A Heroとカンヌ2021グランプリを分け合った作品。
ラフで生々しい筆致を堪能した。
食事をしながら喋っているローラの口元にずっとソースがついてるとか、別れに言葉がなく遠景で視線を交わすだけとか、そういうところ。
こういう映像を見ると、ハリウッド作品は概してピースとかアートというよりプロダクトに過ぎず、きれいすぎるよな〜と思う。
携帯電話が普及する直前の寒々しいモスクワ→ムルマンスクの列車の旅。
実を言うとフィンランドがスウェーデンよりはるか広範囲にロシアと接しているのを初めて知った...。
勝手ながら北欧3国は独立した房のようなイメージがあった。
これまでの自分のアムトラックの旅を重ね合わせながら見た。
虹の根元には往々にして何もないけれど、行ってみなければそれまでの過程こそが祝福なんだって気づかないものだよね。
トレーラーは本編の雰囲気と違うと思う。こういう映画ではなかった、と言いたい。