主演のウニちゃんの体の通りの良さに驚嘆。
彼女にとって感覚をすみずみまで行き渡らせることができるのは指先だけではない。
『ドライブウェイズ』に続き、とても文法の正確な作品。クリシェだらけという意味ではなくて、この動詞にはあの形容詞の組み合わせがしっくりくるよね、というコロケーションがきっちりしてる。
あの家族、すごくヘン。
子どもに対する関心が微妙なのは分かった。
でも、毎日おいしそうなおかずをたくさん並べて一緒に食べてるんだよ。ウニも母親のチヂミが大好きらしい。
それではたしてあんな仲悪い集団ができあがるだろうか。
手の込んだ料理を毎日一緒に食べることで仲良し家族を演じる仮面家族、という話なら日本の小説で何度か読んだことがある。
でもこの家族の場合は他者にも自分にもそういうアピールの必要性に迫られていない...。
少なくとも、朝ごはんさえ食べさせていれば子どもはグレない(@田辺聖子のご夫君)という真理を二度目のチヂミシーンが物語っていた。
10歳くらいのころ、ふと気づいたことがある。お母さんがごろごろしてる姿を見たことがない!って。
それはすごいことだったのだと改めて思った。
ウニのお母さんは働き者だけど、お父さんに浮気され(多分)、いつも疲れていて、しょっちゅうもの憂く昼寝してる。そんなの誰も責められないしお母さんに共感するけど、ウニちゃんは不安をつのらせていた。
「子どもは毎日幸せにしたらなアカンのに」という『大阪ハムレット』のおっちゃんのセリフが何度もオーバーラップした。
本作では「急いで」ハングルを書くシーンが何度かあるけれど、英語だけでなくひらがなに比べても書くのに時間かかりそうに見えた。世界で一番合理的な言語のはずなのに。
Peter Sobczynskiの批評には、単数形のtheyが使われていた。
https://www.rogerebert.com/reviews/house-of-hummingbird-movie-review-2020
地元映画館のオンラインプラットフォームにて英語字幕で鑑賞。
138分、スタンディングデスクで立ち続けたまま最後まで見てしまった。
愛すべきなにわ語マンガ、『大阪ハムレット』。子どもを幸せにするリサイクル屋おやじが登場するのは第2巻。
トレーラー。