際にライズボローのオーセンティシティは素晴らしかっただけに、Aリスター集団(全員白人)によるちょい格下のツレ(白人)のためのゴリ推しキャンペーンの印象が大きくなったのはちょっと気の毒。
トレーラー。