英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Lingua Franca を家で見た。グリーンカード考『リンガフランカ』

タイトルからして見るしかない。
結婚でグリーンカードを得ようと奮闘するブルックリンの移民の物語と聞けばなおさら。
が、残念ながら四流作品だった。

設定が複雑な彼女の苦しみ、不安は伝わったけれど、どうにもエピソードが陳腐で。
時折かぶさる大統領の声明や、移民送還のニュースも、コレないほうがいいのに...、といちいち思う。

おばあさん役は、Sex and the Cityでサマンサの支えになっていたマグダだった。

今日の米国の移民の中では、背水の陣を敷いていない日本人には彼女たちのような悲壮感はない。
ああしてお金を出して偽装結婚しようとする人もまずいないだろう。
(事実上、等価交換みたいになってる人はいるのかも。私もこれまでに3度、「永住権が必要だったら言ってね」と日本人、米国人から言われたことがある)

一部の日系人界隈では暗黙のグリーンカード序列があるらしい。
すなわち、結婚でとった人は自力でとった人から見下されてもしかたない、という下卑たもの。
信じられないだろうが、米国人と結婚している友人は、留学生に「結婚でグリーンカードとったんでしょ、気楽でいいよね」と言われたのだという。
しょうもな...。
その妙な自分基準から「私は結婚とかじゃなくて、ちゃんと(??)自分で何とかしたい」などと言う人には何人も会った。

自力でとる、って言ったって、それも企業なり弁護士なりのサポートがなければまず取れないからね。
私も、よく取れたね〜と言われたけど、自分の力なんかではちゃんちゃらなく、たくさんの人たちのサポートがあったから。
何より神さまの「アメリカにとどまりなよ」という導きだし、オバマ政権のDACA推進時で短期で取得できたので、オバマっちからもらったようなもんだと思ってる。

あとはウルトラCのDiversity Visa Program。
現政権が初期からやめるやめると言っているが、結局まだ存続していて、これは相当すごいことだと思う。
だって、今みたいにステークホルダーの多い就労ビザ、駐在ビザ、学生ビザなどを止めるとかよりもはるかにラクに施行できそうじゃないですか。
私の直接の知り合いで当選したのは5人。
当たっても万歳ではなくて、実際にカードを手にするまでの大変さも耳にしている。
うち1人はあるプロセスがあと3日遅かったら取れなかった...というところまで行った。

クジで永住権を分配しようという無茶苦茶なプログラムだが、これこそアメリカの真髄だと思うので、アメリカがアメリカであり続けるためにぜひ続けてほしい。
そして、他の地では安全に生きられない人たち、この地しか知らない子どもたちは何が何でもアメリカ市民として守ってほしい。
自由の女神の台座に刻まれているように。

"Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tost to me,
I lift my lamp beside the golden door!"

Emma Lazarus

今からステイホーム民主党大会。Day 1の今晩はミシェル・オバマが登壇するもよう。

トレーラー。