英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Passing を見た。レベッカ・ホール × テッサ・トンプソン × ルース・ネッガ『PASSING 白い黒人』

これほど白黒で見せることに意味のある作品があるだろうか。
実は見る前は、ルース・ネッガ(『Loving』以来、とても好き)をパッサー役として説得力を持たせるためにやむなく白黒にしたのだろうか、などと疑っていた。いろいろ間違っていた。すみませんでした。
仮にそういう理由だったとしてもカラーでもどうにでもなるよな。

ただ、個人的にはあまり本来のテーマの機微は感じ取れなかった。Nワードがあまりにも浮いていた。
それよりも『グレート・ギャツビー』と同時代の「時間をもてあましてうっすら不幸せなマンハッタンのフラッパーたち」の物語として楽しんだ。
筋書きは知らなかったけど、ネッガが登場した瞬間から不幸な結末を予想できたし。

passの語がかけ言葉でたびたび出てきて翻訳者さんは歯がゆいと思う。連帯の挨拶を送ります。

ネットフリックス配信は11月10日から。
にもかかわらず、よくお客さん入ってたよ。
今後数週間は賞レースを見据えた作品が続々出てくる。

10/31 追記、監督は原作を読んですぐに白黒映画にするビジョンを描いたという。
自身のアイデンティティも含め、その判断の経緯が垣間見られてとても興味深い記事。
‘Passing’: Rebecca Hall Made One of the Year’s Best Debuts, but for Years Nobody Would Fund It

There really was that moment where I thought, ‘Am I going to make this film in color or am I going to risk not making it at all?’ And I chose risking not making it at all...

11/3追記、この記事も面白い。カラー映画でのルースやテッサを知っているゆえに作り手の狙いに乗り切れなかったという残念さ。
This Movie Season, It’s a Black-and-White Boom

The hotel tearoom scene "is so bright that it’s difficult to tell" the characters’ race, a deliberate choice, the cinematographer Eduard Grau said.

1929年出版のNella Larsenの原作。『グレート・ギャツビー』は1925年刊行。