米連邦最高裁がLGBTIらの権利が保護される「歴史的判断」を示した日に。
といっても、これはゲイカップルが代理母の助けを借りて子を授かる物語ではない。
生命倫理の講義シラバスに並ぶようなトピックスがてんこもり、さらに主人公が高学歴アフリカ系make a difference系NPO勤務ルーキーで話が入り組む入り組む。
ほんの少し前にも、ダウン症児を養子に迎えたものの「ムリ」と手放した子沢山YouTuberが物議を醸した。
本作でも多くの善意の人々のムリムリソーリービームが充満。
同時に、受精した時点でソウルが宿る、などと言いだす人の不気味さも描かれている。
(彼女はニューエイジ系っぽいけど、Pro Life州の人たちも同じようなことを言っている)
優生思想を社会が断固拒むには、子どもを社会全体で育てる枠組みがさらに強くなければならない。
子どもを個人の所有物と思うから、代理母というアイデアが出てきたり、「ノーマルでない」子育てが腫物扱いされたりするのだ。
でも資本主義先進国では子どもはどんどん贅沢な所有物になっていく一方...。
最近では、アンダーソン・クーパーが代理出産で子どもを迎えたことを発表したが、あれなんかリッチのきわみである。ちょうど1年前に母親(グロリア・ヴァンダービルト。クーパーがヴァンダービルトの末裔であることを、私は彼女の死去の報道で初めて知った)が亡くなり、思うところあったのだろうけど、トシだし、人さまのお腹を借りなきゃいけないし、生まれた後も自分がつきっきりで育てられるわけでもないのに、すぐに希望がかなったのだから。
「フツウのカップルみたいに子どもがほしいんだよ、フツウの子どもが」というエゴに屈服せざるを得なかった2人と、自分の手元からtangibleに世界を変えたいと望む主人公はこれからも友達でいられるのかな。カップルの望むようにまたトライすることになるのかな。私がJessだったら難しいだろうな...。
映画館閉館中に家で見た作品の中では一番入り込んで見た。つまり、一度もスマホを手に取らず時間を忘れた。
Happy Pride.
トレーラー。
Vimeoに地元映画館のコードを入れて鑑賞。
映画館に一部収益が行くはずだけど、むしろ安くなるのはなぜなのだ...。
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