英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

愛を実践するための瞬発力

これを読んで、最近とても印象に残って人に話しまくっている出来事について考えたのでメモしておく。

相手を楽しませるには、喜びをもたらすだけでは足りない。その中心には、大抵の人が見逃している核がある。それは「驚き」「意外性」だ。楽しませるには、予期せぬことをもたらさなければならない。

ローラ・ファン著、栗木さつき訳 『ハーバードの人の心をつかむ力』

誕生日の前日、トレジョに行った。翌日の旅行用の酒類の買い出しである。
レジでIDを求められて提示すると、スタッフさんが言った。
"Perfect. And happy birthday."
もうビックリして、わあ、どうもありがとう、と言うのが精いっぱい。
私が仰天して喜んでいるのを見てスタッフさんも会話を続けていいとふんだのだろう、明日はパーティか、などと聞いてきた。そこに袋詰めのヘルパーの人も来て、「えっ、今日が誕生日なの?」などと言ってくれたので私ももっとサービス(?)したくなり、「テメキュラに行くんだ」「ワイナリー?」「だといいんだけど、ホテルでしか飲めないから買い出しに来たの」と話す。
会計が終わり、スタッフさんはマスクの間から目をスパークジョイさせながら最後にもう一度「楽しい誕生日をね」と言ってくれた。

もうほんとうに楽しい気分で帰って、帰宅するなり家族以外にも3人に伝えた。

「IDの生年月日から年齢を確認する」というルーティンを私がやるとしたら、要注意の年だけ覚えておいて、年だけさっと確認して、きわどい年だったときだけ月日までチェックする、というやり方をすると思う。
誕生日の人が来ても気づかない可能性が高い。もし気づいても、おそらく私の身体は祝辞を伝えない。

でも、トレジョの彼には「明日が誕生日だ」と認識し、すぐにお祝いを言う瞬発力があったのだ。
普段から「誕生日の人が来たら声かけるぞ!」と構えていた可能性もあるけれども。

土地柄とか店の環境とかいろいろな奇跡の合わせ技でもあるが、彼はそれをとらえたのだ。
時によっては空気読めてない、ということにもなるだろうし、相手によっては「あぁ...どうも(個人情報に反応すんなよ)」程度にそっけない反応をされる可能性もある。

今回私が不意をつかれたのには当日ではなく前日だったこと以外にもうひとつ前提があって、前の年の誕生日、パンデミックでパーリーどころか人に会うのも外食もあり得なかったので、せめて他人に贈り物をしようと献血に行ったのだ(受けるより与える方が幸いである)。レッドクロスでは当然IDを見せるし、ことあるごとに誕生日を言わされるので、今日じゃん!おめでとう!と言われたら「パーティできないからせめてギフトをしようと思って~」と返しまで考えていた笑。結果、誰からも何も言われなかった...。
業務でIDをチェックするというのはそういうことなんだな、そりゃ見てるけど見てないよな、と理解したのだ。

そのとき「おめでとうって言われるかも?」とスケベ心を抱いたのにも、さらに前提があった。
その前に献血に行ったとき、事前検査をしてくれたRNさんが、私の生年月日がマシンに表示されるなり、Oh! と絶叫してウルウルし始めた。なんでも、白血病で亡くしたお姉さんと同じ誕生日だという。さらにもう1人お姉さんがいて、双子ではないのに彼女も同じ誕生日なのだという。「ちょうどさっきのドナーとの雑談で、姉2人の誕生日が同じだと話していたところだったから。ごめんなさい、emotionalになってしまって」。

( TДT) オロローン。

それは泣くって! お姉さんが天国からウインクしてる、って思うって!
帰りには"You made my day, bro!"と言ってくれた。

Likewise.

常々、人助けには瞬発力が重要だと思っている。頭で問題を認識したときにいかに早く身体を動かせるか。
何度か「あれ、助けるべきだった...」の後悔を経て、とりあえず合気道を習い始めたほどである。防御攻撃のワザではなく、身体に感覚を行き渡らせて、考えたことを即座に実践するすべを学びたかったのだ。
同じく、人をワクワクさせるのにも瞬発力が必要なんだと学んだ機会だった。